懐かしガジェット[後編]SONYデジタル手帳「PEG-TH55」CLIE
こんばんは、しろもじです。
懐かしいデジタルガジェットを振り返る企画(もしくは荷物の整理をしてたら出てきたガジェットを紹介する企画)の前編では『SHARPの電子ノート「WG-N20」』をご紹介しました。
後編の今回は、この企画を思いついた立役者「SONY PEG-TH55」をご紹介します。
PEG-TH55とは?
確か2000年ごろに初代CLIE(クリエ)が登場した時、同端末は「ビューア」としてのものであって、決して手帳ライクに使うことができないものでした。
だから2002年に登場した「PEG-NR70V」を見た時「これは凄いものが出てきた」と、かなり興奮したのを覚えています。
ただ、当時はすでに携帯電話、いわゆる「ガラケー」は登場しており、記憶を頼りに書けば、2002年と言えば、貧弱ながらも「カラー液晶のガラケー」は登場していたはず。
「PEG-NR70V」は「ガラケーを高性能にして、電話機能を取ったやつ」という認識です。
ちなみにこのCLIEシリーズは「Palm OS」という、モバイル専用のOSが組み込まれており、当時は「PCのOSはWindows、モバイル端末のOSはPalm」という感じで、今で言うと「Android」のようなものと言えるかもしれません。
SONYはこのPalm OS端末をクリエという名前でシリーズ化しており、初代登場以降、毎年のように新しいシリーズを投入してきていました。
あくまでも私の認識ですが、こういうガジェットって「何代目かにエポックメイキング的な商品が出てくる」ことがあり、今回のTH55はまさにそのような商品だったのではないかと認識しています。
ここが凄いぞ「TH55」!
では、本体を見ながら「こんなところが凄かったんだ」というのを見ていきましょう。
今では珍しくなってきましたが、TH55はカバー付きで発売されていました。
ちょっとおっさん臭い……今となってはそう感じてしまいますが、こんなカバー。
本体はこんな感じ。
カラー液晶で、インチは分からないのですが、多分iPhone5あたりと同じくらい。4インチ?
ちなみに、このTH55は液晶が壊れてて、不稼働になっています。
液晶画面の下には4つの物理ボタン。
左から「予定表」「手書きメモ」「クリエオーガナイザー」「データ活用」となります。
左3つが機能を呼び出すボタンで「データ活用」というので、予定などの新規作成……じゃなかったかな? ちょっとうろ覚えです。
背面はこんな感じです。
上部中央には31万画素CMOS、2倍ズームカメラ搭載! 今からすれば嘘みたいなスペックですが、当時は立派だった。
カメラの上、ここにはSONY伝統のジョグダイヤルが搭載されています。
ジョグダイヤルの左右にもボタンと、独立したBackボタンも装備。
見えにくいのですが、右側には伸縮するスタイラスも格納されてます。
本体左側に、集中配置されたボタンや端子類。
ヘッドフォンジャックに、キャプチャーボタン。
更にカメラカバースイッチ(なんとカメラが開閉する!)。
下の方にはパワースイッチに、ボイスRECボタンまで。
今のスマホのように「画面から選ぶ」というのではなく、あくまでも「物理ボタンで起動させる」というのが当時のやり方でしたから、機能が増えるとボタンも増える。
先程書いたように、既に壊れてしまっているので、起動させることはできないのが残念なところです。
これを使って何をしていたのかというと、スケジュール管理やメモ管理がメインで、後は写真を撮ってみたり……くらいですね。
一応ネット接続(無線LAN)できたので、ウェブサイトを見たり、メールの送受信もできたのですが、当時は無線LANもまだまだ一般的ではなく(家にはなかった)、ほとんど使っていません。
完全に「紙の手帳の代わり」でした。
ただ、紙の手帳と比べると「写真を添付できたり」「活字と手書きを混在できたり」という点が便利……と言うか、未来的でした。
ここが残念「TH55」
当時それほどがっかりした覚えはないのですが、先程も言ったようにSONYは毎年のように、新しい端末を出していたので「どこが買いどきか分からない」という感じでした。
ある意味、今のiPhoneよりも更新頻度は高かったかと。
ただ、このTH55以降の端末は、あまりパッとしたものがなく、そういう意味では「買って良かったのかな」と思っていました。
まぁ、その頃から携帯電話の方が進化しすぎて、すでにPDA(パーソナルデジタルアシスタント)という端末が不用になってきた、という側面もあるんですけどね。
あと、文字入力には「Graffiti(グラフィティ)」という特殊なものが採用されていました。
スティーブ・ジョブズが酷評した「スタイラス」を使って、文字入力エリアにGraffitiという一筆書きのローマ字を入力するんですよね。
それで認識させるというものなんですが、なぜこうなっているかと言うと単純に「文字認識ができなかったから」ということです。
今では当たり前に手書き文字の認識はできますが、当時はローマ字さえ難しかったのです。
ですから「Aはこれ、Bはこれ」というグラフィティ文字を覚えておいて、それを書いていくことで、文字認識をさせていたんですよね。
ま、当然ですが、結構面倒でした。
まとめ
今から思えば「よくもまぁ、こんな不便で面倒な端末を使っていたな」と思いますが、それでも当時は画期的でした。
そして何より「未来的」であり、新しい時代を感じさせてくれる端末でした。
過去、一番のお気に入り端末なんですよね。
その証拠に、今でも使っている端末の名前は
と、なっています(笑)。
でも、これが出たのが2004年なんですよ。今からたった14年前。
よく「最近は技術が停滞している」とか言われていますが、たった14年でこれほどの進化です。
次の14年だと、既に「手に持つ端末」自体がなくなっている可能性もありますよね。
どうなるんでしょうね?
個人的には「最低でもスマートグラス。できればスマートコンタクト」を使ったAR端末が主流になっているのではないかと思っています。
つまり、スマホもPCもタブレットも、全て「仮想」に置き換わっているのではないかと。
その倍くらい(30年くらい先)になれば、あらゆる物質が仮想に置き換わっていても、不思議じゃないかもしれません。
例えば部屋には何もなく、全てが投影された、もしくは物質化されたもので構成されている……とか。
まぁ30年先、と言えば私自身が、まだこの世にいるのか、もしくは異世界に旅立っているのか分からないのですが(笑)。
また、面白いものを見つけたらご紹介したいと思います。
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