ディープラーニングを使ってAIが執筆!? 電子書籍ベンチャーが「商業出版目指す」AIを開発中
こんばんは、しろもじです。
昨日のIT mediaさんに面白い記事が載っていました。
それほど長い記事ではないので、詳細はリンク先をご覧下さい。
要点をまとめると「ディープラーニングを使って、AIに小説を書かせ、商業出版を目指す」と言うことです。
この手の話は今に始まったことではなく、確かAI(アルファ碁)が碁で勝ったころから囁かれていたことでもあります。
本当にAIに小説が書けるのか?
IT mediaさんの記事によると
- AIに著名作家の作品やウェブサイト、辞書データから収集した知識を学習させる
- その学習が適切かどうか、AIに質問し修正する
- それを繰り返す
- 小説の構造化データを付与する
- AIが小説の構造パターンを分析し、文章を生成する
その後、人間の編集者による校正を経て出版となるとなっています。
私はAIの専門家ではありません。
しかし、今回の記事を見るまでもなく、AIが小説を書くことは可能だと思っています。
記事内でも言及されていますが、過去作品を学習し、そこから一定のパターンを見つけて、それに沿って物語を創る、ということはAIの得意とするところでしょう。
もちろん、文脈や語彙的におかしな箇所は出てくるかもしれません。
ただ、それも時間の問題でしょうし、何より人間の編集者が校正することで修正は可能です。
編集者が「主人公は高校2年生男子、性格は……。ストーリーは恋愛もので、ヒロインは……」といったパラメータ設定するだけで、ある程度の小説は完成するようになるのは間違いないでしょう。
それを「テンプレ」と呼ぶのか「王道」と評価するのかは読み手によって解釈があるでしょうけど、現状人間が書いたとしても、そのような作品はたくさんあるわけで、それがAIに置き換わるだけの話なのかもしれません。
人間がAI小説に勝つ手段はあるのだろうか?
ちょっと小難しく、暗い話になってしまいました。
こういう話を聞くと
「小説家は不要になるのだろうか?」
という疑問が当然湧いてきます。
「もう駄目だ」と諦める前に、どうすれば小説を書き続けていけるのか考えてみましょう。
小説家がAIを使って小説を書く
現状、ディープラーニングを使ったAIは、個人で簡単に扱えるほどのものではありません。
しかし将来、家にあるPCなどで個人が簡単に扱える時代がやってくるでしょう。
AIを開発する企業は、それを使って成果を挙げ、それにより収入を得ようとします。
初期の段階では、AI開発にはお金が掛かりますから、コンシューマAIというのは出てきにくいかもしれません。
ですが、過去にそうであったように、技術は進化すればするほどコストが下がり、やがて個人で買うことができるほどのものになってきます。
初音ミクのようなボーカロイドみたいに、ソフトウェアとして発売されるかもしれません。
そのとき、個人はそれを使って小説を制作し、自分自身のアレンジによって、小説を完成させるというスタイルになるのかもしれません。
アレンジも「直接文章を書き換える」というものから「パラメータをいじる」という感じで、もしかしたらPCすら不要で、スマホみたいなもので簡単に小説を創ることが可能になるかも?
自作の小説に「No AI」というインデックスを付ける
先に話したように、AIによる小説の執筆(と言って良いのかどうか分かりませんが)は「過去の作品をベースにするもの」になります。
つまり必然的に「王道」「テンプレ」になっていくということです。
例えばハリウッド映画などは(最近では少し変わりつつあるように思われますが)基本的な展開というものが決まっており、そこにどのような題材を乗せ、どのようにアレンジを加えるか、というやり方で脚本が作られています。
人間が創る以上、そこから脱却する必要があるのは間違いないでしょう。
ストーリー、題材、キャラクターなど、王道から外した「新しい面白さ」が、人間の創作には求められるようになるのではないでしょうか。
ま、今でもコンテストの応募には、そんなことばかり書かれていますけどね(笑)。
そうなったとき、自分の創作した小説が、新しくAIのデータベースに加えられることを拒否する権利、というのも出てくるかもしれません。
と言うか、既存の作家さんは、今からそれを主張しても良いと思うんですけどね。
ウェブサイトを制作する際に、リンク属性に「nofollow」というものがあります。
簡単に言うと、主に検索エンジン向けに「リンクは付けるけど、辿ってこっちにはこないでね」というものです。
少し話は違うかもしれませんが、このようなタグなり属性を持った小説が登場するかもしれません。
「読んでも良いけど、AIには使わないで」ということですね。
恐らく現行法では、これは不可能なのではないでしょうか?
しかし、折角自分が頭を捻って考えた小説が、AIのデータベースに取り込まれることを拒否するというのは、小説家にとって当然の権利であると、私は思います。
もし、AIによる小説の執筆が頓挫するしたら、そういうことが問題になるのかもしれませんね。
まとめ
ちなみに私はAIには肯定的です。
主に産業革命以降、かつて人間が行ってきた労働が機械に置き換わることで、多くの人の職が失われました。
しかし、現状でも人間は仕事をして対価を得ています。
AIが台頭し、再び人間の職を奪うようになることは間違いないでしょう。
それでも、新しい仕事というのは生まれてくるはずですし、人間がしなくてよい仕事が増えることにより、社会的なコストが下がり、より生産的で効率的な社会が実現していくのでしょう。
本来であればその結果、生活コストも下がり、人間が労働するという行為自体が減ってくることが望ましいのですけれど、歴史を見る限りそうはならないでしょう。
だからと言って「AIを開発するな」ということは、きっとできません。
スカイネットが暴走し、T-800が人間を殺しだす……ということになるかもしれませんが、それでも最初の一人が殺されるまで、開発の手を止めることができないでしょう。
ちょっと話が壮大になりすぎました(笑)。
AIが小説を書くようになること。それは冒頭に書いたように、既に既定路線です。
そこに対して「人間が書いた小説の方が温かみがある」とか「AIには心がないから」と言っても無駄です。
AIは人間ができないほどの早さで過去の作品の面白さを分析し、効率的にそれを再構築します。
そこの土俵では絶対に戦ってはいけません。
結局は「軸を変える」ことでしか、人間は勝てないでしょう。
新しい面白さを見つけるということですね。
「それが出来れば苦労はしねぇ」
私も、そう言いたいですが(笑)、それでもこれからの小説には、特にそういう面が求められるようになるのではないでしょうか?
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