「ALISとMicrosoftが投げ銭API開発のための協業を開始」これからの時代の作家業を考える
こんばんは、しろもじです。
ブロックチェーン技術を活用したソーシャルメディアの運用・構築を行うALISと日本Microsoftが、投げ銭API開発のための協業を発表しています。
【ALIS×Microsoft】
日本マイクロソフトの協業を発表しました。今後はALISメディアへの結合も視野に、相互に強みを活かしながらブロックチェーン技術を活用した投げ銭APIの開発に取り組んでいきます。https://t.co/0EmET9bX1X#ALIS #Microsoft #Ethereum #ブロックチェーン #トークンエコノミー— ALIS (@ALIS_media) 2018年9月3日
投げ銭は聞いたことあるけど……ぶろっくちぇーん? えーぴーあい?
という方もいるかもしれません。
私も人に教えるほどの知識があるわけではありませんが、簡単に言うとこんな感じです。
ブロックチェーンとは?
今までの取引では「取引元」と「取引先」が存在し、主に取引元が台帳を作成し管理していました(例えば銀行と預金者の関係)。
ブロックチェーンでは、一定数の取引台帳を「ブロック」として管理し、それらを「チェーン」で繋ぎ、相互に取引内容を確認し合うことにより取引の正確性を担保しています。
やや語弊はあるかもしれませんが、例えばA、B、C、D、E、Fさんという5人がいて、「AさんがBさんにお金をあげたこと」を全員に知らせる、という感じでしょうか。
A「Bさんに10円あげました」
B「Aさんに10円もらいました」
C、D、E、F「OK。確認したよ」
ブロックチェーン技術を用いることで「改ざんが難しくなる」「送金コストが安くなる」などのメリットがあります。
去年から知名度を上げてきている仮想通貨は、この技術を使って運用されたものですね。
もっと詳しく知りたい方は、ブロックチェーンでググって見て下さい。
APIとは?
APIとは「アプリケーション・プログラミング・インタフェース(Application Programming Interface)」の略で、簡単に言うとソフトウェア間でデータを共用する仕組みのことを言います。
例えばこのウェブサイトにある「最近読まれている記事」というのは、Google Analyticsのデータを「Simple GA Ranking」というプラグインで引っ張ってきているのですが、そこに「Analytics API」というものが使われています。
Simple GA Rankingの設置に悪戦苦闘した記事は以下。
どうでしょうか? ざっくりしすぎていますかね?
正直、私も詳しいわけではありませんので、知りたい方はGoogleさんに聞く方が良いと思います。
とは言え、作家さんはそんなことは知らなくてもいいとも思うんですよ。
PCを使って小説を書いている人が、そのPCがどう動作して、どういう技術で作られているのか……ということに精通していないといけないのか?
そんなわけはないですよね。
あくまでも、その技術を使って何ができるのか? という部分だけ知っていれば良いと思います。
(もちろん、知らないよりは知っていた方が良いとは思いますが、個人的にはその暇があるなら小説書いたほうが有益に思われます)
これからの作家の生き方
さて、ここからが本文です。
以前からTEXT FIElDでは「これからの作家業」というものを考えてきました。
詳しくは「小説講座まとめページの「小説家論」にまとまっていますので、よかったらご覧下さい。
ざっくりまとめますと
- 出版社から書籍化するのがゴールではない時代になってきているかもしれない
- 例え難関をくぐりぬけて1冊出版できたとしても、2冊目の保証などどこにもない
- 専業作家というのは、過去もそうだったが、これからはますます厳しくなる
- 小説を書くという行為が、ただの趣味にしかならないのか?
- 出版社を介さずに、個人で動ける時代になっているとも言える
という趣旨のことを書いています。
出版社さんも忙しいですからね。
「有望なアマチュア作家を見つけて、しっかり育ててヒットを創る」
というよりも
「ネットに投稿されている数多くの作品から、既に人気のあるものをピックアップして書籍化する」
方が、リスクも少ないですし労力もかかりません。
だからこそ、作家は出版社におんぶにだっこ(という言い方はキツイかもしれませんが、要は「出版だけがゴール」という考え方を捨てるということ)を止めて、自立していきましょうということが言いたいわけです。
今回のALIS×Microsoftの協業も、ブロックチェーン技術を利用した「投げ銭」システムの構築です。
投げ銭とは、ストリートミュージシャンがギターケースにお金を入れてもらうことを想像すればいいですね。
あれも投げ銭ですが、ネットでは「小口の投げ銭」というものが難しかったりします。
今年の春にサービスを開始した「Ofuse」などは、比較的有望なものですがまだまだ一般的ではありません。
やはり「クリエイター側が投げ銭を設置するのを躊躇している」というのが実情だと思います。
この辺りはもう考え方なのでなんとも言えませんが、個人的には「昔ならやらなかったけど、今ならやるかも」という認識です。
小説にしろ漫画にしろブログにしろ、面白いもの有益なものを見て「あー、面白かったなぁ」とか「すごく助かった!」と思うじゃないですか。
それに対して、何千円もは払えなくても数十円、数百円程度ならお礼がしたい。
でも、今まではそういうことをやろうと思ってもできなかったわけです。もしくはできても面倒くさい。
だから、こういうシステムが世の中に広まって「作家が投げ銭システムを導入するのは当たり前」という世界になればいいなぁと思っています。
「書籍を売る」という仕組み自体は、当分なくならないでしょう。
紙媒体であれ電子であれ「売り切り型」の取引は、私やあなたが生きている間は存続していると思われます。
それに対して「投げ銭」は事後のものです。
読んだ結果「面白かった」「役に立った」から、お金を払うよ。
個人的には投げる側から言っても、そちらの方がよほど良心的だと思うんですけどね。
今回の協業はまだ始まったばかりですので、実装にはもう少し時間がかかるでしょう。
とりあえずOfuseに関しては、以前からやってみようかなと思っておりました。
「お金ちょうだいぃぃぃ!」という部分もないわけではないのですが、どちらかというと「これからそういうのをしたい方に、紹介したい」という思いのほうが強いのです。
ですので、近い内に記事にするかと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません