海賊漫画サイト騒動で考える、今後のコンテンツ課金方法のあり方

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こんばんは、しろもじです。

ここ数日、ネットを騒がしている「海賊漫画サイトの問題」ですが、国会では「アクセス遮断」なども議論されているとかで、その賛否が議論されていますね。

そもそもそういうサイトへのアクセスを遮断することが最善の手なのか? という問題もあります。

そこで、少しこの問題について考えてみました。

延長線上には「今後のコンテンツの課金方法のあり方」にもつながってくる問題だと思っています。

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海賊サイトへのアクセス遮断はやるべきなのか?

既にネット上でも様々な意見が出てきていますが、やはりやるべきではないと思います。

まず第一に、根本的な解決方法ではないということ。

次に、抜け道が残るため、よりネットの深層化が進む可能性があるということ

最後に、今後誰がそれを判断するのかという問題を残していること

その3つの問題が解決されないからです。

 

既にGoogleによる非インデックス化がなされていますが、これすらも極論を言えば「Googleに逆らったらネット上で抹殺される可能性がある」とも言えますよね。

現状ではGoogleのインデックスに疑問を挟んでいるわけではないので、あくまでも可能性の話ですが、遮断するにしても一体誰がどのような基準で判断を下すのかという問題が解決されないままに「とりあえず」で運用するのは危険を伴います。

 

だから「国内法に違反しているサイトは遮断する」というのならば、そういう法律を先に作ってから運用すべきだと思うんですよね。

最終的には、そういう海賊サイトの存在理由、つまり「儲かるからやる」部分を潰していくしか方法はないのだと思います。

まぁ、これもネットに書かれていますが、海賊サイトの収入源は広告ですから、それを断ち切るわけですね。

コンテンツの無料化

某村を利用していたユーザーは、テレビで村の閉鎖を「残念」と言っていました。

個人的な意見ですが、コンテンツは今後「金銭的無料化」へと進んでいくのだと思います。

物質的な意味を持つ「紙書籍」が無料化するのは、かなりハードルが高そうですが、デジタルデータである「電子書籍」などは金銭的無料化が進んでいくでしょう。

 

それは、例え村を潰しても代替品は出てくるわけで、既にネット上では漫画以外のコンテンツでも海賊版というものは溢れかえっています。

モラル的に「そういうものは良くない」というのは分かっていても、一定数の人たちは必ず利用しますし、一度掴んだ「無料」という既得権益を手放すのはとても難しいものです。

 

先程書きましたように、コストがかかる実物のコンテンツ(紙書籍やCD、DVDなど)が無料化するのは、やはり難しいでしょう。

しかし、デジタルデータである電子書籍や、音楽データ、映像データの配信コストは、ほぼ0に近いくらいのコストで運用可能です。

だから、とっとと無料化して「どうせ無料なら海賊サイトよりも公式サイトで見た方が良いよね」ということにしていくことが必要だと思うんです。

 

ここで問題になってくるのが「無料で配るのならば、作品を作るクリエータがどうやって生活していくのか?」ということです。

ありきたりな所で言えば「広告収入」や「定額制の導入」が解決方法になります。

定額制の場合、完全無料ではありませんが、コンテンツごとに課金する方法に対して考えれば、限りなく無料に近い形であると思います。

例えばAmazon Music UnlimitedやApple Music、Google Play Musicなどは、1,000円足らずで4,000万曲以上の曲を聴き放題で利用することができます。

 

定額制はクリエイターにとっても決して悪いことばかりじゃないと、私は思っています。

音楽定額制にしても、その読書版のKindle Unlimitedにしても、切り売りコンテンツに比べてより広くクリエーターへ収入をもたらす可能性があるからです。

本を探す際、例えば500円のプライスタグが付けられている本があった時「買うか買わないか」で悩みます。

他にもっと良い本があるんじゃないのか? 500円の価値があるのだろうか?

しかし、Kindle Unlimitedの場合は躊躇なくダウンロードすることができます。

もちろん、コンテンツの出来によって、最後まで読まれるかどうかは変わってきますが、より気軽にコンテンツに触れることができるというのは、広くクリエーターに収入源をもたらす可能性があると、私は考えます。

広告収入について

定額制ではなく「広告収入による運営」の場合は、運営企業(コンテンツ配信先)だけの問題ではなくなるため、やや難しくなるかもしれません。

例えば小説を無料で提供する代わりに、広告を入れるというスタイル。

現在でも、その映像版がYouTubeなどで既に実施されていますが、一時期不適切な動画に広告が掲載された企業が、広告を引き上げるということがありました。

 

あの場合は、コンテンツ自体にモラル的な問題があったのですが、例えば広告を出稿している企業にとって不都合なコンテンツだった場合はどうでしょうか?

どうしても、コンテンツは企業の顔色を伺うものとなる可能性があります。

 

また、見る側の問題。

「広告はウザい」と思う人が多いと思います。

上で書いたように「金銭的な負担」がなくなる代わりに「広告を見るという負担」でコンテンツを買うことになるわけですから、ここはしょうがないと言うしかないと思います。

このブログにも広告は張られていますが、基本的に広告は「ウザいかもしれないけど、今後の課金方法としては受け入れるしかない」とも思っています。

 

それに、広告をクリックしたからと言って、その人の負担が増えるわけではありませんからね。

例えば、このブログに掲載されているAmazonへのリンク。

これをクリックして買う場合と、クリックしないで買った場合で、あなたが支払う価格に変わりはありません。

記事を気に入って下さったならば、クリックして買い物をしていただければ、私に数%の収入が生まれますし、そうなればより頑張って、時間を割いて記事を書くというわけです。

(クリックして下さいって言っているわけではありません)

個人で言えばそういうことですし、企業も規模が違うだけで同じことですね。

出版社のあり方

もし、上のように「広告収入による金銭的無料化」か「定額課金型」の時代が主流になってきた場合、出版社はどうなるのでしょうか?

極端な話「ただ出版したい」というだけであれば、私もあなたも明日にも行うことができます。

AmazonのKindleなどであれば、ド素人だって電子書籍を0円で出版することは可能ですから。

 

そうなると「紙書籍の出版」という分野でしか、出版社は生きていく道はなくなってしまいます。

しかし、デジタルデータが無料、もしくは定額で提供される時代に「ただ紙であるということ」だけでビジネスが成り立っていくとは思えません。

遅かれ早かれ、破綻するのは目に見えています。

 

そうなると、出版社は出版以外の道で生きていくしかなくなってきます。

私はYouTubeの「UUUM」のような、個人のクリエータを束ねる事務所化していくと思います。

もしかしたら、それは既存の出版社ではなく、新しい企業が担っていくのかもしれません。

Kindleで出版する場合、35%もしくは70%の印税(ロイヤリティ)が発生します。

詳しくは本件とは関係ないので割愛しますが、いずれにしても既存の印税に比べると高い割合になっています。

ここからいくらかの経費を頂く、というものが、それらのビジネスモデルになるのでしょう。

 

まぁ、こういうことは既に行われているんですけどね。

ただ、見て回った限りでは「メリットないんじゃない?」というのが正直なところです。

結局、デジタルデータを販売する際に、著作者が一番やって欲しいことは「宣伝」です。

先に「出版だけなら私でもあなたでもできる」と書きましたが、できるのはできても、そのままではほとんど売ることはできません。

デジタルデータは、現物に比べて「目に留まる可能性が著しく低い」わけで、例えばブログだってそうですが、この記事を読んで下さっているあなたは、恐らくGoogleの検索でこのサイトのことを知って見て下さっているはずです。

 

ブログの場合は、まだキーワードで差別化しやすいのですが、小説や音楽などのコンテンツの場合は、それが難しくなってきます。

「異世界」なんてキーワードで検索されたって、自分の小説を見つけてくれる可能性なんてなさそうですよね(笑)。

だから、やはり宣伝が必要になってきます。

出版社は、今以上に「個人クリエーターを束ねて、売り込みをかける専門職」になっていくのだと思います。

 

もしくは、今後コンテンツを海外で売っていくために、翻訳したり、現地での販売ルートを確立することでも利益をあげることはできそうです。

というか、これは今すぐにでも手を付ける分野だと思うんですけどね。

先日、小説家になろうにこのような告知がされていました。

簡単に言うと、小説家になろうに掲載されている小説が、海外(主に某国)で無断転載されているらしいんですよね。

これは某村のような海賊版という問題だけではなく、出版が海外進出する際の足枷になる可能性を秘めています。

国内の小説を翻訳して、海外で売るぞ! となった時に、突然その国の企業から「著作権侵害だ」と訴えられる可能性があるということです。

「そんなバカな」と思われるかもしれませんが、十分にあり得る話です。

現に、日本企業の商標などは、某国などで勝手に登録されており、企業が進出する際に訴訟沙汰になるだけではなく、敗訴してしまう事例もあったりするからです。

 

だから、出版社は早々に海外に進出するべきなのです。

それは、流石に個人では難しいので、企業としての出版社ならば可能でしょう。

小説を書く人はどうすればいいのか?

そろそろ小説に絞った話をしましょう。

音楽と違い、小説は「同じものを何度も繰り返し閲覧する」ことが少ないコンテンツだと言えます。

ある楽曲を気に入った場合「数度聴いたら十分」ってことはないですよね。

きっと何度も何度も聴くことになると思います。

私も「宇宙よりも遠い場所」の音楽を最近は聴きすぎて、もう歌詞を覚えてしまったほどです(笑)。

 

一方、小説はそうではありません。

余程気に入った作品でも、冒頭から最後まで読み返すということは、せいぜい2,3度程度でしょう。

(ちなみにKindle Unlimitedの場合は「読み返し」は収入にはならないそうです。音楽の場合はどうなのでしょう? 調べてもはっきりとしたことは分かりませんが、YouTubeなどみたいに再生回数×単価のようですが……)

そういう意味でも「一度限り」のコンテンツだと言えます。

 

音楽や動画に対して、やや不利な気もしますが、小説は「製作コストが限りなく低い」という特徴もあります。

自分が書けば、とりあえず完成はしますからね。

ですから、小説というコンテンツでやっていくには「生産性」が求められて来るのだと思います。

これは違う理由で、他の記事でも何度か言っていますね。

要はたくさん書けるのか? ということです。

 

デジタルデータですから、今のように1冊単位の出版じゃなくても良いかもしれません。

流石に話数単位では難しいかもしれませんが、もしかしたらそういうやり方もありでしょう。

ここで求められるのは更新速度です。

ブログもそうですが「1週間に1度更新されるコンテンツ」よりも「毎日更新されるコンテンツ」の方が、利点を一つ多く持っていると言えるでしょう(中身がないものだと前提が変わってきますけどね)。

まとめ

今回も、つい熱くなって長々と書いてしまいました。

本当はこういうコンテンツは複数に分けて投稿したほうが、ブログ的には「お利口」なんですけどね。

はっきり言って、好き放題書きましたが、誰も未来のことなんて分かりません。

しかし、現状で無料のコンテンツが出てきている中で、モラルだけに訴えかけていく方法では、改善策は見えてきませんし、それこそイタチごっこが続くことになり、いずれ業界自体の疲弊を招くでしょう。

 

そうならない前に、新しいビジネスモデルを考えていくべきだと思います。

小説を書いている人だって「絶対に一銭も欲しくない」という思いで書いている人は少ないでしょう?

「上手く行けば賞を取って、賞金や書籍化されたい」と思っているはずです。

お金が絡むと批判的になる方も出てきますが、私は「それがモチベーションになって、よりたくさんのコンテンツが生み出されるのであれば良いことだ」と思っています。

 

AIが地球を支配して「人間が働かなくても食べていける」時代になれば、完全無料のコンテンツが出て来るでしょうが、資本主義の世界においては「賞賛」だけでは生きていけません。

あまり好きな言葉ではないのですが、なんらかの方法でのマネタイズが必要になってきます。

 

あまりまとまった記事ではなかったかもしれませんが、本記事を読んで、少しでも思うところがあれば幸いです。

 

今日も最後までお読み頂きまして、ありがとうございました!(長すぎてごめんなさい!)

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