「小説家になろう」に3ヶ月連載して分かった「カクヨム」との違い

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小説投稿サイト「小説家になろう」に『冒険者あがりの魔王さまは、仲間たちと優しいダンジョンをつくりたい!』を投稿し始めて約3ヶ月が経ちました(今週からしばらく休載予定)。

今までメインで使ってきた「カクヨム」との違いは、これまでも何度かお話したことはありました。

しかしこれまで「小説家になろう」に投稿した小説は、カクヨムで連載していたものをそのまま転載、もしくは一部を改稿して掲載という形でしたので、本腰を入れて掲載を続けていたというよりは「お借りします」というスタンスでした。

今回掲載した『冒険者上がり』も、もとを正せば『きみとぼくのダンジョン再建記』という「カクヨム」用の小説の焼き直しなのですが、一から作り直して全ての文章を書き直したという意味では私にとっては初めての「本格的に小説家になろうに掲載し始めた小説」です。

そこで3ヶ月ほど掲載してみて「カクヨムとはこういうところが違うよなぁ」と、色々分かったこともあったので共有してみようかと思います。

あくまでも私の体験に基づく一意見ですので、これをもって両サイトの完全な違いというわけではありません。参考程度にお読み頂ければ、と思います。

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PVは圧倒的に「小説家になろう」

散々言われていることかもしれませんが、小説を普通に投稿した場合にPVだけを見比べると、圧倒的に「小説家になろう」の方が多いです。これはこれまで掲載したどの小説にも言えることでした。

完全な比較ではありませんが『きみとぼくのダンジョン再建記(カクヨム)』と『冒険者あがりの魔王さまは、仲間たちと優しいダンジョンをつくりたい!(小説家になろう)』の掲載開始から25日目までのPVを比較してみました。

カクヨム小説家になろう
1日目3637
2日目9887
3日目22107
4日目32148
5日目1554
6日目1452
7日目3737
8日目12162
9日目3472
10日目2069
11日目5398
12日目43196
13日目39110
14日目6861
15日目5798
16日目7888
17日目2477
18日目24107
19日目50113
20日目4373
21日目7297
22日目103151
23日目44140
24日目3283
25日目4385
合計12022302
平均4892
中央値4387
最大値121196
最小値1437

掲載時期の違い、作品の違いなどはありますが、どの数値を見てもおおよそ1.5〜2倍程度の差が付いています。

また100PVを超えた日でも「小説家になろう」8日に対し「カクヨム」2日と、「小説家になろう」の方が「読んでもらってるなぁ感」は高い感じがします。

また面白いなと思ったのは、例えば週1掲載などではカクヨムでは掲載日に一気に伸びて翌日からは限りなく0に近づくのですけど、小説家になろうでは一桁PVがあったかと思うと翌日に40PVほど付く、というようなことがありました。

もちろんWeb小説において数十PVなどは大した数字ではないのかもしれませんが、それでも私のような無名な人間にとっては、その4、50PVがとても嬉しかったりします。

反応はカクヨムが多い?

小説を投稿して一番心配になることが「読んだ人はどう思っただろう?」ということかもしれません。

具体的に数字では挙げにくいのですけど、体感的にはカクヨムの方が反応はあるかな? という感じです。

これは両サイトのシステムの違いによるものかもしれません。

カクヨムの場合はエピソードごとに「応援する」としてハートマーク(って言うのかな?)とコメントを入れることができます。

小説家になろうでも「感想」というものがあるのですが「良い点・気になる点・一言」というように欄が設置されており、気軽に書くというよりは評論するという感じが漂っています。

また小説家になろうでは感想欄を閉じることもできるので、あまり感想を書き込むという文化がないようにも思われます。

これは「カクヨムの方が優れている」と言い切れない部分もあるかもしれません。「とにかく繋がりたい、交流したい」という人もいらっしゃるでしょうし、逆に「そういうのはいい」と思う人もいるでしょう。

特に小説家になろうほどのPVがある場合、カクヨム並に交流があると書き手は交流のために時間を使い切ってしまう可能性がありそうです。

ブックマーク(フォロー)はカクヨムの方が多い

上の反応に近いことかもしれませんが、ブックマーク(フォロー)はカクヨムの方が多いように思われます。

小説家になろうはブックマークが付きにくいのですけど、ブックマークが増えていくとPVも同じ割合で増えていく感じ。カクヨムではフォローは増えていっても、それとPVは連動していない感じがします。

どういう違いがあるのかは分かりませんが、カクヨムの方が気軽に「フォローしておくか」という感じなのかも?

あくまでも雰囲気としての話なのですが、その辺りも含めてカクヨムの方が「作者間の繋がりが起きやすい」という感じはあります。投稿している方の気質などにも依るのでしょうけど、サイトの設計がそういうつくりになっている感じもしますしね。

ブックマークとフォローという言葉ひとつとっても、そういう意思が見え隠れしているようにも感じられます。フォローという言葉が一般的に浸透したのはTwitterからじゃなかったかな、と思うんですけど、よりSNS感を感じさせる言葉ですよね。

それを敢えて使うということは、カクヨムが「作者間の交流も含めてのサイト」というように考えているからではないでしょうか。

小説家になろうでは「作者と読者」という明確なスタンスを持った人たちがいたのに対して、カクヨムではその垣根がなくなって「作者でもあり読者でもある」という人が集まっている、という感じ。

作品の傾向

ここは投稿者としてでの話ではなく、あくまでもサイトを眺めていて思った感想になります。

小説家になろうでは主流に対しての反応がとても早いように感じられます。元々異世界転生なんかもそうでしたが、俺Tueee、ざまぁ、成り上がり……最近では幼馴染絶縁などなど、流行るキーワードに対して出てくる作品の数が多いような気がします。

また読み手もそれらを好む傾向があり、ランキングなどに同じような作品がズラーと並ぶということも珍しくはありません。

自分で書いて思ったのですが、小説家になろうではそれらを外してしまうと確かに厳しい。長期的な人気などを別にすると「とりあえず読まれるかどうか」は、ツボとなるキーワードを押さえているかどうかがとても重要な要素になりそうです。

例えば英字タイトルなんかよりも『パーティを追放された回復術士が最強スキルで成り上がり! 幼馴染と絶縁し、辺境でスローライフを満喫する』みたいな感じの方が圧倒的に良いわけです。

もちろんそれはカクヨムでも同じなんですけど、まだカクヨムの方が「遠慮」が見られる気がします。

まとめ

どんな小説でもPVがつくのは、間違いなく小説家になろうだと思います。

ただ文中でも書きましたが「作者同士の交流が大切なんだ」という方であれば、カクヨムの方が良いようにも思われます。

ただ本格的に小説家になろうで「成り上がり」を目指そうとすると、パワーのあるキーワードを含んだ小説でないと難しいという面もあるかもしれません。当然、そういうジャンル以外の小説でも小説家になろうから有名になったものはたくさんありますので、一概にそうだとは言い切れませんが。

そう考えると、小説家になろうの、中でも異世界、ファンタジー系は一種の「大喜利」と言えるのかもしれませんね。お題があって、それをいかに面白く仕上げるかを競い合ってるみたいな。

個人的にどちらがおすすめかと言うと、私は「僅差でカクヨムかなぁ」という気がしています。

私自身はそこまで「交流がないと書けない!」という人間ではないのですけど、一般的には反応がないと書き続けるのは難しいだろうなぁと思うからです。

まぁ、折角のWebなんで「どっちにも掲載する」という欲張りなこともできちゃったりしますからね(笑)。ご自分で色々試してみるのもいいのかもしれません。