AppleがiBooksでAmazonを追撃することで、今後の電子書籍市場に変化は?
こんばんは、しろもじです。
AppleがiBooksの復権を図っていると米Bloombergが報じているそうです。
上記サイトは英語ですので、日本語で解説しているのが、下記IT Mediaのサイト。
今現在、日本国内に限って言えばiBooksはほぼ壊滅している、というか、そもそもAppleが力を入れてこなかったので、電子書籍の市場はKindleの独壇場となっています。
もしかしたら、あまり知られていないのかもしれませんが、iBooksでもセルフパブリッシング(個人出版)を行うことはできますが、あんまり聞きませんよね……。
そもそも電子書籍の巨人Amazon Kindleでさえ、書籍のシェアの中ではまだまだといったところですから、現状は「少ないパイを奪い合っている」状態と言えるのでしょう。
そんな中で、AppleがiBooksに再度力を入れるというのは、どういう意味があるのでしょうか?
そして、国内で電子書籍を販売している、もしくは今後販売したい人にとっては、どのような影響があるのでしょうか?
AppleがiBooksに力を入れる理由
まず第一にIT Mediaに書かれているように、先日アメリカなどで発売されたスマートスピーカー「HomePod」が関連しているのは間違いないでしょうね。
Amazon EchoでのKindle本読み上げ機能は、日本ではまだ使えないようですが、それに対抗する手段として「Home Podでも読み上げさせたい」→「iBooks充実しなきゃ」という展開になっているんだと思います。
また逆に「iBooks良い本あるやん」→「Home Podええやん」ってのも期待できますしね。
AmazonとAppleというプラットフォームの対決では、コンテンツの充実は言わば生命線とも言えるものですから、これは譲れないところでしょう。
余談ですが、Home Podには少しがっかりしましたね。日本での発売が当分先なのは仕方ないとしても、機能的にEchoやGoogle Homeと大差ない、しかも値段だけは高いというなんとも中途半端な製品になってしまっています。
Appleは「先進的な企業」と言われることが多いですが、実際には「後出しジャンケンで徹底的に勝つ企業」です。別の企業が先に出した先進的な製品をじっくり見てから、それらの問題点などが浮かび上がってきたところで「こんなん作ってみた」と発表して、みんなが「うおー、それそれ! それを待ってたんだよ!」と言わせる企業です(笑)。
別に悪口ではないんですよ。だって、Apple以外ではそれができなかったんですから。Appleだけがそれができたから、ガリバー企業になったんですからね。ただ、Home Podに関しては、全くしれができていない。
だから、AppleがiBooksに力を入れる理由は分かるのですが、その効果に関しては懐疑的にならざるを得ないところですね。
国内で電子書籍を売っている、売りたい人にとっての影響は?
上記のようなことから「あんまり関係ないんじゃない?」というのが率直な感想です。
とは言え、プラスの方向に影響があるというのも間違いないと思います。
いくら「電子書籍が伸びてる」と言っても、国内に限って言えばまだ2割弱のシェアです。更に出版不況と言われる中で、小説などの文字媒体のコンテンツは確実に今後も減っていくのは間違いないでしょう。
現在の電子書籍が普及しない理由については、ネットでも色々議論されていますが、一番の理由は「旧来のビジネスモデルをそのまんま、電子書籍に当てはめようとしていること」だと思います。
簡単に言えば「出版社を通しているビジネスモデルでは儲かるはずがない」というわけです。作家にとっても出版社にとってもです。
紙売ってる方が儲かるし、分かりやすいし、楽でいいんですよね。
ただ、別の記事でも書きましたが、これからはますます「個人作家」が増えてくるのは間違いありません。個人作家の作品は、クオリティが出版社に担保されていない分、玉石混淆になり下手をすれば「書籍界のアタリショック」になる可能性もあります。
だから、読者はKindleやiBooksのようなプラットフォームに付くのではなく、作者に付くようになる、そうしていかないといけなくなるでしょう。
あまり好きな言葉じゃないんですが「セルフブランディング」が大切になってくるんでしょうね。
個人的にはYOUTUBEの「UUUM」のような、作家を束ねる新しい事務所のようなもの、平たく言えば「電子書籍専門の出版社」があってもいいのかなぁ。
ま、今でもあるんですけどね。
現状は「意味がない」状態になっているので、その辺をクリアしたのが出てくると面白そう……かも?
その中でプラットフォームが増えるということは(今でもiBooksで個人出版はできますが)、読者にとっては利便性の向上(色々あって迷うという不便はありますが)になるわけで、作家にとっては全てのプラットフォームに参入することで、接点が増えるという利点がありますよね。
もうひとつはiBooks次第ですが「より電子書籍に注目が集まるようになる」ことも、これからの作家にとってはプラス要因でしょう。
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