小説を書き始めて半年のほどのあなたが、もう止めたくなってしまう理由

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タイトルがやや限定っぽいものになっていますが、小説を書き始めて約半年から1年ほど。作品にして1作から2作、10万字から20万字ほど書いたころ、突然小説を書くのを止めたくなるときがあります。

理由は色々ありますが、主な原因のひとつに「思ったよりも評価されなかった」というのがあると思います。

「思ったより読まれなかった」「思ったより反応がなかった」ことから「思ってたより、自分は向いていないんじゃないかと思い始めた」というふうになっていき「もう止めようかな」に至るというわけです。

今日は「諦めるにはちょっと早いんじゃないの?」という話をしたいと思います。

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「実力」と「自信」と「実績」の相関関係

物事を始める前に「これなら私でもできそうだ」という根拠のない自信を持つことがあります。

これは未知のものに対して自分の過去の体験を元にして、やってみた結果を想像してしまうことにより、実力よりも自分の力を過大評価してしまうからです。

よく「ダニング・クルーガー効果」として知られていますよね。

よって人生経験が浅いほど(≒年齢が若いほど)この傾向があると言えます。

若い時の万能感はここからきているものだと思われます。

一方で年を取ってくると「自分が出来ないこと」「自分がやるには時間がかかること」というのが、ある程度分かるようになってきます(それはそれで問題があるのですが)。

また、若年層の方でも「それは出来ないな」と達観している方もいらっしゃいます。

これも「自分の実力と想像の実力」を測りかねている点では同じことです。

中でも小説は「文字ベースの創作」であり、マンガや映像に比べて敷居が低い分「これならできそう」と思いがちです。

ところが実際に始めてみると、思っていたのと違うことに気が付き始めます。

主な点は

  • 思っていたより評価されない
  • 思っていたより読んでもらえない
  • 書き始めたころよりも下手になってきている気がする
  • 書いても書いても、上手くならない気がする

などでしょう。

ここで「実力」と「自信」「実績」の関連を現したグラフを見てみましょう。

illust032019

グラフはあくまでもイメージなので、概念図としてご覧下さい。縦は各項目の高さ、横は時間の経過を現しています。

書き始めは自分の実力はほとんどありません。今回のグラフでは実力の始点が0になっていますが、もちろんここがもっと上から始まる方もいらっしゃいます。

ですが、実力は必ずやった時間の分だけ上昇していきます。

一方、自信は最初は大きくなっています。

小説など書いたことはないけれど、本やWEB小説を読んでみて「これならできそう」と思うことが根拠のない自信になっています。

この自信は時間の経過と共に下がっていきます。

illust032019_1

なぜかと言うと、実績がついて来ないからです。

実績はPV、レビュー、応援などで目に見えますが、実力は見ることができないので、数字などで理解できる実績を持って実力を評価してしまい、それにより自信は喪失していきます(青い部分)。

Aの点で「実力と自信」はちょうどバランスが取れているのですが、実績がついて来ないのでまだ自信は取り戻せません。

これはしばらく続きます(黄色の部分)。

illust032019_2

自信が回復してくるには、ある程度の時間がかかります。

実績はゆっくりと右肩上がりに上がっていき、時々ポンと跳ね上がったりまたドンと落ちたりしながらも、長い目で見ると上へ上へと上がっていきます。

実績と実力は期間を広く取ると相関関係があるのですが、短いスパンでは一致していないので、本人にはよく分かりません。

あるとき「あれ? 昔と比べると実績出てない?」と気づきます。

それに気づいたとき、少しずつ自信は回復していきます。

実績が伸びてくるに従って自信も向上していき、やがて実力へと迫ってきます。

実力と自信が近づいてきた状態が「自分を正しく評価できている状態」です。

これが長く続けば良いのですが、人によっては自信だけがグイグイ上がってくることもあります。

Bは再び実力と自信が噛み合っている点ですが、これを超えると再び「自信過剰な状態」になります。

illust032019_3

図には乗っていませんが、実力と自信はそうやって上下しながら伸びていくものだと思われます。

実績は目に見えるが、実力とは乖離している

上でもサラッと触れましたが、実績は実力と必ずしも一致した動きをしません。

実力が上がれば必ず実績もついて来るのは間違いないのですが、それがいつになるのかは人それぞれだと言えます。

例えば野球などでも「3割バッターは、2割バッターよりヒットを打つ確率は高いし実力も実績も上」ではありますが、かと言ってある一打席だけを見れば、必ず3割バッターが打てて2割バッターが打てないという保証はありませんよね。

このように実績は「必ず右肩上がりではない」「一時的には下がることもある」「長いスパンで見たときには右肩上がりをしている」と言えます。

本記事の主題である「小説を書き始めて半年ほど経った」という状態は「自信を失い、実績もついてきていない」というところです。

本当は半年前に比べて実力は上がっているのですが、目に見える実績がそれに伴っていないので「ダメだ」と思ってしまうわけです。

ところで実力とは?

さて、ここで疑問が出てきます。

「じゃぁ、何も考えず書き続ければ実績はついてくるのか?」というものです。

これについては、小説分野では私もエラそうなことは言えないので、あくまで社会人としての経験からお話しますと「試行錯誤は必要」となります。

同じことを繰り返しているだけでは、なかなか向上は難しいでしょう。

人間は「自分はこうやりたい」と思っていることをやりたいものです。「その方法はどうなのか」と疑問に思っていることには手を出したくないと思いがちです。

しかし成長するには、時としてそれも必要になることがあります。

勘違いしないで欲しいのですが「自分の信念を持つな」とか「節操なく何でもやれ」と言っているわけではありません。

もし「やりたくはないけれど、誰かがやってて実績をあげている方法」があるのなら、ちょっと試してみてはどうしょうか、ということです。

それらをするのかしないのかで悩むのであれば、とっとと試してみるべきです。

PDCAではなくDC(Do→Ckeck)で良いと思います。

やってみて、結果を判断する。

良ければそのまま継続すればいいし、問題があれば止めればいい。

そのように、今までやっていなかったことをやるというのが大切であると私は思います。

小説で言えば

  • 書いたことがないジャンルの小説を書いてみる
  • 短編が得意だけど、長編もやってみる(逆もあり)
  • 流行りの小説をパク……もとい模倣してみる
  • 他の作者と交流をしてみる
  • SNSで宣伝してみる

などなど。

私は4つ目を最近やってみています。

以前は「他の小説を評価したら、こっちの小説も評価を期待してるみたいでヤダな」と思っていました。

でも、他の作家さんの小説を読み、感想を書いたりレビューを入れたりすることも、ある意味創作活動なのではないかと考え、特にいま参加している「カクヨム3周年記念選手権」ではそれらの活動を徐々に拡大していっています(賛否はあるとは思いますが)。

まとめ

今回の記事は、私が社会人としてたくさんの新人さんを観察してきた結果から、身に染みて感じていたことを書きました。

初期の自信が高い人ほど、挫折へと向かっていく傾向があります。

また、自己評価の高くない人は「こんなもんだろ」と諦めがちになり、長期間実力が伸びないこともあったりします。

適切な自己評価は難しいものです。

はっきり言うと「そんなもの必要ない」とも言えます。

大切なのは「ある程度のスパンで実績を見ること」「実力を伸ばすために、色々なことに挑戦してみること」であると思います。

また、本記事は小説だけでなくブログなどにも当てはめることができます。

ブログを書き始めたときは、1桁、2桁のPVが続き、心が折れそうになります。

TEXT FIELDのPVが、安定して3桁になるまで3ヶ月かかりました。4桁を切らなくなったのは半年後です。そして現在では月に10万PVにまでなれました(ありがとうございます)。

これも決して右肩上がりではなく、月単位で見れば上がったり下がったりしています。

それでも、長期的には右肩上がりになっています。

小説もブログも、目先の実績に右往左往せず、長い目で見て着実にやっていくことが大切だと思います。

あなたが「もう止めた」とならず、長く創作活動に携わっていけますように。

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Posted by しろもじ