過程を公開しながら小説を書く【第2回:大まかな構想を考える】

2019年6月12日小説LABO創作公開,執筆考察

本記事は「小説を1本書いていく過程を公開する」というものになり、今回は2回目になります。

連載の趣旨や前回の流れなどは「第1回:ボツにした小説を振り返る」をご参照下さい(前回アップロードできなかった小説のファイルをアップロードしています)。

今回のお題は「大まかな構想を考える」です。

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大まかな構想を考える

「構想」ということで、今回考えるべきことは「どういう小説にするのか?」という部分です。

前回の記事でも書きましたが、頭に浮かんでいったことを羅列していきますので、やや(だいぶ?)混沌とした内容になる可能性がありますので、そこはご了承下さいませ。

さて、どういう小説にするのか? もしくはしたいのか?

基本的には「ラブコメ」であることは間違いないところです。

ラブコメとは、その名の通り「ラブでコメディ」な作品ですので、当然「笑える要素」が必要になってきます。

また一方で「ラブ要素」もあるので、主人公たち(この場合、主役となる男女)は最終的にくっついてもらわないといけません。

物語の大まかな構成としては(具体的なのは次回以降)かなりコンサバなものにしようと思っています。

つまり「王道要素」を含んだものです。

物語の流れ

ラブな王道には色々あるかと思いますが、今回は王道中の王道「シンデレラ型」を用いたいと思っています。

以前にもどこかで書いたのですが、物語の構成のひとつにシンデレラ曲線というのがあり、これは

  1. 物語が始まり、序盤で少し下がる(シンデレラがお家でいじめられる)
  2. 魔法使いに会い、舞踏会で王子さまと出会う(少し上がる)
  3. 魔法が解け、元の生活に戻る(かなり下がる)
  4. ガラスの靴を履くことで王子さまと結ばれる(めっちゃ上がる)

というような、下がって上がってグッと下がってめっちゃ上がるという物語の流れのことですね。

ラブもの以外でもこの手法は多くの創作で見受けられる(物語全般でなく一部で使われることも)のですが、王道なだけに外しようがないものとも言えます。

なぜそのようなものにしようと思ったのかと言うと「この小説を読んでもらうにあたって、一番面白いと思って欲しい要素は何か?」を考えた結果、それは「ラブよりもコメディ」だと思ったからです。

一番強調したい要素

きっつきつのデニムを買った話と創作小説のストーリ展開の話【執筆考察02】」の記事でも触れたのですが、私がよくやってしまうミスのひとつに「始めに思ってた面白さと、実際に書いていく過程で出来上がった面白さが違うことがある」というものがあります。

「よくやってしまう」と言うか、ほとんどそうだと言ってもいいかもしれません……。

例えば今カクヨムで連載中の『きみとぼくのダンジョン再建記』。

これは「完全に即興小説」として書き始めたものでしたが、書く前に思っていた面白さは

「ダンジョン同士での冒険者の奪い合いがある世界で、経営難になりつつあるダンジョンが再建していくもの」

という感じで、どちらかと言うと「お仕事ファンタジー」みたいな小説でした。

なので、2〜4話くらいでひとつの話で区切りながら、色々な困難を乗り越え、新しい仲間が増えつつ、国内一のダンジョンを目指すという物語構成だった……はずなのですが、いつの間にか全く違う話にすり替わってしまいました(これは恐らく、序盤に「後々のために」と入れた伏線のせい)。

私もそうですが、何か小説を読むときは「こういう話が読みたい!」と思って探したりします。

それは具体的にターゲットを絞って探す場合もありますが、ブラブラ見てる際タイトルなりキャッチなりで「あ、面白そう」と思った場合も含めての話です。

「主人公が成り上がる話を見たい」とか「ラブラブイチャイチャするのが読みたい」とか「あっと驚くような結末の話が好き」とか「ダークでシリアスなのがいいな」とか、そういう感じで探すわけです。

なので(当然なのですが)序盤と終盤で面白さが変わってしまったり、そもそもその面白さが何なのか分からないような作品は(ダメだとは言いませんが)よくないわけです。

今回の小説では「ラブ要素」も含みますが、それよりも「コメディ要素」に焦点を絞っていきたいと思いました。

なぜそうするのかと言うと「コメディが入っていた方が、キャラクタに感情移入しやすそうだ」というように思ったからです。※)シリアスな恋愛ものがいけないというわけではありません。

前回の反省点でもある「キャラクターが平凡すぎる」という点も考えると「キャラクターは飛び抜けた要素を持っていて、それが面白いものである方が良さそうだ」というのもコメディに重きを置こうと思った理由です。

個人的には「殺伐とした話」よりも「ほんわかした話」の方が好きなので、そういう方向に行くためにもキャラクタにおもしろ要素が入っている方が良さそうですよね。

舞台はどうするのか?

ボツにした小説で「これは残しておこう」と思った設定は「主人公たちが同居生活をする」という部分です。

もちろん「主人公たちが望まない形で」という前提付きになります。

つまり主人公たちが「一緒に住もうね」と言って同居するのではなく、思いがけないハプニングで同居せざるを得ない状況になるということですね。

さて、同居というキーワードが出てきたところで「舞台はどうするの?」という問題が出てきます。

ここで言う舞台とは「同居する部屋」のことではなく「主人公たちの立ち位置」としての舞台です。つまり高校生なのか、大学生なのか、社会人なのか。

現実的なことを考えると、高校生同士の同居生活はリアルではありません。

なのでボツ小説では「大学生」を主人公にしたわけですが、これはこれで平凡過ぎる気もしないでもないんですよね。

また「異性を意識してオタオタする」みたいな要素は、大学生以上だと……どうなんでしょうね? 現実ではそういう場面にあるでしょうけど、創作として考えるとちょっと微妙な気もします。

……という感じで、ここはかなり考えるのに時間がかかっています。

今現在は

  • 主人公二人は高校生
  • 中学は一緒だったが、あまり面識はない
  • やむを得ない理由で二人は同居生活をすることに
  • それは誰にも言えないので、学校やクラスメイトにも秘密にしている

という感じで考えています。

4番目の辺りが物語の面白さ(コメディ要素)に繋がるんじゃないかなぁ、と思ったり。

もう一度物語の流れ

詳しい構成などは次回以降にするとして、大まかな流れを整理してみましょう。

前述したように構成としては「シンデレラ曲線」を用います。

つまり「下がって上がって、凄く下がって凄く上がる」です。

最後の凄く上がるは、当然主人公二人が結ばれる(=付き合うことになる)ですよね。

と言うことは、物語の始めはその真逆の方が良いようです。

「主人公二人は付き合ってない」

これは確かに逆ですが、ちょっと弱いかも。

「主人公二人はお互いが嫌いである」

これが真逆っぽいですよね。

ただ「嫌い」という要素はちょっとギスギスっぽいかもしれません。

前回もお話したように「序盤で物語の面白さを提示する」ことを考えると、最初はもう少しニュートラルな関係が良いのかも。

「興味がなかった」というのが良さそうでしょうか?

上に書いた「面識がない」のがちょうどそれにあたりそうです。

「中学は一緒だったけど、それほど接点はなかった。顔や名前を知っているくらい。どちらかと言うと、主人公は異性(もうひとりの主人公)に対して、あまり好意的な感情は持っていない」

少しまとめましょう。

  1. それほど知った仲ではないので、嫌いでもない(ニュートラル)。
  2. ただちょっと苦手な感じはあって、それが序盤(2話〜5話くらい?)に顕在化してお互いの仲が少しだけ悪くなる(少し下がる)。
  3. 生活していく中でお互いの良いところが分かり、次第に惹かれていく(少し上がる)
  4. 他の異性との関係(誤解)で、二人の仲が悪化する(かなり下がる)
  5. 誤解が解け、ハッピーエンド

ざっくり言うとこんな流れでしょうか。

(3)の部分で「学校にバレそうになるが、主人公が機転を効かせて乗り切る」というエピソードを挟んで「学校にはバレなかったが、同級生たちにはバレる」という展開にすれば、(4)への流れもスムーズになるかもしれません(まだ案ですが)。

まとめ

やや中途半端ですが、今回はこれで終わります。

テーマがやや広すぎたかもしれません(笑)。

次回はもう少し絞って「キャラクター」の話をしたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。