創作の一番の教科書は【はじめての小説執筆05】
こんばんは、しろもじです。
本連載は「小説なんか書いたことがない。でも書いてみたい」という方に向けたものになります。
「書いてみたいんだけど、どうしたら良いのかさっぱり分からない」という方へ「こうやってみてはどうでしょう」という感じの記事ですね。
「人気作の創り方」「面白い小説の書き方」ではありませんが(それは私の方が聞きたい)、何かの参考になればと思います。
さて、前回までのおさらいです。
恐らく「初めて小説を書いた」場合、なんらかの問題が出てくるはずです。
そして、その中の多くが「ストーリーに起因したもの」だと思っています。
「先が思いつかなくなった」「読み返してみたら、面白くなかった」などなど。
また、キャラクターについての悩みもあるかもしれません。
他の作家さんの小説を読むと、あんなに魅力的なキャラクターがいるのに、私の小説を読み返すとなんだか平凡な行動をしてて、ありきたりなことばかり言っている……。
そんな思いに駆られることもあるでしょう(体験談)。
小説は書くことでしか上手くなれない
しかし、ここまでの記事で、あなたはこれらについて、多少は考えたことだと思います。
「いや、でもまだまだ考えなきゃいけないことは多いんじゃない?」
もしかしたら、そんなことを考えていらっしゃる方もいるかもしれません。
でも、考えてばかりいると先へ進めません。
小説は書くことでしか上手くなれない、と私は思っています。
現に私も、昔の小説を読み返して「前の小説の方が良かったなぁ」と思うことは、まずありません。
その進歩の速さは、人により異なるのだと思います。
1作目からいきなり書けちゃう人だっていますし、10作書いてもなかなかうまくなれない人だっているでしょう。
でも、書いていれば必ず上達していきます。
ただし、そこにはいくつかのルールがあると思います。
完成させる力
まず一番に求められるのは「小説を完成(完結)させる力」です。
これは考え方にもよるのですが、最近ですと「小説家になろう」「カクヨム」などの小説投稿サイトに投稿することも多くなってきました。
その結果「連載」という小説の書き方が生まれました。
投稿サイト以前でも、自分のウェブサイトなどで発表されていた方などは、その方法を取って作品を創ってきていましたが、特にこれらが普及してからは、その傾向が強くなってきていると思います。
私は「連載形式」というものがわるいものだとは思いません。
100話、300話。20万字、40万字。
ずっと書き続ける、というのもひとつの練習方法ではあります。
ただ、あなたが物書きを目指すのであれば、やはり「完結させる力」というものを持っていた方がいいでしょう。
完結させる力、というのは場合によってはとても重要になってきます。
完結=Goalというものが設定されていることで「自分の作品を客観的に見ることができるようになる」というのが一番大きいと思います。
連載中だと、どうしても現在進行系で話が進んでいるので、冷静な目で見直すことができないんですよね。
作品愛っていうのもありますし。
完結については、以下の記事にも詳しく書いていますので、興味がおありの方はご覧下さいね。
何がいけなかったのか、分析する力
小説を完成させると、段々自分の作品を客観的な視点で見ることができるようになる。
これはどうしてなのか?
上にも書きましたが「作品愛」っていうのが関係していると思われます。
やはり書いている小説というものはかわいいものです。
多少違いますが、ある種「自分の子供」のようなものです。
ストーリー展開も好みですし(だって、自分が好きで選んだものですから)、キャラクターたちだってお気に入りばかりでしょう。
こういう場合、多少気になることがあっても「まぁ、それは◯◯だから」と言い訳をしてしまいがちです。
いわゆる「後付け」ってやつです。
その後の展開を読んでもらえれば分かるはず。
今書いている話では、良くなっている。
色々考えてしまいます。
これらは「練習用として、敢えて連載している小説」ならば、問題ないでしょう。
賞とかコンテストは無視で「あくまでも練習」と割り切っているのならば、そういう考え方もアリです。
しかし、もし「なんらかのコンテストに出したい」「書籍化を目指したい」のであれば、不利になるでしょう。
だって「もうちょっと後まで読んで」というのは、コンテストでは言い訳にはならないからです。
ネット小説の場合は「改稿」という手もなきにしもあらずです。
つまり「書き換え」です。
コンテストなどに出す前に、大幅に書き直す。ルール的にはOKなので、そういう書き方もできるでしょう。
ただ、それでも「完結した作品の方が、より冷静に分析できる」という私の主張は間違っていないと思っています。
完結させる。
次の作品に取り掛かる。
完結させる。
次の作品に取り掛かる。
これを繰り返していき、2、3作品書いた辺りで「処女作」を見直してみると良いと思います。
「なんじゃ、これは……」と愕然とすることだと思います(笑)。
もうね、消したくなることと思います。なかったことにしたい、と。
でも、それって「成長の証」なんですよね。
自分の作品を見直して「どうしてこうなった?」と思うことは、決して悪いことではありません。
むしろ、読み返して「うーむ。やはり面白い」と思う方がどうかと思います。
そしてそこで「もう……読んでいられない!」と目を覆うのは止めて、ちょっと冷静に読んでみましょう。
心構え的には「これは他人の小説……私のじゃない」くらいの気持ちで読むといいでですね。
批判的に読むべきです。
アラ探しをしましょう。
そして、その中からひとつかふたつ程度「これは致命的だ」というものを抜き出してみましょう。
あんまりたくさん挙げすぎると、心へのダメージが心配されますので、2つ程度がいいですね(笑)。
それを次の作品に活かすことを考えれれば、これはもう大収穫です。
ハロウィーンも真っ青の大収穫祭を開いてもいいでしょう。
それを繰り返すことでしか、小説や文章を書くことは上手くならないと思います。
いくら創作論を読んでも駄目です。
「小説の書き方」なんて本は捨て……なくてもいいですが、一旦閉じておきましょう。
最高の教科書は「かつて、あなたが書いた小説」です。
だから、ある程度の書き方を覚えたら、まずは書いていくべきなのです。
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