創作の一番の教科書は【はじめての小説執筆05】

小説LABOはじめての小説執筆

こんばんは、しろもじです。

本連載は「小説なんか書いたことがない。でも書いてみたい」という方に向けたものになります。

「書いてみたいんだけど、どうしたら良いのかさっぱり分からない」という方へ「こうやってみてはどうでしょう」という感じの記事ですね。

「人気作の創り方」「面白い小説の書き方」ではありませんが(それは私の方が聞きたい)、何かの参考になればと思います。

 

さて、前回までのおさらいです。

第1回 とにかく書いてみよう

第2回 プロットをつくってみよう

第3回 キャラクターについて考えてみよう

第4回 プロットを練ってみよう

恐らく「初めて小説を書いた」場合、なんらかの問題が出てくるはずです。

そして、その中の多くが「ストーリーに起因したもの」だと思っています。

「先が思いつかなくなった」「読み返してみたら、面白くなかった」などなど。

また、キャラクターについての悩みもあるかもしれません。

他の作家さんの小説を読むと、あんなに魅力的なキャラクターがいるのに、私の小説を読み返すとなんだか平凡な行動をしてて、ありきたりなことばかり言っている……。

そんな思いに駆られることもあるでしょう(体験談)。

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小説は書くことでしか上手くなれない

しかし、ここまでの記事で、あなたはこれらについて、多少は考えたことだと思います。

「いや、でもまだまだ考えなきゃいけないことは多いんじゃない?」

もしかしたら、そんなことを考えていらっしゃる方もいるかもしれません。

 

でも、考えてばかりいると先へ進めません。

小説は書くことでしか上手くなれない、と私は思っています。

現に私も、昔の小説を読み返して「前の小説の方が良かったなぁ」と思うことは、まずありません。

その進歩の速さは、人により異なるのだと思います。

1作目からいきなり書けちゃう人だっていますし、10作書いてもなかなかうまくなれない人だっているでしょう。

でも、書いていれば必ず上達していきます。

ただし、そこにはいくつかのルールがあると思います。

完成させる力

まず一番に求められるのは「小説を完成(完結)させる力」です。

これは考え方にもよるのですが、最近ですと「小説家になろう」「カクヨム」などの小説投稿サイトに投稿することも多くなってきました。

その結果「連載」という小説の書き方が生まれました。

投稿サイト以前でも、自分のウェブサイトなどで発表されていた方などは、その方法を取って作品を創ってきていましたが、特にこれらが普及してからは、その傾向が強くなってきていると思います。

 

私は「連載形式」というものがわるいものだとは思いません。

100話、300話。20万字、40万字。

ずっと書き続ける、というのもひとつの練習方法ではあります。

 

ただ、あなたが物書きを目指すのであれば、やはり「完結させる力」というものを持っていた方がいいでしょう。

完結させる力、というのは場合によってはとても重要になってきます。

完結=Goalというものが設定されていることで「自分の作品を客観的に見ることができるようになる」というのが一番大きいと思います。

連載中だと、どうしても現在進行系で話が進んでいるので、冷静な目で見直すことができないんですよね。

作品愛っていうのもありますし。

完結については、以下の記事にも詳しく書いていますので、興味がおありの方はご覧下さいね。

何がいけなかったのか、分析する力

小説を完成させると、段々自分の作品を客観的な視点で見ることができるようになる。

これはどうしてなのか?

上にも書きましたが「作品愛」っていうのが関係していると思われます。

やはり書いている小説というものはかわいいものです。

多少違いますが、ある種「自分の子供」のようなものです。

ストーリー展開も好みですし(だって、自分が好きで選んだものですから)、キャラクターたちだってお気に入りばかりでしょう。

こういう場合、多少気になることがあっても「まぁ、それは◯◯だから」と言い訳をしてしまいがちです。

いわゆる「後付け」ってやつです。

 

その後の展開を読んでもらえれば分かるはず。

今書いている話では、良くなっている。

 

色々考えてしまいます。

これらは「練習用として、敢えて連載している小説」ならば、問題ないでしょう。

賞とかコンテストは無視で「あくまでも練習」と割り切っているのならば、そういう考え方もアリです。

しかし、もし「なんらかのコンテストに出したい」「書籍化を目指したい」のであれば、不利になるでしょう。

だって「もうちょっと後まで読んで」というのは、コンテストでは言い訳にはならないからです。

 

ネット小説の場合は「改稿」という手もなきにしもあらずです。

つまり「書き換え」です。

コンテストなどに出す前に、大幅に書き直す。ルール的にはOKなので、そういう書き方もできるでしょう。

ただ、それでも「完結した作品の方が、より冷静に分析できる」という私の主張は間違っていないと思っています。

 

完結させる。

次の作品に取り掛かる。

完結させる。

次の作品に取り掛かる。

 

これを繰り返していき、2、3作品書いた辺りで「処女作」を見直してみると良いと思います。

「なんじゃ、これは……」と愕然とすることだと思います(笑)。

もうね、消したくなることと思います。なかったことにしたい、と。

でも、それって「成長の証」なんですよね。

 

自分の作品を見直して「どうしてこうなった?」と思うことは、決して悪いことではありません。

むしろ、読み返して「うーむ。やはり面白い」と思う方がどうかと思います。

 

そしてそこで「もう……読んでいられない!」と目を覆うのは止めて、ちょっと冷静に読んでみましょう。

心構え的には「これは他人の小説……私のじゃない」くらいの気持ちで読むといいでですね。

批判的に読むべきです。

アラ探しをしましょう。

 

そして、その中からひとつかふたつ程度「これは致命的だ」というものを抜き出してみましょう。

あんまりたくさん挙げすぎると、心へのダメージが心配されますので、2つ程度がいいですね(笑)。

それを次の作品に活かすことを考えれれば、これはもう大収穫です。

ハロウィーンも真っ青の大収穫祭を開いてもいいでしょう。

 

それを繰り返すことでしか、小説や文章を書くことは上手くならないと思います。

いくら創作論を読んでも駄目です。

「小説の書き方」なんて本は捨て……なくてもいいですが、一旦閉じておきましょう。

 

最高の教科書は「かつて、あなたが書いた小説」です。

だから、ある程度の書き方を覚えたら、まずは書いていくべきなのです。