音声小説の配信サービス「Writone(ライトーン)がβ版ユーザーを募集開始
こんばんは、しろもじです。
音声小説、つまり「聴く小説」と言えば、以前ご紹介したAmazon関連の「Audible(オーディブル)」がありますよね。
その業界に、新しいサービスを開始したのが株式会社Lyact(リアクト)の「Writone(ライトーン)」になります。
Writoneとは?
Writoneのウェブサイトには次のような記載があります。
「小説を書きたい人に新たな活躍の場を。新たな収入源を。」
Writone(ライトーン)は、あなたの作品を声優が音声化する、音声小説配信サービスです。
実際にまだサービスが始まっていませんから、はっきりしたことは不明ですが、Audibleが「リアル出版社が声優を使って聴く小説を制作する」のに対して、Writoneは「作者と声優を一般から募集し、マッチングを行った上で配信する」というものになりそうです。
ウェブサイトやプレスリリースを見ると「ファンコミュニティの形成」が書かれていますので、既存の小説投稿サイトに似たような感じ……なのかな?
凄く良いサービスだ! しかし……
「小説家になろう」「カクヨム」などの小説投稿サイトは、あくまでも「無料で小説を投稿してもらって、そこからコンテストなどを通じて受賞した作品に対価を払う」というシステムです。
これの特徴は「当たればでかい」ということですね。
書籍化されたからと言って、当分安泰、なんてことにはなかなかなれませんが、とは言え「当たる」ためには「紙の書籍での出版」が、一番リターンが大きいのも事実です。
「マグネット!」などが行っているシステムでは、作者へのリターンなども出てきていますが、まだまだ主流のシステムには至っていません。
そのようなことから、個人的には「素晴らしいじゃないか!」と思ったのですが、しかしWritoneの謳っている「好きな小説を書いていくことだけで生活できるようになりたい!」というのには、若干疑問が残ります。
価格・印税の設定がどのくらいになるのか不明なので「できるわけないじゃない」と言い切ることはできませんが、私が色々考えた結果は「現状では、一つの媒体だけで、食べていける状況ではない」ということです。
例えばKDP(Kindleの個人出版)やnoteなどの電子書籍出版などで、もちろん十分な収入を得ている方もいらっしゃいますが、その割合はやはり少ないものです。
ほとんどの方が、それ以外の収入源を持っているのではないでしょうか?
だから(事情は分かりますが)「好きな小説を書くだけで生活」という表現は、少し残酷な気がします。
しかし音声小説という分野は面白い
随分酷評してしまいました。
しかし、音声小説を個人で制作できるプラットフォームを立ち上げたという点については、本当に素晴らしいことだと思っております。
文字だけのコンテンツ(小説など)ならば、比較的簡単に個人で発行することが可能になっていますが、そこに音声を乗せるのいうのは、コネクションがない人にとっては難しいものです。
それならば、まだYOUTUBERの方が簡単(技術的な意味でです)だと、私は思います。
無論、有名声優さんにアテレコしてもらう、というわけにはいかないでしょうが、声優を目指す人と、小説家を目指す人のマッチングというのは、他にはないサービスですしね。
小説家と絵師は……あるのかな? 詳しくないのですが、ピクシブ辺りでやってそうですが……。
このように個人の「卵」をマッチングして、一つのコンテンツとして売っていくというプラットフォームは、今後増えていくのでしょう。
と言うか、増えていって欲しい!
小説の創り方が変わる
音声小説を考えるとき、既存の小説をそのまま音声化する(つまり朗読する)、という手法は、私は駄目だと思います。
ライトノベルという、比較的平易な文体のものでも、ある程度「聴く」という動作の集中がないと、なかなか難しいものです。
ラジオなどで流されている「ラジオドラマ」などは、その点でよく考えられており、例え難しい表現を使っていても「耳に入ってくる」構成にされているものが多いと思います。
「会話中心にすべき」というわけではありませんが、音声小説ならではの書き方が必要になってくるのだと思います。
また、音声というジャンルでは「効果音」「背景音」のようなものを挿入することが重要になってきそうですね。
教室のシーンなら「生徒がたくさんしゃべっているガヤガヤした感じ」。
電車の中なら「ガタンゴトンという列車の通過音や、アナウンスの声」。
「剣と剣がぶつかる音」「馬車が走る音」「ドアの開く音」……。
生活音なら、ある程度個人でも収録できそうですが、それも限界はありますよね。
今でも、そういう効果音を配布しているサイトはありますが、音声小説をターゲットにした効果音配布サイトなんか面白そう……。
やろうかな?(笑)
「海のさざなみ」程度なら明日からでも投稿できそうですが、「ドラゴンの咆哮」なんかだと、ちょっと転生してこないと難しそうなので、敷居が高いですね(笑)。
まぁ、そういう感じで小説の創り方は変わってくると思います。
その中で「作家個人がある程度やっちゃうのか」それとも「作家はテキストだけで、それ以外はそれぞれの得意分野を持った個人が集まってやるのか」という2つの方法があると思います。
今回のWritoneは「テキスト」と「音声(声)」をマッチングさせるものですが、これが成功したら、もう一歩踏み込んで「小説の概念が変わっちゃう」ようなものになっていけると良いかもしれませんね。
WritoneはCAMPFIREでクラウドファンドを募集しています。
3,000円から支援できますし、リターンで支援以上のコンテンツ購入券ももらえますし、β版の優先使用もできるようなので、気になった方がいたらそちらもどうぞ。
ディスカッション
コメント一覧
こんにちは、Han Luです。
このサービスむっちゃ面白そう!
やってみたいです!
Han Luさん、こんばんは!
面白そうでしょ? 「素人」と呼ばれる人たちが集まって、ひとつの「商品」を創ることで、本来「商業」と呼ばれているものを追い越す日が……。
などと妄想してしまいます(笑)。