音声小説の配信サービス「Writone(ライトーン)がβ版ユーザーを募集開始

2018年6月27日小説LABOwritone,小説執筆,音声小説

こんばんは、しろもじです。

音声小説、つまり「聴く小説」と言えば、以前ご紹介したAmazon関連の「Audible(オーディブル)」がありますよね。

その業界に、新しいサービスを開始したのが株式会社Lyact(リアクト)の「Writone(ライトーン)」になります。

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Writoneとは?

Writoneのウェブサイトには次のような記載があります。

「小説を書きたい人に新たな活躍の場を。新たな収入源を。」

Writone(ライトーン)は、あなたの作品を声優が音声化する、音声小説配信サービスです。

Writone ウェブサイトより

実際にまだサービスが始まっていませんから、はっきりしたことは不明ですが、Audibleが「リアル出版社が声優を使って聴く小説を制作する」のに対して、Writoneは「作者と声優を一般から募集し、マッチングを行った上で配信する」というものになりそうです。

 

©Lyact

ウェブサイトやプレスリリースを見ると「ファンコミュニティの形成」が書かれていますので、既存の小説投稿サイトに似たような感じ……なのかな?

凄く良いサービスだ! しかし……

「小説家になろう」「カクヨム」などの小説投稿サイトは、あくまでも「無料で小説を投稿してもらって、そこからコンテストなどを通じて受賞した作品に対価を払う」というシステムです。

 

これの特徴は「当たればでかい」ということですね。

書籍化されたからと言って、当分安泰、なんてことにはなかなかなれませんが、とは言え「当たる」ためには「紙の書籍での出版」が、一番リターンが大きいのも事実です。

「マグネット!」などが行っているシステムでは、作者へのリターンなども出てきていますが、まだまだ主流のシステムには至っていません。

 

そのようなことから、個人的には「素晴らしいじゃないか!」と思ったのですが、しかしWritoneの謳っている「好きな小説を書いていくことだけで生活できるようになりたい!」というのには、若干疑問が残ります。

価格・印税の設定がどのくらいになるのか不明なので「できるわけないじゃない」と言い切ることはできませんが、私が色々考えた結果は「現状では、一つの媒体だけで、食べていける状況ではない」ということです。

 

例えばKDP(Kindleの個人出版)やnoteなどの電子書籍出版などで、もちろん十分な収入を得ている方もいらっしゃいますが、その割合はやはり少ないものです。

ほとんどの方が、それ以外の収入源を持っているのではないでしょうか?

だから(事情は分かりますが)「好きな小説を書くだけで生活」という表現は、少し残酷な気がします。

しかし音声小説という分野は面白い

随分酷評してしまいました。

しかし、音声小説を個人で制作できるプラットフォームを立ち上げたという点については、本当に素晴らしいことだと思っております。

 

文字だけのコンテンツ(小説など)ならば、比較的簡単に個人で発行することが可能になっていますが、そこに音声を乗せるのいうのは、コネクションがない人にとっては難しいものです。

それならば、まだYOUTUBERの方が簡単(技術的な意味でです)だと、私は思います。

 

無論、有名声優さんにアテレコしてもらう、というわけにはいかないでしょうが、声優を目指す人と、小説家を目指す人のマッチングというのは、他にはないサービスですしね。

小説家と絵師は……あるのかな? 詳しくないのですが、ピクシブ辺りでやってそうですが……。

 

このように個人の「卵」をマッチングして、一つのコンテンツとして売っていくというプラットフォームは、今後増えていくのでしょう。

と言うか、増えていって欲しい!

小説の創り方が変わる

音声小説を考えるとき、既存の小説をそのまま音声化する(つまり朗読する)、という手法は、私は駄目だと思います。

ライトノベルという、比較的平易な文体のものでも、ある程度「聴く」という動作の集中がないと、なかなか難しいものです。

ラジオなどで流されている「ラジオドラマ」などは、その点でよく考えられており、例え難しい表現を使っていても「耳に入ってくる」構成にされているものが多いと思います。

「会話中心にすべき」というわけではありませんが、音声小説ならではの書き方が必要になってくるのだと思います。

 

また、音声というジャンルでは「効果音」「背景音」のようなものを挿入することが重要になってきそうですね。

教室のシーンなら「生徒がたくさんしゃべっているガヤガヤした感じ」。

電車の中なら「ガタンゴトンという列車の通過音や、アナウンスの声」。

「剣と剣がぶつかる音」「馬車が走る音」「ドアの開く音」……。

生活音なら、ある程度個人でも収録できそうですが、それも限界はありますよね。

今でも、そういう効果音を配布しているサイトはありますが、音声小説をターゲットにした効果音配布サイトなんか面白そう……。

やろうかな?(笑)

「海のさざなみ」程度なら明日からでも投稿できそうですが、「ドラゴンの咆哮」なんかだと、ちょっと転生してこないと難しそうなので、敷居が高いですね(笑)。

 

まぁ、そういう感じで小説の創り方は変わってくると思います。

その中で「作家個人がある程度やっちゃうのか」それとも「作家はテキストだけで、それ以外はそれぞれの得意分野を持った個人が集まってやるのか」という2つの方法があると思います。

今回のWritoneは「テキスト」と「音声(声)」をマッチングさせるものですが、これが成功したら、もう一歩踏み込んで「小説の概念が変わっちゃう」ようなものになっていけると良いかもしれませんね。

WritoneはCAMPFIREでクラウドファンドを募集しています。

3,000円から支援できますし、リターンで支援以上のコンテンツ購入券ももらえますし、β版の優先使用もできるようなので、気になった方がいたらそちらもどうぞ。