音声小説「Writone」を聴いてみよう!
書き手側の感想
最後に、作者側(書き手側)が音声化された自作の小説を聴いてみて、どのように感じたかを書いてみます。
まず単純に「嬉しい」というのがあります。
小説を書いて投稿サイトなどにポストした場合、もちろんPVや感想、応援、レビュー、ブックマークなどで「読んでくれている」という嬉しさはありますよね。
しかし、自分の小説を誰かが読み上げてくれる嬉しさは、また別のものだと思います。
始めは照れくさくて「とても聴いていられない!」となってしまいました(笑)。
落ち着いてちゃんと聴かせてもらえるようになるまでは『再生 → 「うぉぉぉぉっ!!」 → 停止 → 落ち着くまで待つ → 再生 → 「うっひょぅぅぅ!」』という繰り返しが何度か必要でした。
次に「以下に自分の作品にアラが多いか」に気づきます。
音声化された小説を聴いて情景を思い浮かべるわけですけど、文章のときには気づかなかった「これ、分かりにくくない?」という部分が顕在化します。
というわけで、ある意味声優さんには失礼な話になってしまいますが、大変勉強になったりします。
更に「音声化するにはそれ用の小説が適切だと」気づきます。
音声化する際にはエピソード単位で行われます。
つまり、作家が書いた1エピソードに対して声優さんが1ファイルとして音声をあてるわけです。
という事は、単純に文字数的なことを考えれば短いほうが適切だということが分かります。
もちろん、アクターモードでは途中からの撮り直しなども対応していると聞きましたが、それでもあまりに多いものだと大変そうです(1エピソード1万字とかだと、ちょっと凄いことになりそうですもんね)。
上で紹介させて頂いた『きみとぼくのダンジョン再建記』第1話がおおよそ2,800字。
くじら@バーチャル哺乳類さんが当ててくれたVoice Bookの長さが約7分。
という事は400字/分という計算になります。
聴く方(リスナー)としてはあまりにも短すぎるコンテンツでは、それはそれで大変そう(現時点では次話自動再生は装備されてないようなので)ですし、長すぎると声優さん(アクター)が大変そうです。
そう考えると、色々な考え方ができるとは思いますが、おおよそ3,000字あたりがリミットではないかと勝手に想像します。
2,000字≒5分なので、この辺りが最適解な気もします。
ただコンテンツ的にはある程度の「引き」も必要だとは思いますので、その辺りが2,000字で可能なのかどうか? 次を読みたい(音声化したい、聴きたい)と思ってもらえるものにするにはどうしたらいいのか? その辺りを作家は考えないといけないのかなぁと思いました。
嬉しい誤算もありました。
「音声化されることによって、自分のキャラクターの話し方がこんな感じなんだ」ということに気づいたりします。
これは声優さんの感じ方によって変わるわけですが「あ、そういう感じの人だったの?」と思うキャラクターも散見されます。
ここは難しい所だと思うのですが、個人的には「凄いっ! そうなんだ」と感心してしまう方なので、どんどん独自の解釈でやって欲しいと思っています。
もしかしたら中には「自分のキャラクターイメージと違う」と思ってしまう方もいるかもしれません。
よく小説が映画化・アニメ化されるときに、アレコレ口を挟む原作者と制作側に全てお任せしてしまうという原作者がいるという話を聞きます。
それと似たようなことかもしれません。
もし自分の思い通りにならないと嫌だ、という方は別に設定集などをキチンと付けたりして、イメージの共有を行う必要があるかもしれません。
繰り返しになりますが、私は声優さんにお任せした方が面白いと思っています。
どちらかというと、Writoneで音声小説化された時点で、既に自分の作品ではないという感覚になっています。
それだけ声優さんの力の大きさが感じられるということですね。
まとめ
作者として作品を登録した身としては、完全に客観的な視点での感想は行うことができませんけど、それでも音声小説というものは素晴らしいものだと思います。
特に声優さんは皆さんとても素晴らしく、我々のように文字を淡々と打っているだけの人間からすると、驚いてしまうことばかりです。
作者側としては上記のようなメリットもありますし、なんと言っても自分の小説を誰かが読んでくれているという感覚は、これ以上ない嬉しさを感じます。
「バルバトスが喋ってるよ! 結衣が喋ってるよ!」と、ひとりで大はしゃぎです(笑)。
小説を書いている方は、ぜひ登録して自分の小説をアップしてみて下さい。
声優さんを目指している方も、どんどん音声化してみるべきでしょう。
とくに私の作品を……いえ、何でもありません(笑)。
【記事訂正】
記事投稿当初「Voicebook」と記載していましたが、登録商標にあたるとのご指摘を賜りました。
訂正しお詫びします。
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