「小説冒頭シーンの書き出しパターン」について考えてみた [投稿報告:『管理官と王女様』第4話]
こんばんは、しろもじです。
「カクヨム」に『管理官と王女様」の第4話「調停式」を投稿しました。
自分で書いてて「もう4話かぁ」と思ってしまいました。
今、18話まで書いているので、まだまだ余裕があるのですが、出来れば早くに完成させて、少しでも見直したりする時間が欲しいところです。
ところで、この『管理官と王女様』の冒頭シーンですが、未だに「どうかな?」と思ったりしています。
今回いくつかパターンを変えて書いてみたんですけど、結局話の流れをスムースにさせるために、あのシーンから始めることになったんですよね。
ただ、投稿した後で「あぁ……」と思ってしまうんですよね(笑)。これはいつものことなのですが。
そこで、今回は小説の中でも大切な「冒頭シーンの入り方」をざっくり考えてみたいと思います。
これが全てではありませんが、まぁ良くあるパターンを並べてみました。
「少し先から入る型」
「少し先から入る型」は、例えば物語が時系列で「1,2,3.4,5」となっている場合に「3,1,2,4,5」のような順番で記述するやり方ですね。
4でも5でも良いのですが、物語の少し先にあるキャッチーなシーンから物語を始めることで、読者の心をキュッと掴んじゃう、そういうやり方です。
これの特徴は「最後まで書いていない連載型の小説でも行うことができる」という点です。
毎回書きながら投稿する小説の場合でも、5話くらいの話であれば冒頭で書いてしまっても、不整合は起こりにくいですし、収集がつかなくなることもないでしょうし。
一方で、冒頭シーンが印象的でないと意味がないのは注意したいところです。
また、本編から冒頭シーンへの繋がり方も難しい所かもしれません。
そこそこ腕が問われるやり方でしょうね。
「いきなりクライマックス型」
冒頭に小説のクライマックスを持ってくるのが「いきなりクライマックス型」です。
上の「少し先から入る型」に似ていますが、こちらは正真正銘のラストシーンから入ります。
小説で一番面白いであろう、クライマックスから入るので、読者の心はキュッとどころではなく、ギュゥゥっと掴めるかと思います。
ただ、ラストを書くということは、ラストまで書いてから、もしくは明確なラストシーンが決まっていないと書けないわけで、その辺りは連載向きではないとは思います。
個人的には、かなり好きなやり方なので、いつかやってみたいとは思っていますが、難しいんですよね。
「少し先から入る型」もそうなのですが、読者にとっては、いきなりあるシーンから始まるので、登場人物も設定も分からないまま読み始めないといけません。
だから、当然「一体何が起こっているの?」となりますが、それ以上に面白いシーンが書ければ、読んでもらえます。「わけわからないけど、面白い」というのは、結構難しいですからね。
「会話から入る型」
これは、良くありますね。
以前「読んでレビュー」でご紹介した、竹宮ゆゆこ先生の「砕け散るところを見せてあげる」などは「会話から入る型」と「(クライマックスではなく)ラストから入る型」の組み合わせでした。
ライトノベルがそうであるように、会話が多い文章というのは、比較的「読みやすい」ものです。
だから、実は凄く良いやり方なんですよね。
ラストからでも少し先からでも、途中から入っても、会話なら何とか付いて行ける。
そんな感じがあります。
個人的には苦手です。読むのが苦手じゃなく、書くのが苦手ということです。
『王立勇者育成専門学校総務課 〜結衣のお仕事編』は、この方法にしようとしていますが、いまひとつ中途半端だったかな、と思っています。
「語りから入る型」
これは最近はあまり見なくなりましたが、冒頭からいきなり世界設定を語りだすという手法です。
人が出てきて、会話を絡めながらという場合もありますし、とにかく地の文だけで何ページも書いている小説もあったりします。
ただやはり、この型はキャッチーではないので、読者層を選びます。
下手すると、開いた瞬間ブラバされる可能性もあったりします。
書く側からすると「まずいやり方」というよりは「怖いやり方」と言えるかもしれません。
小説の作りにもよりますが、この方法でスラッと入っていける小説は、本当に凄いのだと思います。
「順番通りに入る型」
これは実に普通のやり方です。
話の順番通りに書いていくわけですが、前の「語りから入る型」に比べると、もう少し説明文(地の文)の割合が少なく、あるシーンから始まる感じです。
現在投稿している『管理官と王女様』はこのタイプですね。
あまりキャッチーではないので「語りから入る型」と同様に、読んで貰える可能性も減りますが、書く側からすると、とても楽なのが特徴です(笑)。
しかし、書き始めのシーン次第では、ある程度惹きつけることは出来るのかとも思います。
その場合は、それ以前のシーンは小説では記述しない、もしくはキャラクターに語らせる、回想録的な記述をする、という方法になりますね。
まとめ
いずれにしても、小説自体が面白くないと、冒頭だけこだわっても意味がないのですが、特にネット小説は「1話がキャッチーではないと難しい」部分もありますよね。
これ以外にもたくさんの方法があるとは思います。
良いのがあったら、こっそり教えて下さい。いや、こっそりじゃなくてもいいか(笑)。
今日も最後までご覧いただき、ありがとうございます。
それでは、また、あした。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません