『物書きたちは譲らない!』第12話、第13話を投稿しました
こんばんは、しろもじです。
カクヨムに『物書きたちは譲らない!』の第12話「私も書く!」、第13話「それ本気で言っているのか?」を投稿しました。
今日は以前から悩みつつも『物書きたちは譲らない!』を書いているときに、特に試行錯誤した「地の文と会話文の割合」について、少しお話したいと思います。
理想の地の文と会話文の割合って?
あくまで私の場合ですが、放っておくと(気のままに書くと)つらつらと地の文を書き連ねていく傾向があります。
これ、前にブログにも書いたかもしれませんが、恐らく「説明したがり人間」の特徴だと、私は思っているんですよね(笑)。
地の文が多いということは、言い換えれば「どこまで描写するのか?」という部分にも関わってきますよね。
『物書きたちは譲らない!』の第4話でも、サラッとその辺りに触れているのですが、会話文の中で説明を入れるにしても限度ってものがありますし、どうしても地の文で説明したいところもあったり。
で、同作では地の文を極力妥協しない形で書き連ねて、後で余分なところを削除していくという方向で進めてみました。
でもねぇ。
一旦書いちゃうと、消すとこがない気がしてくるんですよねぇ……。
確かに「ここは冗長だな」という箇所はあると言えばあるのですが「消しても意味、通じるかな?」と思ったり、そもそもそういう箇所は少なかったり。
ちょっと話が逸れかけてますね。戻します。
地の文と会話文の割合だけに絞っていきましょう。
当然、会話文が多い方が読むときのスラスラ感は上がりますよね。
だから、今作ではできる限り会話文を多めにしたのですが、改めて読み返してみると、それでもまだまだ地の文が多い。
それでも『Replace』の頃から比べると、格段に会話文が増えたとは思っていますが……。
また、会話文の間にどのくらい地の文を紛れ込ませるのか? という部分も改めて考えました。
ちょっと『物書きたちは譲らない!』の第11話から、一部抜粋してみます。
「ちょっと、お前。何冊持っていくつもりだよ」
そう咎められて、滝本柚葉は本棚を探っていた手を止めた。
「別にいいでしょ? 使ってないんだし」と振り返らず言うと、兄の遼太郎は「そんなことないぞ。ちゃんと今でも使っている」と反論した。それを聞いた柚葉は、持っていた本を遼太郎の前に掲げると、背表紙をつつーっと指で撫でた。遼太郎の目の前に突き出した指先には、うっすらと埃が付いていた。
「うっ……」それを見た遼太郎は、思わず言葉に詰まる。
「ちょっとは掃除もしないと。って言うか、いつから掃除してないのよ?」
「してるって……」再び抗議する遼太郎に、今度は別の本を手にとって、目の前で「ふぅー」と息を吐いた。埃がブワッと舞い上がり、遼太郎は思わず咳き込む。
「お前、そういうの止めろよな」
「はいはい。文句言う前に、ちょっとハタキとかないの?」
「そんなもの今時使っている家などないだろう」
「今は、使い捨ての静電気モップっていうのがあるの。知らないの?」
「……そう言えば、母さんが使ってたような……」
「じゃ、それ持ってきて」
ブツブツ言いながらも、部屋を出ていこうとする遼太郎に「ついでに、掃除機も持ってきて」と言うと、本棚から更に2冊本を引き出した。「まだ持っていく気かよ」と捨て台詞を吐いて、遼太郎が部屋を後にする。
『物書きたちは譲らない』第11話より
「別に良いでしょ? 使ってないんだし」の後に続く『と振り返らず言うと』の部分。
ここは柚葉のセリフですが、ご覧の通り主語がありませんよね。
ここ、当初は
「別に良いでしょ? 使ってないんだし」と柚葉が振り返らずに言うと、兄の遼太郎は――
となっていました。
主語要らないかなぁ……と思って削ったわけですが、まぁ意味的には通じているのかな、と。
「主語削る問題」に発展しそうです(笑)。
もう一度話を戻します。
上記のように、会話文と地の文を混在(?)させるように書いた方が良いのか?
スピード感を出そうと思うと、そういう方が良いのかも?
いちいち会話文を切って、改行するよりは。
後半の言い争い的な部分は、地の文を介入させない方が、テンポが良くなりそうですよねぇ。
でも、会話文だけで進めていくっていうのも、結構大変だったり、そもそもテクニックの必要なことだと思っていて、今の私ではまだまだ無理(笑)。
先程も言いましたが、どうしても地の文が先行してしまうので、手綱を握って「ドウドウ」と押さえ込みながらやっている感じです。
あとは、推敲時に見直して多少直したり。
今回のテーマ「地の文と会話文の割合」は、まだまだ自分の中でルールがなくって、どちらかと言うと「勘」でやっちゃっているところがあります。
それはそれで良いと思う……んだけど、どうなのでしょう?
自分の中での最強は「地の文が多いけど、グイグイ読める小説」で、次点が「会話が多くて読みやすい小説」です。
特に地の文が「一見難解に見えるけど、実はそんなことなく飲み込むように読める」というような小説もたまに見かけたりして「いつかは、あんなの書けたらなぁ」とか思う次第です(笑)。
なんだか今日は「?」が多いですね(笑)。
それだけ迷っているということだと思います。
小説本来の魅力は、文章力ではなく、話の面白さだとは思っています。
とは言え、まず読んでもらわないと、ということもあり、そういう意味で自分の書いた文章を見直すのも大切ですよね。
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