小説の謎と伏線【創作日記102619】

小説投稿記創作日記

10月20日(日)の投稿記で「『きみとぼくのダンジョン再建記』がラスト3話になって、やっと書くべきことがぼんやりと分かってきた」ということを書きました。

何度も書いていますが同作は完全に即興小説として書き始めたもので、途中くらいからようやく「終わりはこうなる」というのが見えてきたという感じで書いてきました。本当はここまでストーリー重視にするつもりはなく、5,6話程度の短編集的な物語になる予定だったのですが、無駄に伏線っぽいのを散りばめて言った結果、こんな構成になってしまいました。

言ってみれば「無計画に増築を繰り返した建物」のような感じです。

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即興小説と謎と伏線

こういう小説は初めて書いたのですが、やってみて分かったのは「後半になればなるほど苦しくなっていく」ということです。無計画にあれこれ謎っぽいのを放り投げてしまったので、それを回収するのが最後に詰まってしまったんですよね。

例えばA子というキャラクタがいて、主人公と生き別れになった兄妹だったとします。そのことを知っているのA子だけ。当然物語序盤ではそれは明かされません。

こういう場合、主人公といい感じになりそうになったとき「A子が少し悲しそうな表情になった」という行動を入れたりすることで「なんでそんなことを?」という謎になります。

なので計画的に謎を入れてそれを回収することが可能になりそうです。

でもそういう設定を書いている人間も知らなくて、ただ悲しそうな顔をしたというだけの場合、後々それがどうしてだったのかというのを考えなくてはならなくなります。そして最も厄介なのが「そこのまで話と整合性が取れるのか?」というのを確認しないといけないことです。

実はこれ『きみとぼくのダンジョン再建記』で致命的なミスをやらかしています。ヒロインのキョーコという女の子がいるのですが、彼女は肉体を強化する魔法を駆使しています。元々そこしか考えていなかったんですが、もりもり話を盛っていく内に「その魔法を使う人間は、蘇生や治癒魔法が効かない」という設定が付加されてしまいました。

で、その方向で話を進めていっていたんですが、ふと「あれ……前に治癒してなかった?」ということに気づいたんですよね。調べてみたら第30話で、ちゃっかり薬草を使って回復していたんです。

結局かなり強引な方法で解決したのですが、書いていた当時は「こっそり30話を修正するか……」ということを考えたりするほど困っていました。まぁWeb小説なら、後から修正というのはアリと言えばアリだと思うんですけどね。

伏線はほぼ無理?

「伏線というのが何なのか?」というのは、人によって定義が異なったりしていますが、私は「物語上で『これは謎です』と明確に示されていない謎」のことだと思っています。つまり読者が読んだときに「なんで?」と思った時点でそれは謎であり、そのときは気づかず(気づいていても「何か変だな」程度)その後のストーリーで「あ、あれはそうだったのか!」となるのが伏線じゃないかな、と。

それでいくと即興小説で伏線を入れるのは、ほぼ無理じゃないかなと思ったりしました。どの程度の即興具合かにも依るのですが「次話すら分からない」というほどの即興で書いていると、流石に無理っぽいです。

そういうのをちゃんと入れようと思ったら、やっぱりある程度先のことまで考えていないと難しいような気がします。

ちゃんとしたプロットを作成して……とまでいかなくても「このキャラはこういう過去があって」とか「ラストにはこういうシーンが来て」とか、そのくらいのことは考えていないと伏線は散りばめられないですよねぇ。余程頭の良い方はそうじゃないかもしれません。

「色々それっぽいのを投げておいて、後から回収できそうなのだけ回収する」という方法も無きにしもあらずなんですが、個人的には何となく落ち着かないんですよね。投げっぱなしって。

その辺りも含めて自分に合った創作を見つけるのが良いのかもしれません。少なくとも今回の連載で「自分には即興小説は合っていない」ということがよく分かっただけでも収穫です。

小説家はサービス精神旺盛?

私自身がそうで、恐らく小説を書く人の多くも同じだと思うのですけど、心のどこかに「みんなを驚かせたい」という欲望があるのではないでしょうか。「先を読まれてしまうのが恐い」とか「想像の上を行きたい」とか。

言い換えればサービス精神とも取れるのですが、そういう心境がついついたくさんの謎を詰め込みすぎてしまうのかもしれません。「謎が多ければ多いほど、読者は喜んでくれる」みたいな。

でも多分それって勘違いなんですよね。自分が小説を読むときのことを考えてみれば分かるんですけど、謎が多すぎる作品ってとても疲れます。また謎が置かれてから解き明かされるまでの間が、長ければ長いほど疲労度は高くなっていきます。

それってどうしてかな、と思って考えてみたところ恐らく「作者は謎を置いたときに、読者は謎が解き明かされたときに面白さを感じるから」じゃないかなぁと。書いてる側からすると、せっかく設置した謎がすぐに解き明かされてはつまらないじゃないですか? 「できるだけ引っ張りたい。もっと盛って盛って巨大な謎にしたい」と、少なくとも私はそう思ってしまいます。

でも読み手からすると、謎が増えていけばいくほど目隠しされているようなもので、読み進めるのが難しくなっていくんじゃないでしょうか? 

その辺りの齟齬が「この小説はつまらない」と思わせてしまう原因なのかなぁと思ったりしました。もちろん自戒と反省を込めて。

まとめ

そんな感じで、ラスト3話になった辺りで色々反省したり後悔したりと忙しかったりする毎日です。

明日公開する予定の98話は、現時点で2,778文字しか書けていません。99話と100話の構成は決まっているので、そこまでを何とか押し込めようと悪戦苦闘中です。もう1話増やせば少し楽になるんですが「101話完結」ってちょっと締まらないので、何とか100話完結を目指したいところです。

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