そろそろ時効だと思うので「うつ病」になったときの話でもしようか【前編】
以前の記事でも書きましたが、昨年私は心筋梗塞を患いました。
でも実はそれよりずっと前に、心臓のハードウェアではなくソフトウェア、つまり心の方も病んでいた時期がありました。
今回は、そのときのお話を綴っていこうと思います。
筆者はあくまでもうつ病を罹患した患者であり、医療従事者ではありません。
ですので、本記事に書かれていることはあくまでも体験談であり、専門的な知識を背景にしたものではありません。
エンターテイメントとしてお読みいただけますよう、お願い申し上げます。
なぜうつ病を告白しなかったのか? また今になって記事化しようと思った理由は?
最初に「なぜこれまでうつ病を罹患したことをブログ等で言ってこなかったのか?」という点と「どうして今になって書こうと思ったのか?」について、軽く触れておきます。
最初の問については複数の理由があります。
ざっと箇条書きしてみますと
- 個人が特定されてしまうのが怖かったから
- 本ブログなどをご贔屓にして下さってる方々に余計なご心配をおかけしたくなかったから
- 自分自身、病気を完全に克服していると思えてなかったから
- 創作の活動に不利になる可能性があると感じていたから
という感じです。
どれか特定のことが要因というよりは、色々なものがありすぎて躊躇してしまっていたというところでしょうか。
2番目の問については、それらがある程度解消できたと感じられたからですね。
個人の特定云々はやや被害妄想的ですが(笑)、ただ病気になっていた時期などを公表してしまうと、そういうこともあるのかなと思っていたわけです。
今となってはもう随分前の話になっていますので、特定しようがないだろうなぁと思っている次第です。
ご心配をお掛けしたくなかったのと、克服できていると思えてなかったのは、克服できていないと思っていたからこそ、笑い話にすることができず、悲観的な記事になってしまうことによりご心配を……というループになっていたというわけです。
うつ病は完全に治ることがないらしく「完治」という言葉ではなく「寛解」という言葉で「とりあえず良くなった」ということになるらしいのです。
そのあたりについては、今でも「そうだろうなぁ」と思ってて、極稀に「あ、ちょいやばいかも」ということもあったりします。
ただ、今はそれに対処することができるようになったとも感じられています。
なので、うつ病を笑い話に……は流石にできませんが「人生のよい経験」と思えるほどにはなってきているので、ブログで公開しても良いのではと思ったわけです。
最後の創作のは……ほら、万が一何かの小説賞などを受賞しそうになったときにですね、編集部の方が本ブログをチェックして「こいつ、大丈夫か?」と思われたらどうしようと思ったわけですよ。
まぁ、流石に心配しすぎですよね(笑)。
それらを踏まえた上で、今現在かつての私のようになりそうになっている方などの、ほんの少しでも手助けができれば、と思って記事化することにしたわけです。
繰り返しになりますが、私は医療従事者ではございませんから、あくまでも参考程度に本記事はお読みください。
現時点で不調を感じられておりかつ医療機関に行っていないという場合には、必ず専門の医師の診療をお受けくださいね。
「自分はうつ病には絶対ならない」と思っていた
前置きが少し長くなりますが、もうひとつだけ。
私自身のことについて、簡単に触れておきたいと思います。
基本的な性格は楽観的……というよりも、物事をあまり深く考えないタイプ。
進学も就職も、それほど深く悩んで決めた覚えはなく、恐らく他の人よりも意識決定の時間は短かったのではないかと思います。
良く言えば即断即決、悪く言えば行き当たりばったり(笑)。
結果としてそれほどベストな人生であったとは思えませんが、不思議と後悔したこともありませんでした。
そんないい加減な性格を自認していたこともあってか、自分はうつ病のような病気とは無縁だろうと思っていました。
実際、うつ病人なってしまった方を何名か知っていますが「繊細な人だったからね」とか「神経質な方だから仕方ないのかな」という感想を抱いており「でも自分はならない」と謎の自信を持っていました。
うつ病になったのは過労とストレス?
具体的な話はできませんが、うつ病を発症したのは2つ目の仕事をしていたときのこと(ちなみに現在の仕事が3つ目です)。
待遇はどちらかといえばブラックで、月の休みは6日程度、一日の拘束時間は約10時間。
実働はもう少し短いので、実質労働時間はおおよそ200時間程度です。
それでも仕事自体は結構楽しいものでしたから、辞めようと思ったこともありませんでしたし、そこそこ楽しく働いておりました。
ただ、発症前1年くらいは人手不足もあって、休みが月4日、一日12時間拘束みたいになってきましたし、発症半年前からは、休み月1日(ないときも)14時間以上拘束という感じになり、月の労働時間は350〜380時間にも及んでいました。
その時点ですでに「なんかおかしいなぁ」という感じになっていまして、具体的には
- 何もやる気が起こらない
- アニメや漫画を見ても何も感じない
- 食欲が湧かない
という症状でした。
ただこの時点では「歳かなぁ」というくらいにしか捉えられていなくて「疲れているから仕方ないな」程度に思っていました。
そんなとき、猛烈にストレスを与えられることが起こりました。
加えて対応するのが自分しかいない、という状況になって、どんどん追い詰められていきました。
それが約1ヶ月ほど続いたあたりで、完全におかしくなっていることに、ようやく自分で気づいたというわけです。
それでも心の問題だとは思っていなかった
何をするにも億劫で、極端な話、晩ごはんを買って帰るのさえ面倒になり、帰宅後即寝るという日が続いたりしておりまして、流石におかしいことに気づたわけですが、自分では原因は「身体の不調」だと思っていました。
どこかの臓器に何かしらの問題があって、身体が重いのではないか?
そう思って病院に行きました。
血液検査、尿検査など行ったあと、お医者さんの問診を受けた際に「もしかしてだけど」と、そこで初めてうつ病の名前を聞くこととなったわけです。
ただそのときは「いやいや、私はうつ病にはなりませんから」と完全否定。
心の底から「絶対に違う。この先生は勘違いをしている」と思っていました。
ただ念のためということで、紹介してもらった別の病院で受診することに(その病院には心療内科がなかったので)。
その間にネットでうつ病について色々調べてみたところでやっと「本当にそうなのかもしれない」と思い始めました。
後日受診した際に、質問シートのようなものを書かされるんですよね。
似たような質問が違う角度から色々問われてるような内容で、100問くらいあったような気がします(もう随分前のことなのでうろ覚えです)。
それを記入しているときに、完全に「あぁ、これはうつ病だ」と思うようになったというわけです。
即日休職へ
時期的に会社が忙しくなる前のタイミングだったので「例えうつ病だとしても、会社を休むわけには」と思っていました。
でも先生に「いや、絶対に休職してください。できないのなら私から会社に電話します」と、念を押されます。
家に帰り上司に電話。
この上司だけは物分りの良い方だったので「先生の言う通りに」ということになり、即日休職することとなりました。
ただこのときは「2週間くらいで戻れるだろう。ギリギリ繁忙期には間に合うかな」と思っていました。
長くなってきましたので、今回はここまでで一旦終わります。
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