富士通の子供向けPCに「コスパが悪すぎ」というのは、間違ってないけどずれていると思う話

日々徒然

こんばんは、しろもじです。

先日2018年6月12日、富士通クライアントコンピューティング株式会社(以下富士通)が発表した、子供向けパソコン「はじめての『じぶん』パソコン(LIFEBOOK LH55/C2、LH35/C2)」が、一部ネット界隈で話題になっています。

富士通が発売する”はじめての「じぶん」パソコン”とは何か?

”はじめての「じぶん」パソコン”とは、富士通が国内初となる小学生向けに設計・開発したノートPC「LIFEBOOK LHシリーズ」2機種のことです。

それ以外にも、教育ドリルやプログラミングなど、全5コースからなる小学生向けオンライン学習支援サービス「FMVまなびナビ」も、別途有償にて提供する、と富士通は発表しています。

PCの方は、小学生に向けたものとして「落としても壊れにくい堅牢さ」や、眼に優しい14型のノングレア液晶(ブルーライトカット対策済)、セキュリティ的にも「マカフィー」を搭載するなど、一般向けPCに比べて対策が施されています。

主なネットの反応

これに対してざっくりネットを徘徊してみると

「このスペックでこの価格(ノート8万、タブレットにもなる2in1型が10万(予想実売価格)」

「何世代か前のスペック」

「ぼったくり」

など、主にコスパの悪さが指摘されています。

これには概ね同意です。

CPUがIntel Celeron(2コア、1.8GHz)、メモリが4GB、ストレージはSSD128GBなどと、価格との整合性が取れにくいスペックになっています。

ネットで調べてみると、同じくらいのスペックのノートPCでは、約4万円程度というのが相場のよう。倍程度の値付けに「コスパ悪い」の指摘は正しいと思います。

 

ただ、あくまでも個人の感想ですが、国内大手メーカー(Lenovo傘下ですけど)のPCならば、そんなもんじゃないかな? と思います。

「子供向け専用開発」ということを考えると、この辺りの値付けは有り得そうな話です。

確かにコスパは問題があるが

で、確かにコスパには問題はあるのですが、私はこれはコスパの問題じゃないと思っているわけです。

要は「富士通が、このPCを使って、子供にどのような教育をしたいと思っているのか」が全く見えないことの方が大きな問題かと思います。

「子供向けだから、衝撃に強くしたりゴムパーツ使って傷付きにくくしてみた。液晶も眼に優しいよ」というのは、あくまでも別問題です。

キツイ言い方をしてみれば「安全に使えるおままごとセット」のようなものです。

切れない包丁は安全ですが、包丁の本当の使い方を学ぶことはできません。

だから、この商品のコンセプトは間違っていないと思いますが、これは「小学生向けではなく、それ以下の年齢層向けのPC」であるべきではなかったのか、と思います。

 

すこし前のニュースで「教育のIT化」というのがあり、そのとき「電子黒板」や「タブレット(電子教科書、ノート)」の活用をしていく、という話が出ていました。

それを聞いたとき、思わずずっこけそうになったのですが、IT化とはそういうことではないでしょう。

電子の黒板やノートを使って、従来どおりの教育をすることがIT化ではなく、今までとは全く違った教育をすることがIT化なのだと思います。

(子供の教育にITを取り入れるかどうかの議論は、別問題ですので省きます……が、個人的には賛成です)

 

話を戻しますが、富士通が「子供のPC教育を促進させたい」というのならば、このような「おままごとPC」は作るべきではありませんでした。

PCの機械的なことを教えたいのであれば、自作できるようなPCにすべきでしたし、ソフトウェア的なことを学ばせたいのであれば、ハードはそこそこでももう少しその辺りのソフトを添付すべきだったと思います。

ハード(PC)なんて、落とせば壊れてぶつければ傷ついても良いんですよ。

大人になれば、そういうPCを使うわけですから「あぁ、落としちゃ駄目なんだ」と分かれば良いだけで「落としても大丈夫」にするのは本末転倒です。

まとめ

随分言いたい放題書いてしました。

でも、商品コンセプト自体は間違っていないと思うんですよね。

IT化の世の中で、子供がそういうデバイスを使った結果、問題になりニュースになったりすることがあります。

それを聞いて「ほら、子供にはまだそういうのは早い」と言うのは、個人的にはどうなのかなぁ、と思います。

今、ニュースになっているようなことは、義務教育でしっかり教えてこなかったからこそ、出て来ている問題ではないのでしょうか?

だったら、蓋をして見ないようにするよりは、積極的にリテラシーを教えるべきだと思うんですよね。

 

だから、富士通の開発者の方が、このような商品を企画されたことには、深い共感を覚えます。

どうしてこうなった? という感じはしますが、それは想像になりますが「まだ富士通が普通の大企業だから」じゃないかなぁと思います。

商品を見る限り、非常に配慮された設計になっていますし、全体的に丸い(外観ではなく)感じがします。

私も大企業さんと仕事をしたことがありますが、そういう会社の社員さんって、なかなか「尖れない」んですよね。

凄いものを創ろうと思っても、色々な部署から横槍が入ったり、上司やその上司からのストップが掛かったりで、結局当たり障りのない結果しか出力できないというのは、随分前から言われていることに関わらず、いまだに深く残っていたりします。

製品なんて「社内から異論が続出」したようなものの方が話題にもなりますし、最終的には売れたりするんですけどね。

でもまぁ「お前が責任取れるのか?」と言われると難しそうですよね。

 

そういうわけで、本当に惜しいなぁと思った次第です。

でも、売れると良いですね。