すべての家電が音声対応に!? Google、Apple、Amazonなどがスマートホームデバイスのスタンダード開発で協業を発表

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Apple、Amazon、Google、Zigbee Allianceが18日に、新しいワーキンググループを結成することを発表しました。

これによりスマートホームデバイスの規格がようやく統一される可能性が高まってきました。

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プロジェクト「Connected Home over IP」

Appleらが発表したこのワーキンググループのプロジェクト名は「Connected Home over IP」と称されています。

現在主流となりつつあるAlexa、Google Home、Siriなどの音声操作デバイスによるスマートホームデバイスのコントロールは、正直なところ「それほどスマートじゃない」ということになっています。

製品により「Alexa対応だけ」だったり「Google Homeだけ」だったりするんですよね。大抵のものは共通して使えるものが多いのですが、それでもデバイスメーカーにしてみればそれぞれに対応させるのが大変なのが現状だと思われます。

またユーザにしてみても「Echoを買ったんだけど、この家電はAlexa対応じゃないから使えない」ということも今後出てくるかもしれません。

なので、今回の協業によりそれらの統一規格が制定され、デバイスメーカーの対応が比較的楽になることが予想できますよね。そうなれば今まで二の足を踏んでいたデバイスメーカーも、スマートホーム対応の製品を積極的に作るようになるかも。

プレスリリースを読む限りは、腰下の部分(と言っていいのか分かりませんが)を共通化させるということで、上に書いたように「ひとつの家電などが、特に意識しなくてもどのコントロールデバイス(Alexaなど)からでも操作ができるようになる」という感じでしょうか。

なので「AlexaとSiriが共通化される」という類の話ではありません。「ヘイ、Alexa。Siriに天気予報を聞いてみて」なんてやってみたかったんですけどねぇ(意味ないですが)。

日本メーカが見当たらない

何気にショック、というより「ついにそういう時代になっちゃったのかぁ」と思ったのが、ワーキンググループの末端にすら日本メーカの名が出てきてないことです。

主要なメンバー企業は上に書いた通りで、その他ではZigbee Alliance委員会メンバーとして

IKEA、Legrand、NXP Semiconductors、Resideo、Samsung SmartThings、Schneider Electric、Signify (formerly Philips Lighting)、Silicon Labs、Somfy、Wulian

Apple Newsroomより引用

ざっくり調べてみたら

  • IKEA:ご存知スウェーデンの家具量販店
  • Legrand:フランスの電気機器メーカ
  • NXP Semiconductors:オランダに本拠地をかまえる半導体サプライヤ
  • Resideo:スマートホームデバイスを開発している会社? アメリカオースティン
  • Samsung SmartThings:ご存知韓国サムソン。SmartThingsは主にスマートホームデバイス関連
  • Schneider Electric:フランスの重電メーカ。コンシューマ向けじゃなくB to B分野が中心みたい
  • Signify:カッコ内表記にあるようにフィリップス(オランダ)の照明事業の分社化された企業
  • Silicon Labs:アメリカの半導体サプライヤ
  • Somfy:フランスのホームデバイス関連メーカ
  • Wulian:中国のスマートホームデバイスメーカ

という感じみたい。あくまでもしろもじ調べなので、間違っていたらご容赦下さい。

あくまでもZigbee Allianceからなのですけど、まぁ完全に日本は蚊帳の外。昔、CDだとかDVDのころは日本メーカーが主導でやっていたこともあったりしたんですが、やはり時代はGAFAなんでしょうねぇ。

私、たまに日本メーカのウェブサイトを覗いたりするんですが、はっきり言って全然ときめかないですよね。もう高級路線の洗濯機やレコーダくらいを作るくらいしかできないのでしょうか?

それでもSONYなんかは、極稀に「おっ!?」ってなデバイスが出たりしますけど……高過ぎるんですよねぇ……。

Zigbeeってなに?

もしかしたらZigbeeって単語を初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。私も専門家じゃないので詳細なことは語れないんですが、簡単に言えば「Bluetoothみたいなもの」をイメージするといいかもしれません。

Bluetoothとの違いは「省電力、汎用性」といったところでしょうか。

今回のワーキンググループではEchoなどのデバイスとコントロールされる側のデバイスの橋渡しをするのがZigbeeになるのだと思われます。Zigbeeは確かBluetoothよりも通信距離が長いので、ホームデバイスとして使う分にはちょうどいい感じみたい。てか本来それを狙った規格だったような。

通信速度はそんなに早くないんですが(日本では144kbps程度だとか)まぁ指示を送るだけなら、速度はそれほど重要でもないんじゃないでしょうか。

まとめ

まだワーキンググループは始まったばかりなので、成果が出るまでには今少し時間がかかるとは思いますが、近い将来色々なデバイスが音声によってコントロールされる時代がやってくるかもしれません。

例えば「電気を点ける」という行為は現在「壁のスイッチを押す」「リモコンのボタンを押す」「紐を引っ張る」ということで利用することができますが、これが「電気を点けて、と話す」ことに置き換わるわけですね。

「そんなの逆に面倒じゃね?」と思われるかもしれません。

でも音楽を聴くということだって「音楽かけて」だけで適当な音楽が流れるのって、今までの「スマホを操作して音楽をかける(もしくはCDを取り出して……)」よりも、格段に敷居が低いんですよ(その辺りは当サイトのこの辺りの記事をご参照下さい)。

なので、遅かれ早かれデバイスはそういう方向に向かっていくのは間違いないと思います。

ただ前述の「電気を点けて」などは「部屋に入った瞬間、自動で点くべき」というタイミングもありますよね。例えばトイレに入ったときは自動で点いてくれた方がいいわけです。一方で部屋の場合は、入るたびに電気が点くのは逆に鬱陶しい場合もあるかもしれません。

その辺りは「音声」にこだわらず「人感センサ」などと組み合わせたスマートホーム構築が必要になってくるのかも。

脳にチップが埋め込まれて(電気を点ける)と思っただけでシーリングライトが点灯……というのは、流石に相当先でしょうか。