過程を公開しながら小説を書く【第8回:冒頭2話を書いてみる】
小説一本を書いていく過程を赤裸々に公開していく「過程を公開しながら小説を書くシリーズ」の第8回目。これまでの7回は「創作公開」タグからご覧いただけます。
ざっくり整理だけしておくと
- ボツにした小説を振り返る
- 大まかな構想を考える
- キャラクタについて考える①
- キャラクタについて考える②
- なにを書きたい小説なのか考える
- プロットを作ってみる
- 小説のタイトルを考える
という感じでした。よく言えばコツコツ進んでいる。はっきり言えば全然進んでいないとも。まぁ、これまでは他の小説を完結させるのが優先順位が高かったのでしょうがなかったんですけど、それも終わった今、いよいよ手を動かすときが来た! というわけで、今回は冒頭を書いてみたのを公開したいと思います。
冒頭1話、第2話を公開
推敲はほとんどしていませんし、今後の展開次第では変わってくる可能性もありますが、現段階では仮置きの1話となっています。ですので、一応ネタバレしていることだけを書いておきます。
「ありがとうございましたっ!」
玄関口に立っていた引っ越し屋のお兄さんが、爽やかな笑顔で軽く会釈する。それに釣られるように笑顔で答えようとして、思わず引きつってしまった顔で(しまった)と思いながらぎこちなくお辞儀して答える。
ドアががちゃんと閉まる音がして、お兄さんが階段を降りていく音がとんとんと響く。トラックのエンジン音が遠ざかっていくと、辺りはしんと静まり返った。
俺はゆっくりと振り返る。まだ電気のついていない薄暗い部屋。実家より少し狭いキッチン。足元にはさっき運ばれてきたばかりのダンボールが転がっている。
小さな声で「新生活っ」とつぶやいて、両手を上げてそれを表現する……が、すぐに恥ずかしくなって手を下ろす。誰に見られているわけでもないのに、顔が熱くなっている。何をやってるんだろ、俺は。
さて、荷物の整理でもするか……ダンボールのひとつを開封しようとしたとき、玄関の外で人が話している声が聞こえてきた。
「……った、ここです、この部屋です!」
ん……? 誰だ?
と思う間もなく、ドアの鍵ががちゃりと回る。
「すみませーん。とりあえず中にじゃんじゃん運んじゃってください!」
元気な声に「はいっ!」と威勢のよい返事をしたガタイのいいお兄さんが冷蔵庫を抱えながら、俺に背中を向け部屋に入ってくる。何だ? いや、ちょっと待て。待ってってば!!
俺の静止も虚しく、ガタイのいいお兄さんは「あー、ちょっと通りまーす」とず冷蔵庫を部屋へと運び込む。唖然としている俺に構わず、今度はダンボール箱を3つも重ねて持ったお兄さんが「はいはい、ちょっとごめんさないね」と、俺を押しのけながら続けて入ってくる。
あっけにとられている内に、リビングにはどんどんダンボール箱の山が積み上がっていく。なんだ、何が起こっているんだ!? 一瞬「俺が部屋を間違えたのか?」と疑ったが、でもさっきこの部屋の鍵を開けたのは俺だし。叔父さんにもらった鍵はこれだけだし。
混乱していると荷物を運び終えたお兄さんがドアの外で「ここにハンコを」と誰かとやり取りをしている。先ほどと同じような「ありがとうございましたぁ!」という声がして、お兄さんたちが遠ざかっていく音と同時に、軽やかな鼻歌が聞こえてきた。
ドアノブがくるりと回り、勢いよくドアが開く。
「新生活っ!」
お隣に迷惑じゃないのか、と思えるほどの声。開いたドアの先にひとりの女の子が両手を上げて立っていた。その光景に俺は呆気にとられる。いや、俺もさっきそれやったけど、結構恥ずかしいよな?
俺の存在に気づいた彼女もそう思ったのか、真っ赤な顔をしたまま硬直している。目がキョロキョロと挙動不審に動き回っていた。「あのぉ」仕方なく俺は声をかけた。そこで改めて彼女の顔を見て「あれっ?」と思う。
「もしかして……琴美?」
「えっ……あ、圭ちゃん?」
やっぱりそうだ。彼女の名前は山手琴美。幼稚園の頃からの付き合いで小学生のころはよく遊んでいたんだけど、中学になると何となく気まずくなって、二年生になるころにはほとんど話すことすらなくなっていた幼馴染。
「圭ちゃん、変わってないねぇ」
そう言って琴美はコロコロと笑う。「琴美こそ」と答えながら、俺は少し動揺していた。
可愛らしいフリルの付いたスカートに、これまた女の子っぽい薄いピンクのカーディガン。長く黒い髪の毛は少し乱雑に後ろでくくられ、ポニーテールが風でふわふら揺れていた。パチパチさせている大きな瞳や薄っすらと赤く染まっている頬、すらりとした長い足。
こうして改めて見ると……かわいいいんだよな。幼馴染補正かもしれないけど、昔から琴美はかわいかった。
だから中学になったころから変に意識してギクシャクしてしまったわけだけど。もちろんそれだけじゃなくて……。
「そう? 結構大人っぽくなったと思わない?」
と、変なポーズを取りながら片目を閉じようと必死になっている。どうやらウィンクしようとしているそうだけど、どことなく変顔になってるぞ、それ。はぁ、と俺はため息をつく。
まぁでもそう言われてみれば……。俺はもう一度琴美の姿をしっかりと見る。大人っぽく大人っぽく大人っぽく……うーん?
「ちょっ、圭ちゃん? どこ見てるの!?」
琴美は顔を赤くして、胸の前で腕を交差させる。
「やっ、違ふっ!」
慌てて否定しようとして噛む。何だよ、慌てすぎだろ。でも琴美の方は、冗談のつもりだったらしく「あはは、圭ちゃん相変わらずおもしろいね」とおかしそうに笑う。
そうだった。琴美のそういうところ。久々に会って俺の方はどうしたらいいのか分からず戸惑っているというのに、彼女は普通に接している。よく言えばオープンな性格。だけど俺はそういうところが……。
「ってか、圭ちゃん。何でここにいるの?」
琴美の言葉に我に返った。そうだった。でもそれは俺の方が聞きたい。
「いやだって、ここ俺の部屋だし」
「えっ、ここは私の部屋だよ?」
「いや、そんなはずないって。ほら鍵だってあるし」
「私もあるよ」
ポケットから1本の鍵を取り出す。見比べてみると全く同じ鍵に見える。どういうことだ……?
この2階建て全6部屋の建物は「コーポ Fujikita」。俺の父さんの兄、つまり叔父さんの所有しているコーポだ。叔父の新田俊郎は「自称IT系ノマドワーカー」で、ここにこもって仕事をしていたんだけど、先日突然「全国を回って見聞を深めながら仕事をしたいんだ!」と言い出し、荷物を処分すると旅に出た。
不動産斡旋会社とは契約していたけど、管理は自分でやってたみたいで、契約を変えるのが面倒とかという理由で俺に「お前、ここに住め」ということになったのだった。俺としても一人暮らしは憧れだったので、願ったり叶ったりといったところ。高校入学前の今日から住むことになったというわけ。
――という話だったはずなんだが。混乱しているとポケットの中でスマホがけたたましい音を上げる。画面を見ると「叔父さん」の文字。
嫌な予感しかしない。
「もしもし圭太か? 俺、俺、俺。分かるか?」
オレオレ詐欺かよ、とツッコミそうになるのをぐっと堪える。そんな俺に構わず叔父さんはまくし立ててくる。
「いやぁ、人生ってなかなか思い通りにはいかないものだよな。俺もさ、全国の旅へ出た途端に財布はなくすわ、予約してた宿は間違えるわで大変だったんだぞ。結局カードの再発行とかに手間取って、今さっきまで足止めを食らっていたってわけさ」
どうでもいい情報が流れてくる。「いや、叔父さん。そんなことよりも」と、俺が現状を説明しようとすると、スピーカー越しにややわざとらしい咳払いが聞こえてきた。
「いやいや、俺はちゃんと不動産屋に言ったはずだったんだよ。最初はさ、誰かに貸そうと思ってたんだ。でもアイツらさ『管理もお任せ頂けるのなら、別途料金が』とか言うんだよ。まぁそりゃそうかもな。それが仕事だし。でも一部屋貸すのよりも高い管理料ってどう思うよ?」
「えっと……損になっちゃう?」
「だろっ!? そうだろ? だからさ、俺は『貸すのは止めて別の管理人を探す』ってさ、言った」
「言った?」
「――つもりだったんだけど」
忘れてたんだな。
「ま、何事も思い通りにはいかないってことだな。じゃ、そういうことで!」
プッツーツーという音が耳に響いている。目の前には不思議そうな顔で首を傾げている琴美。足元には大量の段ボール箱。日中の住宅地は遠くで車の走る音が流れている程度でとても静かで……。
俺は途方に暮れていた。
続いて第2話です。
「えぇぇぇ!?」
琴美の声がダンボール箱で埋め尽くされている部屋にこだまする。俺は事情を全て琴美に話した。つまり「叔父がこの部屋を他人に貸そうとしていたが、それを止めて俺に管理人として住めと言った。でも不動産屋にそれを言うのを忘れていた」ということ。
なので不動産屋は新しい入居者を探して、琴美がここにいるというわけだ。あれ、でも……。
「なんで、琴美が一人暮らしすることに?」
「あーうん。私のお父さんがね、この春から海外に転勤になっちゃって。それで『もう一人は嫌だよぉ』とか言い出して、お母さんがついて行くことになったの。で、流石にあのマンションは大きから、私だけ引っ越そうってことになって」
「そういや琴美のお父さんって……」
知らない人はいないほどの一流商社に確か勤めてたんだっけ。俺が小さい頃にも一時期単身赴任してたことがあったような気がする。いや、それにしても一人は嫌って……俺なんか一人の方がいいと思っているのにな。
「まぁうちの両親はほら……アレだから」
そう言いながら琴美はバッグからスマホを取り出すと、どこかに電話をし始めた。
「あっ、お父さん? うん、今着いたところ。うん、凄くいい場所だよ、ありがと。それでね――ってわけでね。うん? そう、目の前にいるよ。え、うん、ちょっと待って」
「お父さんが」と言いながらスマホを渡してくる。え、琴美のお父さん? 俺が話すの? 恐る恐るスマホを耳に当てる。「もしもし?」
「あー、圭太くんか。久しぶり。元気してた? 事情は琴美から聞いたよ」
「はい、すみません。うちの叔父のせいで変なことになっちゃって。なんとか別の部屋がみつ――」
「いやぁ、僕もね。琴美が一人暮らしするって言い出したときは、流石にちょっと心配だったんだけど、圭太くんが一緒なら安心だよ」
「は? いや、ちょっと待って――」
「偶然だけど、これで君のお父さんと昔交わした約束も……早苗ちゃん? あ、もう搭乗時間になっちゃった? ごめんね圭太くん、もう行かなきゃだから。琴美のこと、よろしくね」
「ちょっと、おじさん!? あの」
受話器から流れるプープーという音に唖然としている俺に、琴美が「お父さん、なんて?」と首を傾げていた。
琴美と俺がここで一緒に? いやいやいや、ダメだろ。俺たち高校生だぞ。「ねぇ、どうしたの?」とスマホを受け取りながら琴美が心配そうに俺の顔を見る。どう言えばいいんだ? 「お前のお父さんは、俺と一緒に住めと言ってたぞ」と言えばいいのか?
そりゃ琴美は知らない人じゃないし、そういうパターンに比べればハードルは低い気がする。それに女の子と同棲なんて、一般的な男子にとっては憧れの……って、ちょい待て。なんで『そういうのもアリか』みたいなことになってるんだ。
叔父さん、琴美のお父さんは当てにならない。ちゃんとした大人に相談しないと。今度は俺がスマホと取り出す。電話帳をスクロールして、親父の名前をタップした。呼び出し音が鳴るか否や、プッと音がして「もしもし?」という声が聞こえてきた。
「親父、圭太だけど。今、ちょっといい?」
「あぁ、ちょうど休憩中だからな。で、どうした?」
「それがさ――」
俺はことのあらましを説明した。親父は黙って聞いていたが、琴美のお父さんとのやり取りを聞くと「浩一の奴め。ちゃんと覚えていたんだな」とつぶやくように言う。そう言えば、琴美のお父さんも『約束』だとか言ってたな。
「それってどういうこと?」
「ふむ……説明すると長くなるのだが、かい摘んで言えば、俺と浩一、つまり琴美ちゃんの父親がだな、お前と琴美ちゃんを将来結婚させようという話に――」
「けっ……!?」
思わず手で口を閉じる。なにを言ってるんだ、親父は。隣で琴美が「け?」と不思議そうな顔をしている。ちょっと待って、ちょっと問いただすから。
「そうだ、そういう約束をしていたって話だ」
「なに勝手に決めてるんだよ!?」
「ん……勝手じゃないぞ」
「どういうこと?」
「そもそもお前が『大きくなったら、ことみちゃんとけっこんするー』とか言い出したのがきっかけなんだからな」
覚えてない。記憶のかけらさえ残ってない。そもそも話の流れから、多分幼稚園に入るかどうかってころのことだろ? そんな昔の話なんて……。俺の抗議を聞いた親父が突然「バカもん!」と怒鳴り声を上げる。スピーカーがビリビリと震え、おまけに俺の鼓膜まで破れるかと思えるほどの声に驚いていると、親父は咳払いし「いいか、圭太」と再び落ち着いた声に戻る。
「男が一度口にしたことは、簡単に覆してはならん。そもそも一人暮らしだって、お前がしたいと言い出したことだろう」
「はい、そうです……」
「お父さんはお前のすることに一度でも反対したことがあったか?」
「いえ、ありません……」
「なら、自分のケツは自分で吹け。それができないのなら、今後は俺の言う通りに生きるんだな」
ぐうの音も出ない。確かに親父の言っていることは正しい。俺が一人暮らしをしたいと言い出したのだし、記憶にないとは言え琴美と結婚すると言ったのも俺だ。自分の言ったことには責任が伴う。ならば、今回は俺に責任があるということに……。
ってなわけがあるかー!!
俺が言ったのは一人暮らしをしたいということであって、琴美と同棲したいということじゃない。それに小さいころに言ったことまで責任を持てとかメチャクチャじゃないか。
――と、言い返したいところだったけど、あいにくスピーカーからは既に電子音が鳴っている。言いたいことだけ言って切りやがった。どうしてこうも大人というのは無責任な生き物なのだろうか。もっとしっかりしてて、こういうときには「それはダメだぞ」と諭すものだと思っていたのに、誰も彼もが琴美との同棲をそそのかしている。
「圭ちゃん……?」
「ええっと……とりあえず落ち着いて聞いてくれ」
ダンボールだらけの殺風景な部屋で、俺は琴美の父親と俺の親父との会話を説明した。うんうん、とうなずきながら聞いていた琴美の顔がほんのりと赤くなって、しまいには真っ赤に染まる。
「えっ、圭ちゃんと……どっ、どうっ……でもっ、でもっ」
そうとうパニクってるな。行きがけに買ってきたペットボトルのお茶を琴美に渡す。それを一口飲むと、ようやく落ち着いてきたのか「ありがと」と笑顔が戻った。
「ちょっと寒いね」
フローリングで薄暗い8畳ほどのキッチンは、琴美の言う通り確かに薄ら寒い。右手には短い廊下があり、その奥はトイレとバスルームのようだ。正面にはふたつのドアが並んで設置されている。間取りを見る限り、奥にふたつの部屋があるらしい。俺は右側のドアを開けた。
6畳のフローリングの部屋。右手に小ぶりの出窓があり、奥にはベランダへと出られる大きな窓が付いていた。春の暖かい日差しが注ぎ込んでいて、まるで温室のように暖かい。白い壁紙や落ち着いた色のフローリングなど、叔父さんにしてはセンスの良い部屋だな。窓を少しだけ開けると、少し冷たいけど気持ちの良い風が優しく頬をなでた。
「ごめんね、圭ちゃん」
俺と並んで外の景色を眺めていた琴美が、ペットボトルを握りしめながら言う。
「そうだよね。お父さんがそう言ってても、やっぱりダメだよね」
「あー、うん、まぁ……そうかも?」
「私、お父さんにもう一度電話して、別の部屋を探してみるね」
「でも、今から別の部屋って言っても」
「ちょっと学校から離れたところなら、まだ空いてるところもあるんじゃないかな。大丈夫だよ」
「そりゃそうかもしれなけど……引っ越しとかどうするんだ?」
「あぁ、そうだよね。ごめん、圭ちゃん。お部屋が決まるまでちょっとだけ預かっててくれない?」
「別にいいけど」
「ほんと、ごめんね」
まるで俺を拝むかのように、顔の前で両手を合わせている琴美。一生懸命笑っているように見えるけど、長い付き合いだった俺には分かる。その表情には、ちょっとだけ影が差していることを。
俺が琴美にした説明で、俺は否定ばかりしていたような気がする。琴美と暮らすなんてダメだ。高校生が同棲なんて絶対ダメだ。もちろん、琴美にしたって俺と一緒に暮らしたいというわけじゃないだろう。でも、少しだけ拒否されたような気分になってしまったのかもしれない。
もうちょっと言い方、考えろよ……。自分の浅はかさに呆れてしまう。だから、俺がこんなことを口走ったとしても、それはしょうがないことだと思うんだ。
「一人で二部屋あっても使わないしな。琴美さえよければ……一緒に住んでもいいかな……って」
それを聞いた琴美が一瞬だけ驚いたような顔をする。そして次の瞬間には、ぱぁっといつもの明るい顔に戻って「いいのっ!? 本当にいいの?」と、俺の両手を掴みながら詰め寄ってくる。
ちょっと暖かい手にドキドキしながら、俺はうなずいた。本当に良かったのかなんて、分からない。でもそんなに大したことじゃない気もしていた。ちょっと考えすぎだったんじゃないか、同棲たって別々の部屋なんだし。そんなふうに考え始めていた。
約半日後に、それが覆されるとも知らずに。
ちょっと間が詰まって読みにくいですが、面倒なのでそのままで。本番投稿時にはキチンと改行します。
でもこのくらいでも良さそうな気がしてきました。Webは開けた方が良いと思ってたけど、スマホだと開けすぎると読みにくいですしね。どっちがいいんだろ?
今回の小説のテーマっぽいやつ
今回の話はシリーズの第6回「プロットを作ってみる」を下敷きにして進めて行こうと思っています。基本的には奇をてらわずに、王道的なストーリー。その上で「どれだけキャラクタを魅力的にできるのか?」というのが今回のテーマっぽい。
これまでの小説ってプロットありにしても即興にしても、ストーリー優先で作ってきた気がするんですよね。ストーリー展開に合わせてキャラの行動を無理やり変えたり、キャラ自体の性格まで変えたこともあったりしました。
って言うか、ぶっちゃけあまりキャラクタのことを考えたことがなかったんですよね。もちろん設定としての要素は考えたりはしていましたが、どちらかと言うと「自分の中にあるもの」を出している感じで、敢えて「このキャラクタはこの場合どんなことを言って、どういう行動を取るのだろう?」ということなどを考えてこなかったんです。
それはそれで間違いじゃないとは思いますが、自分的には「自分さえも振り回されるようなキャラを書いてみたい」というのもあって、ストーリーにはこだわらずキャラ優先にしたいと思った次第です。まぁラブコメはキャラ大切ですからねぇ。
ただ全てのキャラクタをそういう創り方をすると、ちょっと奇をてらった変わり者キャラばかりになってしまいそうでした。なので、メインの二人(圭太と琴美)は比較的普通の男の子女の子です。
正確には主人公の圭太だけかも。男の子が主人公=男読者向け、という扱いなので、主人公はできるだけ無味無臭に近くしていきたいと思っています。一応、彼にもちょっとした悩みはあり、それを克服していくという成長ストーリー的な要素も含まれてはいるのですけど、あまりそれをメインにしたくないな、と。
そういうことから、主人公は普通の人。ヒロインたちの内、メインになりそうな琴美は少し変わっている程度で、それ以外のヒロインたちはもう少し特徴のあるものにしたいなぁ、というのが今の予定なのですが……上手くいくかどうかは分かりません。
キャラが増えていく
以前キャラクタのイメージストーリを書いたときの登場キャラクタは
- 新田圭太(主人公:高校一年生・文芸部)
- 山手琴美(メインヒロイン:高校一年生・サッカー部)
- 三木歩夢(ヒロイン:高校二年生・文芸部)
- 相本京夏(ヒロイン:高校一年生・サッカー部)
という構成だったのですが(後、圭太と琴美の両親に圭太の叔父)、書いている内に
- 坂口聡志(主人公の友人:高校一年生)
- 辻元見雪(ヒロイン:26歳・圭太たちの部屋のお隣さん)
- 新田小依(ヒロイン?:圭太の妹)
という3人が加わりました。
でも一応12,3万字程度の小説のつもりなので、全てのキャラクタを詳細に書くわけにはいきません。あくまでもメインは上段の4人で、後はそれに絡んでくるという感じでしょうか。
何気に12,3万字以降のことも少しだけ考えた設定と言えなくもありません。万が一賞を取って、書籍化したときのことまで見据えた緻密な計算……こういうのを「取らぬ狸の皮算用」と言います。
いつも思うんですが、小説って書いている内にどんどんキャラクタが増えていくんですよね。前にもこういうことをどこかで書いたのですが、12,3万字程度であればメインは4,5人程度が適切じゃないかなぁと思っています。
特に今回のようなラブコメでは、複数のヒロインに登場してもらうのが鉄板ですけど、あまりに多すぎると収集がつかなくなる恐れがありそうです。文庫本数冊程度のボリュームだとしても、ヒロインの数は多くて5人程度じゃないでしょうか?
あんまり多いと、登場しなくなるキャラとか増えそうですし。
今回はヒロインは3人がメインになっていますが、これでも12,3万字で収まるのかと今から不安に思っています。それぞれのエピソードを入れていかないといけないですし。
前にアップロードしたシンデレラ曲線を使ったプロット案では、おおよそ半分の辺り(6万字くらい)が一番楽しいとき、と定義しました。
ここらまでで主人公と3人のヒロインが、出会って惹かれていく、という行程にしないといけないので、ちょっと大変っぽい。って言うか、書いてて「これは無理じゃないか」という気がしてきました。
上の曲線では後半は重い展開になりそうですが、実際にはそこまで重くすることはないと思っています。先程も書きましたが、あくまでもキャラ優先の小説なのでストーリー展開は絞り気味に。ただ物語として「ただイチャイチャしてた」だけでは締まりませんから、その辺りは……将来の自分に期待です!
そして3話
上のグラフ通り、1話2話で7,000字弱。2万字辺りまで(≒6話)には歩夢と京夏にも登場してもらわないといけない=学校生活が始まるわけですから
- 6話=京夏登場
- 5話=歩夢登場
- 4話=登校初日(=聡志登場)
と考えると、3話は圭太と琴美の話になります。本格的なイチャイチャ……はまだ先ですが(語彙力が)始めて二人が同居する辺りで、ちょっとした楽しい展開にしたいところです。
ここでちょっと手が止まっていて
- 入学前に新生活に向けた買い出しなどで擬似デート的な展開
- 同居する部屋の説明などを入れながら、部屋の中でドギマギする二人
という2つの展開で悩んでいます。というか、ふたつ書きました。
「ふぅ~、これで全部かな。ありがと、圭ちゃん」
段ボール箱を床に置いた琴美が、額の汗を拭いながらニコッと笑った。その眩しい笑顔に思わず俺は、思わず「お、おぅ」となんとも微妙な返事をしてしまう。「じゃ、後でね」ドアが閉まると、俺は腹の底からため息をついた。
勢いで了承したものの、本当によかったのだろうかという問が頭の中を行ったり来たりしている。そんな往復運動のような思考に中に、親父の言葉が割り込んでくる。『一度言ったことは覆すな』いやまぁ、そりゃそうなんだけどさぁ……。
はぁぁぁ、と自分の優柔不断っぷりにもう一度深くため息。
とりあえず荷物を整理しよう。手を動かせば、気分も変わるかもしれないし。と言っても、荷物は少ない。バラバラにして持ってきたベッドと机を組み立てると、後は小物が多少あるくらいだ。必要なものはその都度買うつもりだったんだけど、琴美が実家から持ってきた冷蔵庫や洗濯機があるし、叔父さんがカーテンやら照明器具はそのまんまにしてくれてたお陰で、もういるものはないんじゃないかと思えるほどだ。
それはそうと琴美の荷物。凄い量だったなぁ。ダンボール何箱あったんだ、あれ。キッチンに積まれたものを部屋に運び込むだけで、汗びっしょりになったんだけど。
「風呂でも入るか」
タオルと着替えを持って部屋を出る。まだ夕方だというのに、キッチンは日当たりが悪く既に薄暗い。先程琴美と話をした日当たりの良い部屋は琴美が使うことになった。で、隣になる俺の部屋は、似たような作りだけど窓はひとつ。ベランダで琴美の部屋と繋がっている格好だ。
ま、俺はどっちでもいいし、琴美が好きな方を選べばチラッと琴美の部屋に視線を向けると、中からなにやらゴソゴソという音と「あれぇ、どこやったっけなぁ」とブツブツ言っている声。まぁ、あれだけ荷物が多ければそうなるよな……。
別に悪いことをしてるわけじゃないんだけど、無意識に足音を忍ばせながらキッチンを横切り左手にあるバスルームへ。いわゆるユニットバスじゃなくて、ちゃんと分かれているのは本当によかった。
「と、とりあえず荷物片付けなきゃ……ね」
「あ、うん。あぁ」
琴美のどこか気恥ずかしそうなぎこちない声に、同じようにぎこちなく答える。いくら幼馴染ったって、3年ぶりなんだし。お互いそこそこ異性を意識する年になったんだし。多少はぎくしゃくするのも仕方がないってもんだ。
でも琴美の言う通り、何か手を動かせば気分も変わるかもしれないし、この微妙な空気も変わるかもしれない。よし、やるか! 手始めに……キッチンの真ん中に陣取っている大物。琴美の持ってきた冷蔵庫と洗濯機。これをどうにかしたいところ。
幸いなことに冷蔵庫は、引っ越し屋のお兄さんが設置場所近くに置いてくれてお陰で、少しずらすだけで設置完了。問題はもうひとつの大物家電である洗濯機だ。琴美が「私も持つよ」と隣に立つ。同時にふわっとなんとも言えないいい香りが。
慌てて「大丈夫! 俺ひとりでなんとかなるから!!」と両手を洗濯機にかける。ふぅ、なんだよこれ。なんでそんなにいい匂いがするんだよ。妹の小依とは違う、不思議な感じ。これが女の子の香りってヤツなのか……。
って、待て待て。なに発情してるんだ、俺。しっかりしろ、初日からこんな調子じゃ先が思いやられるぞ。洗濯機にかけた手に力を込める。ふんっ、と持ち上げると思ってたよりも軽い。これならいけそうだ。「ほんとに大丈夫?」心配そうな琴美に「いい、いけるいける」と一歩、二歩、三歩……。
冒頭だけなんですけどね。
案1は荷物の整理はぶっ飛ばして、とっととお風呂イベントから翌日のエピソードに持っていく話。
案2は荷物整理などをしながら部屋の間取りや雰囲気を伝えつつ、圭太と琴美のやり取りをメインに据えていく話。
初めは案1を書いていたんですが、あまりにも性急すぎる気がしてきたんですよ。高校で一人暮らし、新生活、同棲。そういうのは後々でも書いていくことにはなるのですが、まず最初にしっかり書いておかないと「どういう話なのか?」が上手く伝わらないんじゃないかな、と。
というわけで、今は案2で進めています。久しぶりに再会した幼馴染に、良いところを見せようとして上手くいかないという部分で面白さが出ればなぁと思っているのですが……。
まとめ
そんな感じで今回は終わりです。
次もこのような感じで、書き進めた部分や直した部分などを公開しながらになると思います。別記事にも書きましたが、どうやら相当急がないとコンテストには間に合いそうにないので、ちょっとペースを上げていきたいところ。
ですから、ブログ記事化するのはちょっと遅れるかもしれません。
ディスカッション
コメント一覧
エロースが足りません。エロース成分が足りないラブコメは、他で売りを作らないといけません。
キャラクターを個性的にするのは、良いと思います。但し、『現実の世界だと個性的』くらいではダメです。小説の中では、埋もれてしまう可能性大です。
「現実には、こんなヤツいね〜よ!」
というくらいぶっ飛んでないと、読者の印象には残らないと思います。
『物書きたちはゆずらない』の遼太郎くんでも、ぶっ飛んでいるまでは行ってないと思います。さらに個性が必要です。
キャラクターがぶっ飛んでいるわけではないけれど、展開が気になって読みに来るというのはあると思います。
カクヨムで私がフォローしている作家さんでは、綾束 乙(あやつか きのと)さんが、エロースのないラブコメを書かれています。『じれじれもだもだのすれ違い』ラブコメで、特徴としては『砂糖だばだば大量投入の激甘』ラブコメと言えるでしょう。
カクヨムコンにも参戦されていて、読者選考突破の有力候補のひとりです。というか、たぶん突破するんじゃないかな?
しろもじ先生がカクヨムコンで読者選考を突破しようと考えたときにネックになるのは、カクヨム内での知名度の低さだと思います。
しろもじ先生の作品は、『面白い割には読まれていない』印象があって、その理由は、最近のしろもじ先生がカクヨム内で、あまり交流をされていないからだと考えます。
私は作品とか作家フォローする基準として、『応援コメント』を重視していて、きちんとした応援コメントをする方の作品はハズレがないと考えています。
で、しろもじ先生はというと、Han Lu先生か私のところでしか見ないな〜、と★
今回のカクヨムコンは、長編と短編を合わせると既に5000を超える作品が参加されています。その中でしろもじ先生が出しても埋もれてしまう可能性が高いと思います。実にもったいない!
今からでも出来る、少しでも読まれる確率を上げる方法を考えてみましょう。
①タイトル、タグ、概要にこだわる。
あっ、これ面白そう♪ そう思わせないとダメです。
②第1話で読者のハートを鷲摑みにする。
第1話を読んで、続きを読むかどうかを決めるタイプの人が一定割合います。失礼を承知で申し上げますと、今回掲載の第1話では弱いです。
私なら、冒頭で琴美ちゃんがお風呂に入ってうつらうつらしてるところに、圭太くんを突入させます。どこかのサイトで見た冒頭に裸を転がせというヤツです♡
レイティングを『性描写あり』にして、第1話にエロースぶっ込んでおけば、それだけで続きを読みに来てくれる人がいると思います。但し、それだけでは差別化は出来ないとも思います。
③カクヨムコン参加作品をフォローし、読んで応援し、応援コメントも書く。
いわゆる営業活動です。作品フォローしただけで読みに来てくれる人もいます。いろんな人のところで名前を見かけると、親近感が湧いて、『この人の作品読んでみよう』という気になります。私がフォローしてる作家様の大半が、応援コメント欄で見て親近感を持った方々です。
④応援コメントをもらったら、なるべく早く返事をする。
返事をくれない人のところには、読みに行く頻度が落ちます。人によっては続きを読みに来なくなるかもしれません。
⑤連載開始後はなるべく毎日投稿する。
間隔が開くと読みに来なくなる人もいますし。
しろもじ先生の作品は面白いと思うのですが、それだけでは、読者選考を突破するのは困難です。まずはしろもじ先生の看板をあちこち立てるつもりで、フォローとか応援をしてみてはいかがでしょうか? あちこちで名前を見かける方は、書く方でも人気がある方が多いです。
読者選考を嫌う方も多いですけれど、面白くもない作品が賞を取ることは絶対にありません。
作品が面白いというのが大前提で、あとはいかに多くの読者に読まれるか、それが大切だと存じます。取り敢えず、読者選考突破を目標に頑張って下さい♡
遅くなりましたが、バイクの免許取得とブログの開設、おめでとうございます♡
ただ、1月末までは、カクヨムコンに集中してもらいたいなと思っています。
ゆきさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
なかなか率直なご意見に、日曜の朝から早速「しろもじのライフはもう0よ」な状態なのですが、頑張って反論(という名の「言い訳」)を書いてみたいと思います。
まず「エロース問題」「キャラ薄い問題」は承知しております。
その上で敢えてこうしている部分があるんです。キャラは本文中に書いたように「魅力あるもの」にしたいとは思ってるんですよね。
その解決策として「現実にはいないよ」というくらいの強烈なインパクトを持ったキャラクタを登場させるというのは、確かにあるんだろうなぁと感じています。
でも、個人的には「最近のウェブ小説は、ちょっと濃すぎる」とも思っています。出てきた瞬間奇声を上げちゃう芸人は、確かに記憶に残りますしインパクトもあります。
ただそれだけなんですよね。
自分自身確証があるわけじゃないのですが、インパクトがある=魅力的というわけではないと思います。
これまでの小説もそうですが、奇をてらわない形でどれだけキャラクタを魅力的にできるのか、という部分は私が大切にしている箇所なのかもしれません。
また身も蓋もないことを言ってしまうと「そういうのを私ができるのか?」という問題もあります。
前述の例で言えば「すべっちゃう芸人」になってしまう可能性大です。
この辺りはエロも同様ですね。一応4話に類似の展開があるのですが、ここでの「面白さ」は別のものを目指しています。
んで、タイトル、第1話についてはまさにご指摘どおりだと感じています。
キャラは別としても、確かに1話はちょっと弱いかなぁと。
自分が小説を読むときに「小説を1話途中でやめちゃうもの」と「気づくと5話くらいまで進んでいるもの」があって、その違いってなんだろうと考えたことがあるんですよ。
もちろん1話のインパクトは大切なんですよね。
ただ大した展開もないのに、いつの間にかズルズル読んでしまっていたという小説も確かにあります。
そこはもう「文章」というスキルが必要になってくるわけですが、そういうのを書きたいなという思いはあります。どっちもできていませんけどね。
あとは……営業ですか。
これ、前にも記事で書いたし今度また書こうと思っていたんですが、私は「営業としての読書」はしません。
私がこれまでカクヨムでコメントやレビューを書いた方って、多分3,4人程度くらいです。
読んだことがある方はもう少しいます。
ゆきさんのコメントで唯一胸を張って反論できるのは
>きちんとした応援コメントをする方の作品はハズレがないと考えています。
この部分です。これは明らかに違います。どっちの意味でも違うと思います。
交流と営業は紙一重です。
たとえ話ですが、私がカクヨムコンに応募して100名の小説家の作品をフォロー、応援、コメント、レビューしたとします。
多ければその半分、少なくても2割り程度の方が「お返し」として私の作品に同様のことをして下さると思います。
300名ほどに行えば、最低でも60人くらいからレビューが付くという計算ができますから、平均2としても120星の獲得が見込めます。
ゆきさんのおっしゃりたいことがそういうことじゃないことは分かっています。でもその線引が難しい以上、私はしたくないなと思っているんです。
自分がやられても嫌だし。
個人的には、読者選考は全然ダメだと思ってるんですよ(それは長くなるのでまた記事にします)。
でね「甘ったるいこと言ってるんじゃないぞ、しろもじ。そんなのでWeb小説コンテストを突破できると思ってるんか?」という話になります。
できないですよね。
ゆきさんのおっしゃっていることは至極真っ当です。恐らく多くのカクヨム投稿者の方が、同じように感じているのではないかと推測しています。
でもね。私は違う道を行きたいんですよ。
たくさんの人に読んで欲しい。
面白いと思って欲しい。
カクヨムコンや他のコンテストでいい成績を残したい。
できれば書籍化したいし、なんならアニメ化だって映画化だってして、ウハウハしたい。
そういう願望がないわけじゃないんです。
それでも自分は自分の道を歩みたいと思うんですよね(惚れる箇所です)。
ブログに「小説を読まれるためには、たくさんの方の小説をフォローしたりレビューしたりしましょう」とは書きたくないんです。
甘いの重々承知です。
ズレているのもうっすら分かっています(カツラの話じゃありません)。
でもまぁ、ゆきさんには感謝しております。
なかなかこうやってちゃんと言ってくれる人っていないですからね。
自分に「それじゃダメだよ」とはっきり言ってくれる方は、大切にしたいと思っています。
本当に反論ぽくなったのはごめんなさい。
バイクの件、ありがとうございます。
あ、肝心のカクヨムコンなのですが、これもう間に合わないんじゃないかと思っています。
今日のブログ記事でその辺りを詳しく書くつもりなので、お暇があったらお読み下さると幸いです。