過程を公開しながら小説を書く【第3回:キャラクタについて考える①】
本記事は「小説を1本書いていく過程を公開する」というものになり、今回は3回目になります。
第1回:ボツにした小説を振り返る
第2回:大まかな構想を考える
第1回目では書きかけのラブコメものの小説のダメ出しをやって、第2回目ではそれを基に新しい小説の枠組みをふんわりと考えました。
現時点では
- 舞台は現代、ジャンルはラブコメ
- 物語の流れは王道の「シンデレラ曲線」に則ったものにする
- 最もウリにするべきは「コメディ要素」
- 主人公は不本意ながら同棲生活を強いられる高校生
- 二人は同じ中学だったが、ほとんど面識はない(お互いに興味がない)
- 「興味がない」→「お互いに苦手なところがあり少し関係が悪化する」→「互いの良いところを認識して、徐々に惹かれていく」→「他の異性との関係で誤解が生じ、二人の仲が悪化する」→「誤解が解けハッピーエンド」
という部分までざっくり考えました。
今回はそれを踏まえた上で、キャラクタについて考えていきたいと思います。
登場するキャラクタの概要を考える
一口にキャラクタと言っても、主人公・サブキャラクタ・モブキャラクタなど色々な種類がありますし、キャラクタの性格やよく取りがちな行動、言動など色々な要素がありますよね。
1回で全てを決めきるのはなかなか難しいものです。
キャラクタを作るという行程には色々なやり方があると思いますが、私が最近やっているのが「そのキャラクタのショートストーリーを作る」というものです。
これは特にオチがあるわけでもなく、ストーリーがあるわけでもないような話でもいいので、とにかくそのキャラクターが出てくる話を延々と作っていくことを繰り返すことで、段々キャラクタが固まってくる……というものです。
よく創作の方法について書かれた書籍やウェブページなどでも同様の方法は推奨されていたりして、中には「短編をいくつか作る」というのもありますが、私はもっと気楽に「どーでもいいような話」を延々と作っていくような感じでやっています。
などとエラソーなことを書きましたが、実際にはそれほど緻密にやっているわけではなく「頭の中でキャラクタを動かして遊んでいる」だけだったりします。
カクヨムに連載中の『きみとぼくのダンジョン再建記』は何度も書いたように即興小説なので、それをリアルタイムにやっていたわけですが、途中くらいからは「キャラ固め」のために同じようなことをやったりしてたんですよね。
具体的にどんな妄想をしていたのかは思い出せないのですが、例えばスーパーに買物に行ったときなどに
アルエル「あ、バルバトスさま。お肉! お肉が特売です!!」
バルバトス「お、確かにこれはオトクだなっ……って、ダメだって今月お財布ピンチなんだから」
アルエル「えー。でも、最近お野菜ばっかりじゃないですか。たまにはお肉も食べないと、みんな元気でないと思いますよ?」
バルバトス「ダメでーす! そもそもさ、アルエルが通販とかで要らないものばかり買うから、お金がなくなるんでしょ? 魔導の杖のレプリカ、あれを質に入れる? それでお肉買う?」
アルエル「あっ、お野菜も美味しそうです〜」
バルバトス「お前なぁ……」
※本作をお読みになられていない方のために補足しておきますと、バルバトスはダンジョンマスター、アルエルはその配下のダークエルフです。
というような、どうでもいいようなやり取りを繰り返していくような感じです。
相関図やお互いの呼び合い方の一覧や、過去の履歴書のようなものを緻密に作っていくやり方もあり、その方がより具体的にブレのないキャラクタを作ることができると思うのですが、個人的にはそういう作業はテンションが上がらないので、こういうやり方に現在は落ち着いています。
今回はその前段階「登場するキャラクタの一覧」を考えてみます。
どういうキャラクタが登場するのかを決めておかないと、脳内シミュレーションも行えませんからね。
あるキャラクタの妄想をしているときに、別のキャラクタが登場することもありますが、それはそのときのことにしておきます(適当ですが)。
まず主人公。
これは男の子にしました。
ラブコメというジャンルですから、メインに読んでもらいたいのは男性になります。
名前はボツ小説から引き継ぎ「新田 圭太(にった けいた)」としました。
名前はいつも苦労します……本当に。
恐らくキャラクタの名前を小説内で初めて聞いたとき、多くの人は「自分の知っている人」を想像するのではないでしょうか?
友達の名前かもしれませんし、家族にいるかもしれません。
私が思う「けいた」と、あなたが思う「けいた」のイメージは違うと思います。
なので、あまり考えすぎても意味がないのでは、と思ったりもします。
ただ有名人などは「補正がかかりすぎる」気もしますので、できるだけ避けるようにはしていますが。
女の子も同様に「山手 琴美(やまて ことみ)」を引き継ぎます。
ふたりの主となる性格は、やはりメインに読んで欲しい層(男性)を考慮し
圭太 : 真面目・考え過ぎ・暗い・内向的
琴美 : 大雑把・前向き・明るい・社交的
というふうにしようと思います。
「やがて惹かれ合うふたり」の性格は、同じようなものよりある程度逆のものの方がより良いように思いました。
この辺りは悩むところなんですが、創作ものということもあり似たもの同士よりも違いがあった方が面白そうかな……と思うんですがどうでしょう?
圭太の「暗い」は根暗という意味合いではなく「あまり人と関わらない」というイメージですかね。
「他人と関わらない」≒「他人に興味がない」→「自己中心的である」というのが彼の悩み。
本当はそんなことはないのですが本人はそうだと思っていて、直したいとも思っている。琴美と接している内に「人と交流する楽しさ」に気づく……というのはボツ小説の設定ですが、うーん、コメディでこの要素を入れるのが良いのかどうかは、まだ良く分かりません。
ま、その辺りは明日以降の私がなんとかしてくれるでしょう(笑)。
圭太と琴美。
圭太には一人だけ話せる友人(男)がいる。
琴美は部活(何にしようか?)に入っており、それ以外にも友達は多数。メインとなるのは部活仲間の二人と、クラスメイト一人。
あ、それと前回先送りしていた「圭太と琴美が同居する理由」ですが
圭太には叔父(圭太父の兄)がいる。叔父さんは会社勤めの傍らアパート経営もしており、8部屋あるひとつに自分が住んで管理人もしていた。
圭太が高校進学する前、叔父海外転勤になってアパートの一室が空き家になってしまう。
叔父さんから「最低限の管理だけでいいから」と頼まれて、ちょうど一人暮らしに憧れていた圭太は両親を説得しアパートに住むことになった。
一方、琴美は高校進学が決まった後、父親の会社が東京に進出することになり、母もそれについて行くことになった。
琴美は一人暮らしするために近所のアパートを探し入居することになったのだが、引越し当日にその部屋が圭太の部屋と同じものだということが発覚する。
という感じで行こうかと思っています。やや強引ですが(笑)。
なので、叔父さんも登場人物として(冒頭やもしかしたら途中でも)出てくることになります。
叔父さんは「自分の出ていく部屋を不動産屋さんに空き部屋として登録したものの、それを忘れて圭太に住めと言う」性格から、大雑把な人間という設定ですね。
この辺りは、叔父の弟である圭太の父も同じで、圭太はそういう人たちを見て「ああはならないようにしよう」と真面目な性格になったという感じでしょうか。
ラノベやアニメなどでは、高校生主人公の両親は登場しないのが最近のセオリーになりつつありますが、本作ではあくまでもスパイス的に登場してもらうようにしようかなと思っています。
よって登場人物は
- 圭太
- 琴美
- 圭太の友人
- 琴美の部活仲間A
- 琴美の部活仲間B
- 琴美のクラスメイト
をメインとして
- 圭太の父・母
- 琴美の父・母
- 圭太の叔父
- 学校の先生
という感じでいいのかなぁ……。
12、3万字程度のお話になりますので、メイン6人もいれば十分でしょう。
それぞれを深く掘り下げるのであれば6人は多い気がしますが、今回はあくまでもメインは二人であって友達やクラスメイトはサブキャラなので、ちょうどいい感じ……じゃないかと思っています。
まとめ
今回もあまり進展しませんでしたが、ここで一旦終わりにします。
次回までに文中でも書いた「キャラクタイメージのためのストーリー」を考えてみたいと思います。
今回は公開しているので頭の中だけでなく、実際に文章にしてみようかなと。
ちょっとハードルを上げすぎた感もなきにしもあらずですが……大丈夫かな(笑)。
それでは、今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
ディスカッション
コメント一覧
家族編集部の長男もけいた君(啓太君)でしたよ?
けいた君好きね♡
ところで、アルエルちゃんとバルバトス様のエピソード、作中に似たようなシーンありましたよね?
ところで、ヒロインの名前山手琴美ちゃんですが、確か将棋の女流棋士に『山根ことみ』さんて方がいたと思います。読みが1字違いだっ!
ま、名前変える必要はないと思います。
うー、やはりそこ突っ込まれますか(笑)。
この小説のボツにしたやつ書いてたときは気づいてなくて、ゆきさんが家族編集部にコメントを頂いたときに「あれ?」と気づいたんです(笑)。
別にけいたくんに思い入れがあるわけじゃないんですよ。語呂がいいから……かな?
ことみさんは一字違いでしたか。一応ググって確認はしているのですが、ちょっと危なかったですね(?)