おカネの教室【高井浩章 |KDP】
今回の「読んでレビュー」は、Kindle Direct Publishing(KDP)より個人出版されている作品を取り上げたいと思います。
小説ではなく、いわゆる実用書。それも「お金」の話を扱った本です。
似たような本では「金持ち父さん貧乏父さん」が有名ですよね。
この本が出てから、似たような本がたくさん出版されました。
言っていることは「投資しろ」ってことです。昔ながらの「額に汗して」という働き方ではなく、金が金を生むような働き方をしなさいって話ですね。
価値観の問題があるので、当然好き嫌いはある話です。
まぁ個人的には間違っている話ではないと思います。
特に「資源もない、人口も減っている」日本という国で生きていくためには、昔ながらの働き方さえしていれば、必ず(金銭的に)幸せになれますよ、という保証もないわけですから、こういう考え方で「賢く」生きているのも必要なのでしょう。
ただ、金が金を生むということは、金が金を殺すこともあるわけで。
投資っていうのは、儲かる人がいれば、必ず損をする人がいなければ成り立たないわけですから、万人に勧めて良いものか? という危うさはあります。
「虚業だ」と否定することは流石に間違っていますが、それ以外の仕事を「賢くないよ」って言い切るには、まだ時代が追いついていない気がします。
後100年位して、AIやロボットたちが全ての生産を担ってくれるようになって、人間がほとんど働かなくても世の中が回っていく世界になれば、そういう考え方が主流、というかそういう考え方でしか生きていけなくなるのだと思いますけどね。
ま、私もあなたも、もうとっくに死んでいます(笑)。
さて、話を戻しましょう。
とは言え、現代で生きていくには、お金の話をすることがどんなに「汚いことだ」と言っても、結局お金がないと何もできないのが現状です。
本書は「お金」を扱った本です。
しかし、他の本とは違い「お金とは何か? 稼ぐとは何か?」について、深く考察されているのが特徴です。
ノウハウ本ではなく、題名の通り「おカネの教室」、おカネについて勉強しましょうという内容です。
本書を通して考えるのは「お金を手に入れる6つの方法」です。
- かせぐ
- もらう
- ぬすむ
- かりる
- ふやす
- ???
最後は、どうぞ本書を最後まで読んで確かめてみて下さい。
本書に書かれている「お金の概念」は、ネットを調べれば、あちらこちらに書かれていることだったりします。
しかし特筆すべき点は、それを「通して解説している点」と「分かりやすく解説している点」です。
また、本書は「のだ、である」調で書かれた解説本ではありません。
小説のような物語となって進みます。
Amazonレビューには、その方法が向かなかった方もいらっしゃるようでしたが、この辺は好みですね。
登場人物は2mはあろうかという巨体の先生「カイシュウさん」と、「サッチョウさん」「ビャッコさん」という小学生のふたりの生徒。
名前はもちろんあだ名です(笑)。
サッチョウさんとビャッコさんは、小学校の「そろばん勘定クラブ」というクラブに入り、そこでカイシュウさんと知り合います。
カイシュウさんは、始め非常にミステリアスな先生として描かれていますが、徐々に背景が明らかになるにつれ、この授業の目的が明らかになっていきます。
会話がメインとなって書かれているので、文章苦手という方でもスラスラ読める作風になっています。
本書で扱っている話題は、サラリーマンや銀行家、売春婦や軍人。更には最近話題の仮想通貨に至るまで、様々です。
それらの話題を通して「お金とは何か?」というのを考えさせられます。
大人が読んでも十分楽しめますが、できれば子供にこそ読んで欲しい本ですね。
もしくは、大人が読んで、子供に聞かせたい話と言ってもいいでしょう。
現実問題として「お金を増やしたい」のであれば、別の教養本を読まれるのが良いかと思いますが、そうでない方なら一度は目を通してみると勉強になると思いますよ。
本書はAmazon Kindleのみの本ですので、紙バージョンはありません。
その分100円という低価格になっていますし、Kindle Unlimitedなら読み放題で読むことができます。
【追記】現時点ではKindle Unlimitedから外れ、紙書籍とKindle版の販売に変わっています。
デバイスとしてのKindleをお持ちでない方でも、スマホアプリやPC版アプリも無料で配布されています。
また、Kindle Unlimitedは月額980円で指定の本が読み放題になるサービスです。
ただ、Amazonで売っている本が全て読み放題になるわけではありません。
前は収録冊数が表示されていたんですが、今は分からなくなってしまったんで、ちょっと何冊あるのかは分かりませんが、そこそこ多いかなと思っています。
ですので、万人におすすめできるサービスではないかもしれませんが、本好きなら入っておいて損はないサービスかと思います。
一番のメリットは、Kindle Unlimitedの一覧で探したタイトルなら、なんの抵抗もなくダウンロードできますし、少し読んで面白くなかったら、別のタイトルをすぐに探すことが出来る点ですね。
面白そうなのを端からババーっと読んでいけるのは、良いですよね。
普通に買おうとなると「あ、結構高いな」とか値段を気にしちゃいますが、Unlimitedならそんな煩わしさはありませんからね。
小説系は有名なのは流石にないです。というかKindle化さえしてないのも多いけど。
マンガ・ラノベは1巻のみ読み放題となっているケースが非常に多いです。
まぁ試し読みだと思えば、悪くはないかもしれません。
基本的に読み放題になったり、外れたりというのもあるので、その時によります。逆に言えば新着もそこそこ入ってきているので、飽きることはないですけどね。
Kindle Unlimitedに入ったからと言って、紙の本を買わなくなることはありませんが、本を読むと言う手段がより敷居が下がる感じです。
本好きならぜひ。
30日間無料体験もありますからね。
最後でお付き合い頂きまして、ありがとうございました!
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