小説のタイトルと芯の話|『きみとぼくのダンジョン再建記』第83話投稿のお知らせ

小説投稿記カクヨム

こんばんは、しろもじです。

『きみとぼくのダンジョン再建記』83話「お前は分かっていない」をカクヨムに投稿しました。

何度も書いていることですが、この小説は即興小説として書き始めました。ここでいう即興小説とは「プロットがない」を指し示しています。

一番最初は確か1話から3話辺りの「ダンジョンにひとりの冒険者(?)がやって来る」というイメージだけで書き始めた、と記憶しています。「ちゃんとダンジョンを攻略して欲しいダンジョンマスター(魔王)」と「それを無視してしまう冒険者」というのが面白いかなぁと(個人的には)思ってました。

プロットは相変わらず作っていないのですが「少し先のこと」を考え始めたのは10話を過ぎた頃からだったと思います。もちろん83話と終盤になりかけた今では「この後起こること」くらいは考えています(当たり前ですが)。

で、この前頂いたコメントなどを見ていて、前から思ってはいたのですが改めて感じたことがあります。それが「この話のメインは何なのか? がズレてない?」という話です。

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小説のタイトルと芯の話

改めて言うまでもありませんが、小説にとってタイトルとは「その話がどんなものかを表す大切なもの」ですよね。紙や電子の書籍とWebで連載形式で投稿される小説との大きな違いは「書籍は買ったら最後まで読んでもらえる」のですが「Web小説はそうではない」という点です。

まぁ書籍でも途中で放り出すことはあったりするのですが、多くの場合は「せっかく買ったから」という理由で最後まで読むことが多いのだと思います。なので、書籍の場合は多少抽象的なタイトルでもOKだったりするんですよね。

一方でWeb小説はそうはいきません。タイトルやあらすじなどが読むか読まれないかの最も重要な要素だといっても過言ではないですよね。もちろんそれ以外にも「表紙」だったり「帯」だったりと、書籍とWeb小説の違いはあります。

いずれにしてもWeb小説の場合は、タイトルがとても大切であるということは間違いなさそうです。

……なんてことをドヤ顔で書いたりしているわけですが、この点が私の最も至らない点であると反省しているんですよね。例えば『きみとぼくのダンジョン再建記』というタイトル。このタイトルの良し悪しは別として、このタイトルから読み取れそうなのは

  • 「ぼく」からは主人公が男であること
  • となると「きみ」はヒロインである可能性があること
  • 「ダンジョンもの」であるということ
  • 「再建期」からは、徐々にダンジョンを良くしていくお仕事的、成り上がり的な要素がありそうなこと

などでしょうか?

そもそも10話辺り書いた頃は、確かにそういう話だろうと思っていたんですよね。だからそういうタイトルにしたわけですが、なぜか今ではダンジョン再建などの話ではなくなってしまいました(ないとは言いませんが少ない)。

先月からここで連載している「過程を公開しながら小説を書くシリーズ」のどこかにも書きましたが「この小説はここが面白いですよ!」とアピールできるものを外してはいけないわけですよね。それがタイトルでありあらすじだったりキャッチコピーだったりするわけで、上手な方の小説を読んでいるとそれがきちんとできています。

一方で、私の小説ではそれができていない。

『きみとぼくのダンジョン再建期』の面白さは「寂れてしまったダンジョンに新しい仲間が集まっていき、段々と最強ダンジョンへの道を登っていく」というものではないか、と。自分の小説なのでまだあまり客観的に見ることができないのですが、そうじゃないかなぁと思うわけです。

もちろん週間漫画なんかだと「あれ、そういう漫画だったっけ?」みたいな展開もなきにしもあらずですが、でも芯の部分だけは変わってないことが多いですよね。バトルものであればバトルは外さないし、恋愛ものでも推理ものでもそうです。

以前投稿サイトで他の作者さんに「書く前にタイトルは決めている」と伺ったことがあります。これ、私の場合は「書いている途中で決めている」んですよね。正確には最後まで書き切って投稿することはないので「投稿段階になって慌てて決めている」という感じ。

それが「この話はこれが面白いんだ!」というのが、自分自身で分かってない証拠なのかもしれません。ラーメンで言えば「豚骨スープに『味噌も美味しいよね』と入れちゃう」みたいな感じかも(いや、それも美味しいのかもしれませんが)。

あまり自虐的な話ばかりだと悲しくなるので、どうすればよかったのかを考えてみると「現在最新話辺りでやっている大きな話は悪くはない。だけどそこに至る前にやるべきことがあったはず」というのが結論です。

再建ものということで考えてみると、もっと仲間は増やした方がよかったかもしれませんし、ライバル(他のダンジョン)の存在は必要だったでしょう(小説家になろう版では、その辺りを少しだけ改善したのですが)。

その辺りが次回作(多分、Webに公開する分では「過程を公開しながら小説を書くシリーズ」の小説になります)の課題と言えそうです。

『きみとぼくのダンジョン再建記』はひとまず最後までやりきって、余力があれば再編集版(設定などはそのままにストーリーを変える)として書き直したいなぁと思ったりしています。その場合は、ブログのネタとして書き直すという意味合いになるかとは思いますが。