iPad Pro11にiPadOSを入れてみた【ファーストインプレッション】
日本時間の2019年9月25日未明から配信されたiPad専用の(というよりiPad用にチューニングされた)OSである「iPadOS」。先日発表された10.2インチiPadにもSmartKeyboardが付くようになったことから、AppleがiPadをノートPCライクにしていこうという姿勢が見て取れ、今回のiPadOSはそのソフトウェア的な施策とも言えそうです。
というわけで、早速iPadOSをインストールしてみましたので、ざっくり使ってみた感想を書いていきます。
よりiPhoneと統一されたインターフェイス
ダウンロード&インストールは設定Appから行えます。ダウンロードは10分程度、インストールはおおよそ20分程度の合計30分ほど(朝の準備をしながらほったらかしにしていたので、正確な時間は不明ですが)で完了しました。
起動直後の縦画面表示です。これだけでいえばそれほど変わった印象はないですね。

そして横画面。ホーム画面を右にスワイプすると、左にウィジェットなどが表示れます。初回は赤枠で囲まれた部分が表示され「ホーム画面に追加」をタップすると、以降ホームの左に常に表示されるようになります。

この設定は設定Appから「画面表示と明るさ」を選び、下の方にある「ホーム画面のレイアウト」から変えることができます。また画像にあるように、アイコンの大きさも変えることができるようになっています。「多く」ではほぼiPhoneと同じ大きさに「大きく」では従来のiPadと同じような大きさになります。

ただウィジェットが表示されているホームではアイコン間が狭まって表示されるのですが、2ページ目以降ではちょっとスカスカ感があるので、この辺りも統一するか設定できるようになればなぁと思いました。
ちなみにiPadOSにアップデートした直後にも関わらず、設定アプリにバッジが表示されてたのですが、これはApple Payの設定のようでした。セキュリティコードを入力しないといけないようになっていたのですけど、iPadでApple Payは使わないんですよね。

どうしたらバッジが消えるのかなぁと思って色々やってみたところ、一旦Apple Payの設定に入ってから左上に表示された「キャンセル(だったと思う)」をタップしたら消えました。
Dock周りはあんまり変わっていない感じでしょうか。ちなみに下の画像が最も多く格納できたもので、13個+最近使ったもの3つですね。

SafariはPCサイト表示が標準になった
最も期待していたもののひとつであるSafari。PCサイト表示がデフォルトになったということで、早速このサイトを表示させてみました。

……前はどう表示されてたっけ……?
URLバーの左にある「AA」というアイコンをタップすると、Webサイトの表示に関する設定を変えることができるようです。ここに「モバイル用Webサイトを表示」とありますので、今表示されているのはPCサイトということでよさそう。

そして今までは簡易的にしかできなかった同一AppのSplit View表示。

ちゃんと7:3(くらい)の表示もできました。このくらいの表示にするとちょうどiPhoneと同じくらいの大きさになりますね。この右の方は「モバイル用サイト」で表示されていました。

Split ViewやSlide Overについては以下の記事にちょっとだけ書いています。
Slide Overだと画面下にホームボタンがないiPhoneと同様のホームバーが表示されています。これを左右にスワイプすることで、Slide Overの中身をグルグル入れ替えていくことができます。

この辺りはiPhoneライクに作られているようで、ホームバーをぐいっと上に上げるとSlide Overで立ち上がっているAppの一覧が表示され、それを上にスワイプすると終了という感じになります。
ただあくまでも「Slide Overで立ち上げたもの」に限りますので、バックグランドで立ち上げっぱなしになっているAppが表示されるわけではありません。ここはちょっとだけ面倒かもしれませんね。どうせなら全て表示してくれればいいのに。
フローティングキーボードは、ちょい打ちの人にはかなり便利そう
iPadOSのもうひとつの目玉であるフローティングキーボード。特にフリック入力ができるようになったのは、日本語入力ではありがたいことかもしれません。これを使うにはまず「設定App > 一般 >キーボード > キーボード」から「新しいキーボード」に進み「日本語ーかな」を追加します。
メモAppなどを立ち上げるとこのように普通のかなキーボードが表示されますが

右下のキーボードキーを長押しすると「フローティング」というのが出てきますので、そのまま指を滑らせてこれを選択すると

フローティングキーボードが出てきます! さらに地球儀のようなボタンを長押しし「日本語ーかな」を選ぶことで

みんな大好きフリック入力のキーボードが表示されます。

フローティングというだけあって、このキーボードは下のバーをドラッグするとどこにでも移動することができます。右下や左下におくことでフリック入力がしやすくなりますね。
またこのフローティングキーボードとフルキーボードを切り替えるには、キーボード上で2本指でピンチインするとフローティングキーボードに、ピンチアウトするとフルキーボードに切り替わります。こっちの方が簡単ですよね。
またテキストの選択は
- カーソルを指でドラッグするとカーソル移動
- テキスト上をドラッグすると選択(ちょっと押さえてから動かすといいみたい)
- 2回タップで単語、3回タップで文章、4回タップで段落を選択
- 三本指のピンチインでコピー、三本指のピンチアウトでペースト
という操作になったのですが……やっぱり使いにくいです。
この時点では「マウスなら快適かも」と思いました(後述)。ただ私の場合はSmartKeyboardを使っているので、キーボードで操作した方が早いかも。
人によるとは思いますが、小説やブログなど文章を多様する方であればSmartKeyboardを買った方がいいかもしれません。
まぁちょい打ちの方や、フリックの方が速いぜという方は不要ですけどね。
マウスの接続はBluetoothからではなくアクセシビリティから
肝心のマウス対応なのですが……。現在Mac miniで使っているMagicMouseを、Macでペアリング削除して繋ごうとしたのですけれど、なぜかiPad Proで認識されないという状態になってしまいました。
色々触っていたのですが、設定Appの「アクセシビリティ > タッチ > AssistiveTouch >デバイス」を見たところ「Magic MouseおよびMagic TrackpadはBluetooth接続には対応していません」という注意書きを発見。
おい、まじか。
というわけで、転がっていたELECOMの「M-BT12BR」というマウスを取り出して接続……しようとしたのですが、Bluetoothの一覧に出てきません。
調べてみるとBluetooth設定からではなく先程のアクセシビリティから行う模様。
「設定App > アクセシビリティ > タッチ > AssistiveTouch(をオン) > デバイス >Bluetoothデバイス」から「Bluetooth Opticlal Mouse(名称は異なるかも)」をタップすると接続できました。
使ってみた感想は……使いにくい……。
なんとなく思ってたのと違う感じです。考えてみれば元々タッチ操作前提のOSですから、あくまでもタッチ操作をマウスで行えるというだけのことです。そうか、そりゃそうだよね。
というわけで、前述したテキスト選択なども通常のPCのように「行頭クリックで選択したい文字列をドラッグで選択」というのはできません。長めにクリック(もしくはWクリック)→選択された文字列のハンドルをドラッグすることで、選択は可能なのですがちょっと面倒かも。手よりはやりやすいですけどね。
この辺りは好みにもよりますけど、個人的には「画面タッチの方が簡単」だと感じました。もしくはキーボードショートカットですね。画面には触りたくないんだ、という方はマウスの方が便利に感じるのでしょうか?
まとめ
書き忘れたのですが文字入力の際、iPadOSからようやく全角スペースが挿入できるようになりました。以前は半角スペースしかダメだったんですよね。プログラム系を触る人は余計なお世話かもしれませんが、テキスト打ちにとってはありがたい仕様変更です(といっても英字入力時には半角スペースになるので、よりPCライクになったというだけなんですが)。
ちなみにこの設定は設定Appの「一般 > キーボード」から「スマート全角スペース」という箇所でオンオフできるようになっています。
今回書いた以外にも変更点はたくさんあります。その辺りで便利そうなのがあったら、またご紹介したいなと思っています。
個人的には「思ってたより変わってない」という感想ですが、Slide Over周りのインターフェイスがiPhoneと同じようになったのが一番良かったかな、というのが現時点で思ったことですね。Appleの言うように「PCみたいに使えるのか?」ということについては、まだまだ微妙なところと言わざるを得ないかもしれません。
っていうか、そもそもPC(MacBook)のように使えるようになる必要があるのでしょうか? 商売的にはMSのSurface辺りを睨んでのことだというのは分かるのですが、iPadの利点はあくまでもタブレットとしての使い勝手にあると思いますので、あまりややこしくしすぎて利便性が落ちるのは困りますしね。
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