本題【西尾維新|講談社文庫】

2018年10月19日読んでレビュー, 教養講談社文庫, 西尾維新

こんばんは、しろもじです。

読んだ本を自分勝手にレビューする「読んでレビュー」。

今回取り上げるのはあの西尾維新氏の対談集である『本題』という本。

本屋さんに行くときは9割9部、何を買うのか決めずに行くのですが(逆に欲しい本はAmazonで買うことが多い)今回の本も「特に買うつもりもなくブラっと寄った際にたまたま見つけて手にとった」ものでした。

今回はネタバレ要素はありませんので、ご安心してお読み下さい。

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西尾維新は読まない

こんなことを書くとファンの方に怒られそうなのですが、そもそも私は西尾維新さんの本を買ったことがありません。

とは言え西尾維新作品に触れたことがないわけではなく『物語シリーズ』はアニメ版でだいたい観ました。

また、どこだったか忘れましたけど、同作品の一部を試し読みした覚えもあります。

 

そうした中で「面白い話を書く作家さんではあるけれど、わざわざ書籍を買って読まない」という、ぼやっとしたイメージになっていました。

こう書くと「アンチ西尾維新なのか」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。

同氏の作品があまりにも特徴的すぎて、読めばきっと自分の創作に与える影響が大きすぎるだろうと思っていたわけです。

 

それが良い方に転ぶ場合もありますが、往々にして悪い方へと転じてしまうことも多かったりします。

人間の脳に一度インプットされたものは、コンピュータのように簡単にデリートできるものではなく、必ず血となり肉となりどこかに影響が残ってしまうのは否めません。

それ自体は悪いことではなく「私は小説を読まない」という方であっても、その根底には周囲の人との会話であったり観たアニメ・映画・テレビなどであったりと、何らかの影響を受けているわけで、0から何かを創り出しているわけではありません。

しかしそれがあまりにも強すぎる場合、上手く言えないのですが「前の自分には戻れなさそうな感じ」がして、思わず躊躇してしまうんですよね。

 

長々と言い訳めいたことを書いてしまいましたが、そのような理由からなんとなくではありますが、西尾維新作品は避けてきたわけです。

ちなみに同氏のことは本書を読む前までは「好きでも嫌いでもない」という感じでした。

『物語シリーズ』は面白かったですけどね。

対談集ではあるが

本書は冒頭でもお話したように「西尾維新氏と著名人の対談集」になります。

対談のお相手は小林賢太郎氏、荒川弘氏、羽海野チカ氏、辻村深月氏、堀江敏幸氏の5名。

対談にも色々あって、インタビュアがいて会話を仕切る場合などもありますが、本書では(裏ではそういう方がいらっしゃったのかもしれませんが)直接の対談となっています。

 

それ故に対談相手により、主体が対談者になるのか西尾氏になるのか、それともバランスよくなっているのかがバラバラになってしまっています。

具体的にどの方とは申し上げませんが、中には「対談者のひとり語り」のようになっているものもあったりします。

この辺りが「西尾維新ファン」ならば不満に思われるかもしれません。

 

まぁそもそも50・50だとしても、本書の半分しか西尾氏が語っている部分はないわけで、残りは対談相手の話になりますから、単純計算でも西尾成分は50%未満ということになります。

逆に対談相手のファンの方であれば更にそれが薄まりますから、それ目的で買うとなるとやや微妙かもしれません。

とは言え、色々な創作者さんの話を聞ける機会というのもなかなかありませんから、そういう意味では一読しても無駄はないと思われます。

創作ハウツーではない

という訳で、本書は「西尾維新氏の創作の秘訣が分かる」わけでもなく「どうすればヒット作品を創ることができるのかが理解できる」わけでもありません。

無論、対談内容は創作に関連したことが多く記載されていまし、中には西尾維新氏の(本書発行当時の)仕事の進め方や、創作への姿勢、作品の裏話的なものも散りばめられてはいます。

しかし、前々から申し上げているように、そのようなものを読んで「あぁ、そうなんだ。じゃぁそうしてみよう」と思って真似をしても、決してうまくいきません。

これはいわゆる「自己啓発本」や「一部のウェブサイト」などにも当てはまることですが、一見「凄いっ!」と思えることでも、それをそのままモノマネして同じ結果が得られるわけがありません。

 

本書を読んで「西尾維新はそうやって書いているんだ。じゃ、私も」と思ったとしても、それは西尾維新氏の創り方であって私やあなたの創り方ではないわけで、例えてみれば「お魚は脳に良いらしい」と言いながら、お魚を頭に載せるようなものです。

お魚は食べなければ栄養素として取り込むことはできません。

同じように人のやっていることも「自分の中」にキチンと取り込まないと「お魚の匂いがする〜、ウフフ〜」みたいなことにしかなりません。

 

ですから本書は「創作者必見!」みたいなサブタイトルを付けるわけではなく「興味があれば一度読んでみるといいかも」という感じになります。

西尾氏と対談者の会話の中に、何か自分で消化しエネルギーに変換できるものが転がっているかもしれません。

もしかしたらただ「面白かった!」で終わるかもしれませんが、それでも何かは残るはずです。

 

今回は本の内容が内容だけに、あまり踏み込んだことは書けませんでしたが、西尾維新ファンの方なら読んでみるべきですし(とは言え、本書は2014年発行なので、ファンの方ならとっくの昔に既読のはずですが)そうでなくても、軽い感じで読み進めていくことができますので一度くらいは読んでおいてもよいのではないかと思われます。

 

ちなみに先程「西尾氏のことは、好きでも嫌いでもないんだからね!」と書きましたけど、本書を読んだ後はかなり好感度が上がりました。

今は「べっ、別にあんたのことなんか、好きじゃないんだからねっ!」くらいにはなりました(笑)。

いや、結構好きになってるじゃないか。

でも、本は読みません。

もうちょっとして自信が持てるようになったら、読むかもしれません。