「伏線と謎の回収」の話|『きみとぼくのダンジョン再建記』第87話投稿のお知らせ

小説投稿記カクヨム

こんばんは、しろもじです。

『きみとぼくのダンジョン再建記』第87話「何もいうな!」をカクヨムに投稿しました。

前にもお話ししましたが100話(付近)完結を目指しているわけで、そうなるとこの辺りがちょうど最後の山場といえるのかな、と思って書いています。実際には頂上というよりは「頂上が見えてきた」ところということで八合目くらいといった感じかも。

このあと、あれとあれがあれして、そしたらそれがあーなって、結果的にあれがそーなっちゃうから最後はこうなって終わり。

分かるか!(笑)

でもまぁ適当に書いたわけじゃないので、そういう感じなんです。

今まで書いた小説も「がっちりプロットを作って書いた」というよりは「ふんわりとだけ決めて見切り発車で書いた」のが多いわけですが、それにしても書き始めから「即興100%」な小説は今回が初めてです(前にも書きましたが『きみとぼく』は「バルバトスのダンジョンにキョーコが乗り込んでくる」というシーンだけから書き始めました)。

どの小説も同じだとは思いますが、特に即興系小説がラストに近づいてくると(書き手的に)ソワソワしてくるのが「伏線と謎の回収」です。

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伏線と謎の回収

まず伏線と謎の定義についてお話しておきましょう。

謎とは物語中で明確に提示されたもの。

伏線とは物語中でふわりと触れられた出来事。

であると、私は解釈しています(諸説あるかもしれません。ここではそう定義して話を進めます)。

つまり謎は読んでくれている人が「それってどういうことよ?」と首を傾げてしまうことであり、伏線とは「読んでいるときはどうとも思わなかったけど、あとになってから『あぁ、それはそういうことか!』と気づくものですね。

少しややこしいのですが、伏線にも「物語の謎に関わるもの」だったり「物語には直接的には関係ないもの」もあったりしますよね。

前者でいえば例えば推理ものなんかでは犯人やキーパーソンがポロリと言ったひとこととか動作とか。後者であればキャラクタの心情を示したものとかがそれに当たります。

なので「謎は全回収しないといけない。伏線も謎に関わるものは回収しなくちゃいけない。それ以外の伏線もできるだけ回収しておかないといけない」ということになります。

で、プロットがしっかり練られたストーリー(作者の頭の中だけでもOK)であれば、色々な伏線を物語中に散りばめていくことができるわけですが、そうでない場合(私のように)には結構困ったことになります。

謎だけでいえば小説の視点、つまり多くの場合主人公の視点以外での出来事を考えておいて、それが主人公の視界に入ってきたときに(小説として書くときに)さらっと上辺だけ書くことで、謎は作れそうです。

例えば「ヒロインの鶴は助けられたお礼に人間に変身して主人公の元へ行く」という事実のうち「助けられた鶴である」ということを隠しておく、という感じですね(出典:鶴の恩返し)。

なので謎の方は(それの出来不出来は別として)それほど難しくないように感じられるのです……が、問題は伏線の方。

伏線も同じように作ることはできるんですけど、特に謎に関わっていない部分については結構難しいと思いませんか?

特に即興気味に書いていると「無駄のない文章」が伏線の邪魔になったりします。逆にいえば、ダラダラと書いているような文章の方が、後々「それが伏線だったのだ!」と言うことができそうな気もするんですよね(笑)。

私の場合は「過去のエピソードを読み返しながら『伏線ないかなぁ』と探す」という感じでやっているんですが、まぁ……なかなか上手くはいきません。

いくつかはそういう形で作ったものもあり、例えば剣士四人組の一人ニコラが「DIY好きである」という設定は、書いた当初はそれほど重要な要素ではありませんでしたが、後にあれやこれやを作る役割を持ったキャラクタになっていたりします。

でもまぁ、そういう伏線は物語の後半になってくればくるほど、敢えて回収する(というか後付で回収するというか)必要はないわけです。しかし謎に関わる部分はそうはいきません。

ですので、今は「昔、無造作に置いてきた謎が何だったかを確認している」という、なんとも間抜けな作業をしていたりします。

後半くらいになって「これはやばいな」と気づき、いくつかはメモを取っているのですが、もしかしたら置きっぱなしにしてきたものもあるかもしれませんし。

そうはいっても、例えば週刊系の漫画などでは「初期のあの話はなんだったんだ?」というようなことも多かったりするので、連載系小説でかつある程度の長期のものであれば、それほど気にしすぎるのもよくないのかもしれませんけどね(と、謎の回収を忘れたときのための伏線を張っておきます)。