講談社が「NOVEL DAYS」改装直後に、なぜ「リデビュー小説賞」を持ってきたのかよく分かる「NOVEL DAYSリデビュー小説賞 座談会」が面白い!
こんばんは、しろもじです。
講談社が主催する小説投稿サイト「NOVEL DAYS」については、以前にもいくつか記事を書かせて頂きました。
その「NOVEL DAYS」への改装後、一発目に開催されたコンテストが「第1回 講談社NOVEL DAYSリデビュー小説賞」です。
講談社はなぜ改装後1回目のコンテストを「リデビュー」という形にしたのか?
穿った考えをすれば「講談社は紙書籍デビューもしてない作家は相手にしない」という見方もできます。
私も当初は「確率的、効率的に考えればそれが懸命だな」と思っておりました。
そんなとき開催されたのが「NOVEL DAYSリデビュー小説賞 座談会」です。
「トークメーカー」時代からあったチャット形式で2018年10月18日から1週間行われていました。
参加者はリデビューコンテスト参加者のみということもあり、私は見るだけになっていたのですがこれがなかなか面白かったので、ご紹介させて頂きたいと思いました。
司会は作家であり実業家でもある至道流星さん。
パネリスト(でいいのかな?)として講談社タイガ編集長の河北さん、講談社ラノベ文庫編集長の猪熊さん。それに加えてリデビューコンテスト参加者の皆さまで、チャット形式による座談会となります。
座談会の内容は、上記リンク先から誰でも読むことができますので、ぜひご覧下さい。
#1から#6まで分れており、1話(?)辺りの分量もさほど多くないのでスラスラっと読むことができるかと思われます。
内容についてはネタバレ……と言うほどではありませんが、読んだほうが早いと思われますのであまり触れません。
ただ、ひとつだけ。
上に書いたように「なぜNOVEL DAYS改装後にリデビューという形の小説賞を設けたのかな?」というのが一番気にかかっていました。
普通小説投稿サイトを立ち上げるのならば、広くユーザを集めるために「無条件」のコンテストをするのが定石な気がします。
賞金をドーンと用意して「書籍化確約!」「見たこともない面白い作品を!」などで釣り上げるのが普通ですよね。
リデビュー、つまり「書籍化はしたけど、その後は続いていない」という方をターゲットにしたとしてもある程度のユーザは獲得できるでしょうが、当然間口は狭まります。
なぜ講談社はこのようなことをしたのか?
もちろん、前述したように「そっちの方が効率がいいから」「一般公募すると数が大変で、業務的に難しい」という経営判断的な部分はあったのでしょう。
しかし考えてみれば「書籍化から打ち切りになった作家」というのは、逆にリスクな部分も多いように感じられます。
編集者にしてみれば「他社で打ち切られた作家を招き入れるリスク」と「未デビュー作家のリスク」を考えると……微妙なところがあるかとは思いますが「実績としての打ち切り」が確定している作家というのは使いづらいというのが本音ではないでしょうか?
再就職でも「前の会社を首になりました」と言われると、警戒してしまいますもんね。
そう考えると「一度ステージに上ったものの、色々な理由でそこから降りることを強要された人」にチャンスを与えるというのはある意味優しい行為であり、講談社がNOVEL DAYS改装後の第1弾として「リデビュー小説賞」を設けたのは、それを如実に表しているのかもしれません。
もちろんここでいう優しさとは「そうかぁ色々あったんだね、じゃぁうちでリデビューさせてあげましょうねぇ」という甘えの優しさではありません。
ただ「機会をあげましょう」というものなので、当然リデビューできない方も出てくるはずです。
それによって再度の「最後通牒」を突きつけられることになるかもしれないことを考えると、ただ単に優しいだけではないという気もしてきます。
しかしながら、昨今の「作家の使い捨て」を考えるとこのような取り組みは素晴らしいものであると思われますし、上記のような理由からなかなかできるものではありません。
ここは講談社の英断を褒め称えるべきかな、と思いますね。
とまぁ、そんな堅苦しい話は別としても編集さんが何を考えているのか? 他の作家さんがどのような思いで小説に取り組んでいるのかがよく分かる座談会になっています。
もくじには「第1部」と銘打っていますので、次もあるのかな?
あるといいなぁ。
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