同人誌の価格については、私も言いたいことがある

小説講座

数日前に「同人誌の価格が高すぎるとクレームがあった」という話がネットで話題になっていました。

当事者でもありませんし、詳細な経緯を知っているわけでもないので、ここでその件を取り上げてどうこう言うつもりはありません。

知りたい方は「同人誌 ぼったくり」あたりでGoogle先生に聞いてみて下さい。

ただ「180Pで1500円、100Pで1000円」という価格設定が高いというクレームについては違和感を覚えますし、どうやら小説の同人誌であったようだということで、ちょっと「その価格設定、私にも一言言わせて欲しい」と思い記事にすることにしました。

なお、私はどちらかというと「制作者側」の人間でもあるため、そちらよりのポジショントークになっていることは自分でも承知しております。

その点をご了承の上、ご理解できる方のみお読み下さい。

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同人誌の価格について、私の個人的な見解

まず最初に、今回の件を含めて同人誌の価格について、かつて私が感じたことを書いておきます。

今はほとんど買うことがなくなってしまいましたが、前に何度か同人誌を買ったことがあります。

残念ながら田舎住まいですので、そういうのが大量に買える聖地に赴いたことはありませんから、仕方なくネットで購入しました。どんなのを買ったのかは勘弁してください(エッチなのじゃありません!)。

それらを買って思ったのが「安いな」ということ。

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しろもじ画伯の絵については突っ込まないで下さい

まぁ価格など気にせずにポチったわけですが、後から考えても安い。

当時の価格設定は思い出せませんが、もう少しページ数が少なく価格は同じくらいじゃなかったかな、と記憶しています。

「こんな価格で、書いた方はちゃんと利益が出ているのだろうか?」と心配した記憶があります。

私はそう感じましたし、今でも上のような価格を見て同じ思いを抱きますが、なぜ「高い」という意見が出てくるのか?

それを考えてみます。

「マス」と「プライベート」

まず上記のような価格が高いという根拠は何かということ。

恐らく商業出版されている書籍と比べて言っているのではないかと思われます。

商業出版されているものであれば、ライトノベル系文庫ですと「約250P〜350Pで650円〜850円」辺りが価格のメインストリームではないかと思われます。

さらにソフトカバー版として1200円辺りの価格設定を掲げるものも増えてきています。

いずれにしても「価格÷ページ数」で割って1ページあたりの単価を見比べて「高い」と判断してるのではないでしょうか?

しかし、価格というのは本来「供給する側が決めるもの」であります。

その上で「需要と供給の関係」で価格というものは変動していくものです。

変動していくと言っても、それはあくまでも供給側が「これじゃ売れないな」と判断した上で、価格の改定を行ったり、調整していくことで価格が移り変わっていくという意味です。

ところで、これはあくまでも「マス」な商業製品の話です。

同人のようにプライベート(ここではマスの対義語として使っています)な商品については、これは当てはまりません。

小説で言えば、大手の出版社が発行している書籍は「大量に刷って大量に販売」すること、もしくは「多くの作品を出すことで、多少売れない作品があってもカバーできる」ことで、低価格を実現しています。

少し前にハンドメイド作品でも同じような話がニュースになっていましたが、プライベートな生産手段では価格が上がるのは当然のことです。

商売をやれば分かるのですが、分母が大きくなればその分価格を下げても利益を確保できるのは当たり前で、逆に言えば分母が小さいと価格は高くなるというのも当たり前の話です。

「二次創作は利益を出してはいけない」って何?

次に今回のことをネットで調べてて「二次創作は利益を出してはいけない」というものがあった(クレーム側が言っている)のにも驚きました。

読み進めてみると「二次創作はグレーだから」というのが根拠になっているようです。

二次創作がグレーなのかホワイトなのかブラックなのかは、その元となったものにも依りますし、二次創作自体の内容にも依る部分が大きいとは思います。

その是非は(個人的な意見はありますが)ここでは問いません。

もし問題があるのならば、二次創作の制作者が版権元に訴えられた上で、法律的に処罰されるわけですから私がどうこう言う問題ではありません。

ただ、二次創作で利益を得てはいけないという考え方は理解できません。

例えば買ってきた書籍を勝手にコピーして販売する行為は、いけないのは当たり前です。

しかし、二次創作と言っても創作であることには変わりないのではないでしょうか。

上に例を挙げたハンドメイド作品の件にしても「原価がいくらだから儲けすぎ」という意見がありました。

これについてはネットなどでも散々意見が出ていますが「それなら原材料を買ってきて、自分で作ればよい」が正解だと思います。

商品を見て「高いなぁ」と思うこと自体は悪いことではありません。

例えば小説執筆用に机が欲しいとしましょう。買いに行ったら思っていたより高い。

5万円くらいしたとしましょう。

ホームセンターに行ったら、天板や足材を買っても1万円で済みそうだった。

なら材料を買って作ればよいだけです。

なんなら、原木を買ってきて切り出せばもっと安く済むかもしれません。

でもまぁこれ、創作関連に限らずよくある話なんですよね。

私も以前していた仕事で、本来であれば1時間ほど掛かる作業を、半分の時間で済ませたら「そんなに簡単にできるのならば、価格も半分で良いはず」と言われたことがあります。

半分の時間でできたのは、それを可能にするための「努力と工夫」があったわけですが、そういうことをしたことがない人間にとっては、それを想像することができないみたいなんですよね。

また値引きをしてくる人も多かった記憶があります。

私は基本的に値引きは要求しない人間ですが(高いと思ったら、別の所で買うか自分でやる)、値引いて当然という人は残念ながら一定数存在します。

大昔ならそういう商慣習があったのも仕方のないところもあったのですが、今はネット社会です。「特別に」と行った値引きがあっという間に拡散されてしまいます。

そうなったとき、値引きした人にとっては「得した」わけですが、一方で定価で買った人にとっては「損した」という思いだけが残ることになります。

少し話が逸れてしまいました。

私は「利益を出すべき」と思っています。

「儲けすぎはいけない」と言われる方もいるかもしれませんが、プライベートな商業活動で大儲けなんてできるわけがありません。

だって、数が限られているわけですから。

経済社会は利益を出すことで成り立っています。

拝金主義と言われようと、このことは真実であり、これを否定しては経済が回っていきません。

100円のものを100円で売っていては、何も残りません。

小説にしても漫画にしても、それを世に出すまでには、何かしらの労力が伴っているわけです。

それらをお金に変えることが悪であるのなら、全ての仕事は悪であると言えるでしょう。

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ま、娯楽作品ってのはそういうものだから

ハンドメイド作品の件からずっとモヤモヤしていた思いを書いてみました。

ちょっと長いですかね(笑)。

極論を言えば「嫌なら買わなきゃいい」なんですが、先程も書いたようにどうしても「それを正したい方」というのは一定数存在します。

上に書いたことは世の中に出ている製品全てに言えることだとは思いますが、特に同人誌などは娯楽作品です。

娯楽にかけるお金は、一般の製品とは別のベクトルで測られるべきものです。

また二次創作、一次創作に関わらず、プライベートな商業活動は今後ますます発展していくべき(していって欲しい)と私は思っています。

そういう環境が徐々に整いつつある中で、創作者側の価格設定に関する考え方というのは、確かに難しいものがあるのかもしれません。

「こんなに高くて大丈夫かな?」と思うのは当然でしょう。

しかしこういう一部の声に萎縮せず、きちんと対価を得られるような環境が整うことを願って、本記事を書きました。

最後になりますが、本記事は「価格が高いと言った方を吊るし上げるもの」ではありません。

意見は色々あって良いと思います。

本記事もそのひとつであると思って頂けると幸いです。

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